畳 何畳ぶんかの世界
あるていど、広さは欲しいですけどね。
じぶんの世界に畳を敷き詰めて
何畳ぶんあったかなんて
そいつでおたがいの器量を衡りあうもんじゃない
百歩 譲って
たがいが ものさしにしてる畳が
一畳あたり おなじ広さをしてるとしても
きれいに真四角を描いて敷かれてるのか
部屋というより回廊のように
此方から彼方へと
まっすぐに あるいは 曲がりくねってのびているのか
そんでもって
そのどちらが かしこい敷きかたなのかを
ちっとも俎上に載せもせずに
枚数を競うだなんて
あぁ まったく馬鹿げたはなしだよな
てゆうかさ そもそも
そのはしっこにまで足を運ぶのも億劫なほど
世界を広くして どうするってんだい?
いや まぁ広いったって たかが知れてるんだけどね
むしろ たかが知れてる広さだからこそ
そんな畳 何畳かの枚数にこだわるんじゃなくて
その一畳 一畳のうえに
どんなものを おさめてんのか そこんところを
もういっぺん 見せてくれよ
どんなものを おさめたいのか そんなところを
もういっぺん 教えてくれないか
ひょっとすれば 畳 何畳ぶんも場所をとる
でかぶつをもてあまさないように
畳を必死に敷き詰めてるやつも
いるかもしれねえけど
だったら それはそれでけっこうなことだ
そいつの世界には広さが必要だってことだもんな
まぁ いいや
だったら 好きなようにするさ
欲しけりゃ 畳 何畳ぶんでも
じぶんの世界を広げようと やっきになればいい
でも 敷き詰めたはずの畳のうえが
なにひとつ おさめられてない がらんどうのまま
その枚数を虚しく数えるだけの余生にまで
じぶんの行き着くさきを追い込まないように
せいぜい気をつけるんだな
本とか、ものを置くスペースは欲しいなぁ。