激突! 異世界での戦い! 2
「そのセリフ。そのままお返しするぜ、ドクターフェルシル」
不敵な笑みを浮かべて、鋭い視線で俺を見るのは、赤沢暁美……ホーリーレッドである。
「ええ。今日こそ、自身が行っていることの不毛さと愚かさ……いい加減、認識させて差し上げましょう」
あまりにも気どった感じの大袈裟なセリフ回し……一条清夏……ホーリーブルーだ。
「何度やったって、お前みたいな奴に、ボク達は負けないんだから!」
まったく緊張感のないセリフと、無邪気な笑顔。横井奈緒……ホーリーイエロー。
そう。俺は今日、このホーリーイエローに対し攻撃を仕掛けるのだ。
そう思うと、なんだか急に気が引き締まる思いだった。
思わず俺はゴクリと唾を飲み込む。
三者三様にそれぞれの「決め台詞」を述べたホーリーセイバー。そして、三人それぞれが、携帯を取り出し、前に掲げる。
「「「変身!」」」
そう。ホーリーセイバーは携帯で変身するのだ。
もちろん、過去においてはそうではなかったようだが、正義の味方も時流に合わせて、変身器具をそれに合わせているらしい。
まばゆい光が彼女達を包む。光の中で彼女達は変身しているわけなのだが、ここでは攻撃しない。
完全に無防備な状態なのだから攻撃すればよいのだが、それは既に長いホーリーセイバーとダークネクロムの戦いの中で攻撃してはいけない、という一種のしきたりになっている。
俺はそのまばゆい光を見つめながら今一度作戦を考えていた。光が消えればそこにはホーリーセイバーに変身して彼女達がいる。
つまり、いよいよ本格的に戦いが始まるのだ。そうなれば後戻りはできない。
もし、俺が考えている作戦を実行するならば、すぐにでも実行すべきなのだ。
段々とまばゆい光が収まっていく。そして、光が完全に消えた時、そこには、赤、青、黄色、それぞれの色彩をアクセントにしたバトルスーツに身を包んだ三人がいた。