悪と正義
世の中には二種類の人間がいる。
いい人間と悪い人間だ。
正確に言えば、正義の味方と悪の侵略者、である。
この場合、少し不思議な言葉である。なぜか「正義」は味方であり、「悪」は侵略者なのである。
そして、「悪」というのは大抵たとえば世界征服だとか、世界の滅亡だとか……そういう破滅主義的なことをかんがえる、組織的な者が多い。
なんにせよ、とにかく、この世界は古くからその二つの勢力が、互いをどうにかして潰そうとして、延々戦いを続けてきたのだ。
その戦いは時に表だって、時に誰も知らない所で行われていたが、正義と悪の組織は互いに激しくぶつかり合ってきた事だけは確かである。
もちろん、今もその戦いは続いている。この世に悪と正義……というよりも人間が存在する限り、この戦いに終わりはないのだ。
特に両者に明確な戦う理由があるわけではない。ただ単に悪と正義は反発し合うのだ。だから、戦うだけ。理由など必要ないのだ。
そんな理由などない、正義と悪の戦いは、とにもかくにも続いている。
この世界、あるいは、別の世界……はたまたその両方に渡って、戦いは続いているのである。