憂鬱!若き首領の苦悩! 1
「はぁ……」
食事が終わった後、俺は広すぎる自室で大きく溜息をついていた。
マンネリ、倦怠感、か。
「……なぜ、勝てないのだろうか」
俺が感じているのはどちらかというとそちらだった。
既にホーリーセイバーとの戦いは一年以上続いている。
しかし、その成果はまるで見えない。一年目はネクロム社に対し様々な注文を着け、主戦力であるサイコカオス以外のロボットの製作まで指示していた。
しかし、それら全てのロボットがことごとく敗北してしまうと、俺はそれもやめてしまった。
それ以来、俺はサイコカオスで出撃しているものの、結果は変わらず。気付けば、サイコカオスの修理も400回を超えてしまったのだ。
そのたびに彩子も俺にすまなそうにしているから、既に400回は、彩子は俺に対し謝っているのであって、俺自身もその度に申し訳ない気分になってしまう。
俺は豪華なベッドに横になって天井を見る。
簡単に勝ってはつまらない、というのは俺も思う。
だけれど、成果が出ない戦いに果たして意味はあるのか……
先祖の悲願といえど、自分の人生を、俺は正しく使えているのかどうか、不安になってくる。
その時、ドアをノックする音があった。
「はい?」
「失礼致します」
と、ドアを開いて入ってきたのは、片岡だった。
「あ、ああ。片岡か。どうした?」
「いえ。坊ちゃま……何か悩んでいらっしゃるのでは?」
あまりにも図星な質問に俺はドキリとする。
「な、なんでそう思うんだ?」
「いえ……お爺様とのお食事の最中、あまり坊ちゃまのお顔が優れなかったものでして……」
確かに爺様の前では何一つ言わず、黙って俺のことを見ていた片岡のことを思い出した。
「あ、ああ……いや、いいんだ。なんでもない」
「……坊ちゃま。無理をなさることはないですよ?」
いつもの心配そうな調子とは打って変って優しげな声で片岡はそう言葉をかけてきた。