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第10話 冒険者...?

 「森荒らしを寄越せ、断ればその首は無いと思え。」


 男達4人が剣を抜く。

 ははーん、手柄を横取りしに来たのか。

 

 会ったことも無い冒険者ギルドの奴らが、どうやらいい奴ばかりではないのを理解してしまったよ。


 「...不審者は回れ右っすよ?」

 「俺はヨコゥ・ドゥーリ。チーム・バイトドッグと言えば不審者じゃないってわかってもらえるかな?」

 「回れー右!」


 仕草で分かる、回れ右か。

 素晴らしい回答、花丸1000満点だ。

 補習になる可能性はゼロだな。


 「...なんと言った?」

 「おや、見た目の割に年上なんすね。75歳の村長でも耳遠くないのに。」

 「おいクソガキ!」

 「まーわーれーー、右ぃっ!!!」

 「ッッ!!!」


 2人がキレて襲いかかって来る。


 「纏え氷よ。」

 「ギャアアア!!?」


 男がアイを殴る...が、肌に触れた瞬間男の手が凍てつく。


 「な、なんだこい...ギャアアア!!?」


 その隙に私が別の男の脚や手の皮膚を顎で噛み切る。

 早速修行の成果が出た。


 「バカかお前ら...森荒らしを目立った傷なしで首を飛ばしてるんだぞ?簡単に勝てる訳ねぇだろ...。」


 ほう、リーダーの男は周りが見えているらしい。


 「獣人のクセに妙な魔法が使える...その上元より高い身体能力。面倒くせえ...。」

 「ヨコゥさん、ここは俺が!」

 「おい待て...、」

 「?...どうしま...な!?」


 背中には私が張り付いていた。


 「既に後ろを取られてるクセに前に出るんじゃねぇよ。」

 「ぐああああ!?」


 リーダー以外は大した事なかった。


 「...雇っただけの連中ならこんなものか。」

 「早くもアンタ一人っすよ?」

 「そうだな、ではありがたく回れ右をさせていただくよ。」


 男は後ろを向く。


 なんだ、潔すぎる。


 「...さっき嬢ちゃんが言った分を含めてなあ!!」

 「!」


 男は一回転、

 小さな何かを投げつける!


 煙玉だ、濃い煙が辺りを覆う。


 「悪いが獣人の嬢ちゃん、おとなしくしてもらうぜ?」

 「…。」

 

 アイが倒れた…!?


 「獣人にだけ有効な成分が入った煙だ。しばらく寝ていろ。」


 アイが眠らされた。

 地味に頭が痛いが私にはなんともない、体質とかそう言うので効果出るのか?


 しめた、私がまだ動ける!

 私は煙に紛れ男に近づく。


 「バレバレだぜ?」


 瞬間、周囲が、目の前が炎に包まれた。

 粉塵爆発?いや違う、これは…!!


 「俺はな、炎を扱うのが得意でな。近距離ならこうやって!」


 男は炎を、炎を纏う剣を振り回す!


 「…大抵の奴は近づいてこねぇし、それに。」


 [ブォンッ]


 !!?

 

 「相手の居場所がわかるんだ、目を閉じてもなぁあ!!」


 嘘だろおい。


 相手はまさかの熱波で相手を探知できる能力を持っていた。

 しかも炎の魔法を使う。


 それにこの匂い、薬品か。

 おそらく剣に液体可燃物を塗っている、剣を振ると炎が飛び散る液体に燃えて前世の祭りや行事でしか見そうにない派手さが目立つ。


 故に恐ろしい。

 あーいうのが実戦投入されるなんて。

 触れたら洒落にならないのは小学生でもわかる。


 しかも煙がまだ残ってる、煙玉としては優秀なんだろうけどさあ!

 あー煙たい!!


 「おらどうした!さっきより動きが鈍いぜ!!」


 あぶなっ、うぐ…煙玉とあの薬品の燃焼ガスのせいで視覚嗅覚が潰れ始めた。

 虫はデリケートなのよ!!


 「こいつはどうだ、しゃああっ!!」


 炎が地面を走り迫る!!

 こんなのあり!?


 「俺は生まれ持って薬師のスキルを持っていてな。おかげで毒物や可燃物といったものへの理解がしやすくてな…だからこうすることも出来る!!」


 今度はなんの薬品…って爆竹みたいに弾けたぞ!?

 こいつ薬品に詳しすぎる、おそらくまだ何か持ってる。


 「止まってると危ねぇぜ?」


 ん?

 なんだ、奴は何を?

 そういえばそっちに投げられてた薬品は臭いが違…しまった!?


 [ボンッ]


 あ…。


 左後ろ脚が吹っ飛んだ。

 どころかちょっと腹肉も持ってかれた。


 [自動治癒1:取得]


 なんてタイミングなのかナイスタイミングなのか。

 どのみち、


 今までに味わったことの無い激痛が走る。

 

 痛い。


 痛い痛い。


 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い、


 「はっ、さっきまでの余裕はもう無いみたいだな?」


 ああああああああああああああああああああああああああああ、

 痛い、嫌、死にたくない、助けて、



 …!!!!


 炎がアイの元へ迫ってる。


 私の体は勝手に動いてた。


 死にたくないのに。


 でも、



 この子は死んでほしくない。

 

 ああ、体が焼けつく。

 炎から遠ざけるためにタックルした反動で炎に触れてしまった。


 こんなほっそい体だ、炎に触れ始めた部分から黒焦げに、脚は既に灰になり始め感覚が消える。


 でも、ただで終わらない。


 [起死回生]


 「な!?ぎゃあああああ!!?」


 炎を纏う体で私は男に噛みついた。


 首は狙えなかった。

 でも足に大怪我を負わせた。


 「この虫ケラがああ!!」


 炎の海へ投げ捨てられた。

 数十秒前までは死にたく無いとか言ってたのに今はそうでもなくなった。



 こんな虫ケラになった私といてくれてありがとう。

 この世界で最初の友達、アイ。


 「バカ...なんでこんなになってまで...!」

 [!]


 何かに抱き抱えられる。

 大粒の涙を流しながら。


 「ちぃ、目覚めやがった...!」

 「...氷よ!!」


 アイは周囲に氷を発生させ水蒸気爆発を起こす。

 男が怯んだ隙に撤退した。


 「ちぃ、逃げられたか...まぁいい。俺も逃げるつもりだったしな...。丁度いい、怪我のお陰で戦ったと周りは信じ込むはず、後は森荒らし討伐の証拠さえあれば俺は昇格が出来る...さらにのし上がれる!!!」

 「いいや、」

 「...は?」

 「一気に堕ちるんじゃよ...地獄にな。」

 

 男は断末魔すら出せなかった。

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