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畳 何畳ぶんかの世界

作者: 歌川 詩季

 あるていど、広さは欲しいですけどね。

 じぶんの世界に(たたみ)()()めて

 何畳ぶんあったかなんて

 そいつでおたがいの器量を(はか)りあうもんじゃない


 百歩 (ゆず)って

 たがいが ものさしにしてる(たたみ)

 一畳あたり おなじ広さをしてるとしても

 きれいに真四角を(えが)いて()かれてるのか

 部屋というより回廊のように

 此方こなたから彼方(かなた)へと

 まっすぐに あるいは 曲がりくねってのびているのか

 そんでもって

 そのどちらが かしこい()きかたなのかを

 ちっとも俎上(そじょう)()せもせずに

 枚数を競うだなんて

 あぁ まったく馬鹿げたはなしだよな


 てゆうかさ そもそも

 そのはしっこにまで足を運ぶのも億劫(おっくう)なほど

 世界を広くして どうするってんだい?

 いや まぁ広いったって たかが知れてるんだけどね

 むしろ たかが知れてる広さだからこそ

 そんな(たたみ) 何畳かの枚数にこだわるんじゃなくて

 その一畳 一畳のうえに

 どんなものを おさめてんのか そこんところを

 もういっぺん 見せてくれよ

 どんなものを おさめたいのか そんなところを

 もういっぺん 教えてくれないか


 ひょっとすれば (たたみ) 何畳ぶんも場所をとる

 でかぶつをもてあまさないように

 (たたみ)を必死に()()めてるやつも

 いるかもしれねえけど

 だったら それはそれでけっこうなことだ

 そいつの世界には広さが必要だってことだもんな


 まぁ いいや

 だったら 好きなようにするさ

 欲しけりゃ (たたみ) 何畳ぶんでも

 じぶんの世界を広げようと やっきになればいい

 でも ()()めたはずの(たたみ)のうえが

 なにひとつ おさめられてない がらんどうのまま

 その枚数を虚しく数えるだけの余生にまで

 じぶんの行き着くさきを追い込まないように

 せいぜい気をつけるんだな

 本とか、ものを置くスペースは欲しいなぁ。

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― 新着の感想 ―
そうだそうだ! 畳一畳は、江戸間で、1.54メガmm2もあります! エベレストの標高を8.8kmって言えば隣町。水平線だってせいぜい10km先。結構狭っちく生きてます。 広さなんて気分次第です!いや、…
 広くても、複雑でも。きちんと管理できる方も、もちろんいるのでしょうけど。  端々まで気遣えないまま、ホコリが積もるくらいなら。  目の届く範囲に、手をかけられるだけのものを。  そう在れたらいい…
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