燃える赤は正義の証! ホーリーレッド! 4
「確か、梅木の言うとおり、いつも通りだよな。俺達の戦いって」
「あ、ああ……そうだろ?」
俺が同意を求めると、赤沢は頷く。
「そもそも……こういう戦隊ヒーローものってさぁ、主人公達が、多少困難とかにぶつかって、それでもそれにめげずに立ち向かっていく成長物語だと思うんだよ」
「あ、ああ……そうだな。言われればそういうのが多いかもしれない」
「だろう? だとしたら、私達も何かしら困難にぶつかって成長していかないといけないと思うんだ」
「なるほど……しかし、困難か」
「困難……思いつくのはやっぱり敵の罠とか、策略だよな。それでそれに嵌ってしまってピンチになるのを力を合わせて抜け出す、みたいな感じか?」
「まぁ……そういうのは多いよな」
「そういう山あり谷ありな感じにするから、番組全体としても視聴者にマンネリを与えずに済むんだよ」
つまり、マンネリを生み出さない、もしくは解消するためには、主人公、ヒーロー側が困難にぶつかればいいってことだろうか?
しかし、その困難生み出すのはやはり、敵……この場合は、俺、悪の首領のような立場の人間ということになる。
しかし、では、困難とは一体どうやって生み出せば……
「だから、この場合は……梅木。お前が私達を罠とか策略に嵌めればいいんじゃないか?」
「罠、策略と言ってもな……戦う場所も相手も決まっていてわかっているのに、どうやって罠や策略に嵌めるんだ?」
「確かに、そうだな……じゃあ、戦法を変えるとか?」
「戦法を……変える?」
「そうだ。今まではお前は正々堂々、力勝負で私達に向かってきてたからな。だから、少し特殊な攻撃を戦闘の中で盛り込んでみるとか……その特殊な攻撃を打ち破ることって、困難に打ち勝つってことにならないか?」
少し興奮気味に赤沢はそう捲し立てるのだった。