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第3話 ザリガニは好きですか?

 [レベルが19→20にアップ。]

 [第一成長:完了]


 ムニャむにゃ...はわ。

 おはようございます。


 異世界転生して4日目。

 あの後も獲物を狩り続け、ついにレベル20に到達しました!イエーイドンドンパフパフ!


 見てよこの筋肉...なんてのはこの体に無いわこんな小枝みたいな足と節に。でもなんか力が上がった様な感覚はある。


 あれから狩った獲物は主に近くにいたカエルやオタマジャクシ。レベルが上がったお陰で同じ倒し方でもかなりスムーズになった。


 でもあの時噛んだ硬い石みたいなのは未だ出ていない。経験値ボーナス的なのでありがたかったんだけどなぁ。

 

 そんな事よりこちら、新拠点!


 いい感じの石がゴロゴロ、

 いい感じに生えてる水草、

 私が暴れた所為で邪魔者がいない立地!


 ああ、人間の時と違う。

 自ら得るっていい。よきよき。


 ...お、空が明るくなってきました。


 それでは今日も1日、張り切って行きましょう!

 


 ...あれ?

 オタマジャクシやカエルが小さくなった?

 ってか拠点も小さくなった?

 

 いや違う、これ。


 [ソラ]

 ・体長4.5cm→15cm


 私がでかくなった。

 並みの昆虫以上の大きさになった。

 ウシガエル並みの大きさになってしまった。

 海外のナナフシよりは小さいが。


 でもコレで確信した。

 異世界だ。

 どう考えたって日本どころか前の世界でここまでの事はあり得ない。


 多分、昨日色々経験値やら食料やら取り込みまくった影響だろうな。どれ、体は...おお!?またさらに動けるぞ、なんて速さだ。


 [ギチギチッ]


 ...あれはザリガニ?

 いるんだこっちにも。

 なんかハサミがすっごい金属質で怖い。


 でもなんだ、美味そう。


 [バリバリモシャッ]


 違った、美味いわ。

 もう食べてた。

 スキルのお陰か泥臭さとか感じない。

 うめぇ。


 ...体でかいからもう食べきっちゃった。

 

 [ギチギチッ]


 うわっふ、外来種の如くいっぱいいました。

 朝飯はザリガニで決定!

 いただきまーす!


ーーーーー


 池を囲む森、

 その奥からやってきた村人達。


 「...ふぅ、ついた。」

 「話によるとフィードフロッグの減少が確認されたんだっけか?」

 「ああそうだ。確かメタルアームが最近出没したとも報告があったから関係があるかもしれない。」

 「うーむ...外来種か。確かに奴らならフィードフロッグを食ってもおかしくねぇ。繁殖してたら面倒だ、お前ら調査開始だ!」


 10人程の近隣村人。

 

 彼らにとってこの池や近くの川は食料源にして収入源。故に生態系の管理をしているのだが、つい最近中型以降の魚の餌となるフィードフロッグというカエルの減少が確認された。


 生態系というのは想像以上にデリケートなもの。1種が減るだけで生態系がえらい事になるのはよくある話だ。


 故に彼らはすぐに調査を始めたのだ。


 「どうだー、なんかわかるかー?」

 「...あ、村長!」

 「どうした?」


 村人が村長にそれを見せた。


 「...メタルアームか、やはり増えているか?」

 「はい、結構な数が。」

 「そうか...なら早く駆除を開始するぞ。こやつらの肉はフィードフロッグ同様釣り餌になる。生態系を乱されるのは困るが有効活用しよう。深いところには気をつけろよ!」

 「はい!」


 彼らは網を使いザリガニを捕まえる。

 網に匂いの強い餌を括り罠を作る。


 そして2時間が経った頃、


 「ふぅ、このメタルアーム達があまり深い所には行かない習性で助かりましたよ、おかげでこの量ですよ。」

 「うむ。短期間でここまで増えてるのは厄介じゃがしばらくフィードフロッグの代用となるじゃろう。」

 「泥臭くて食べれる物ではありませんが釣り餌としては十分機能あるのが幸いですかね。フィードフロッグが増えるまでの間は当分コレですね。」

 「そうだな...おお、そろそろ罠を引き上げよう。」

 「わかりました。おーいみんなー!」

 「うーし!行くぞー!」


 [バシャアッ!]

 [ギチギチ、ギチギチッ]


 「うおお!?」

 「どひゃあ、コレはひどいっすよ。」


 カゴの中はギッチギチのザリガニだらけ。

 ザリガニ達はビチビチとカゴの中で跳ねる。


 「これは調査をして大正解でしたね...。」

 「まさかここまでとはのぅ...、こっちまで引っ張るぞ!」

 「せーの!」


 [バリィッ]


 「ん...?」

 「な...!?」


 カゴを破り何かが池に飛び込んだ。


 「...なんじゃ今のは!?メタルアームを咥えて逃げたぞ!」

 「気をつけろ、見た事ない生物だ!!」


 村人達は一旦池から上がり、様子を見る。


 「村長、見てください。カゴの中のメタルアームが数匹喰われた痕があります。」

 「...カゴの素材はメタルアーム程度では破れない強度を持っていた。じゃがあの力と身のこなし...どうやらメタルアーム以上の脅威がこの池に現れた様じゃ。一度村に戻るぞ、どの道これ以上は運搬出来ん。」


 そうして村人達は村へ戻って行った。

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