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輝く黄色は元気の証!ホーリーイエロー! 2

 横井奈緒。


 コイツは、人間世界で一番最初に俺に絡んできた人間と言っていい。


 奈緒の出会いは小学校にまで遡る。


 既に英才教育を受け、他の生徒とは完全に一千を画していた俺に、コイツはなんのためらいもなく話しかけてきた。


 なぜ、俺に話しかけてきたのかという理由を前に本人に聞いた所「寂しそうだから」だそうである。


 あまりに勉強ができ、異様なオーラを発しているため皆から避けられ、一人でいる俺が寂しそうに見えたのだという。


 もちろん、ホーリーセイバーには勝てずとも、俺は人間共とは一線を画すように振舞ってきた。


 しかし、それにもかかわらず、以来、俺にしきりに絡んでくるのが、この横井奈緒なのである。


「あ! 真奈ちゃん! おはよう!」


 今気付いたのか、といわんばかりに今度は真奈の方を向いて奈緒は挨拶をする。


 しかし、露骨に嫌そうな顔をして、真奈は俺を見た。


「……聖冶。私、先行ってるから」


「え、ちょ……お、おい!」


 そのまま真奈は俺と奈緒を置いて先に行ってしまった。


 もちろん、真奈も、俺と同じ小学校であったのだから、奈緒との付き合いも長いのだが、真奈は殊に、奈緒のことを苦手としていた。


「ちぇ~、真奈ちゃん、相変らずノリ悪いなぁ~」


「……いや。お前、ノリ悪いって……いいか、もう何度も言っているが、真奈はお前のように朝っぱらからテンションが高い奴が苦手なんだよ」


「えぇ~? だって、もう小学校の頃から付き合いだよ? いい加減慣れてきてもいいじゃん」


「あのなぁ……お前、なんでもかんでも慣れろって考えるのはいい加減やめろよな」


 なぜか頬を脹らませてみせる奈緒。


 これでも約十年コイツと付き合っているのかと思うと、ほとほと俺自身信じられない気分になってくる。


「……じゃあ、いいや。聖治と一緒に学校行くもん!」


 そういって俺の腕にまとわりついてくる奈緒。


 こ、コイツはどうしてこう、スキンシップが過剰なのだろうか……


「お、おい! 離れろ! 邪魔だ!」


「いいじゃ~ん! ボクと聖治の仲でしょ~?」


「だからこそ、ダメなんだろうが!」


 俺は少し強引に奈緒を引き離す。


 確かに普通の小学校からの幼馴染であるならば、奈緒の過剰なスキンシップに対しても、もう少し寛容になることもできる。


 しかし、俺達は、単に普通の幼馴染ではないのだ。


「え~? なんでぇ~?」


「当たり前だろう! 正義の味方と! 悪の組織の首領が! 仲がよくていいわけないだろうが!」


 俺が強めにそう言っても、奈緒はニコニコ笑っているだけだった。


 つまり、横井奈緒こそ、正義の味方、ホーリーセイバーの一人、ホーリーイエローなのだ。

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