グサグサ
もうひとつ同じ擬音語で「グサグサ2」を投稿しときます。
ブチブチブチッと草を抜いて、
ザクザクと根を掘り起こす。
あ……ミミズ様を分断してしまった……
とりあえず埋めとこう。
カリカリっと枯葉を踏みながら、
ジョキジョキと枝を切り落とす。
あ、クモの巣切っちゃった。
この辺にとめとけば修復してくれるかな。
そうしてできた明るい小さな空き地に
さくさくと土を掘り起こして、花の苗を植える。
「よしっ」
ぐいッと汗をぬぐい、
台所の前に立つ。
きれいにした手で冷蔵庫から肉を出し、
串に刺していく。
少し力がいって、これがちょっとしたストレス解消。
嗚呼、繊維が切れる。
嗚呼、これが生き物の一部だ。
数日前まで、元気に生きていたのだ。
それを誰かが解体し、誰かがパック詰めし、誰かが店頭に並べる。
誰にも買われず、値引きが行われる。
それでも誰も買わなかったのなら、廃棄される。
一つの命が、他の命の糧となることもできず、無駄に終わっていくのだ。
何のために殺されたのか。
……まぁ、そんなことはどうでもいいか。
安くなって少しの金で買えて、それが今晩のおかずになる。
それだけだ。
グリルに入れてしばし待つ。
発泡酒でも冷やしとこうか。
縁側に出て曇った夜空を見上げながら、焦げた焼き鳥の繊維を食いちぎって発泡酒を一口。
「うまいっ」
挿絵は 太郎 様にお願いしております。