白樺一族
今日はあそこに行こう
モラルを主張してくる
白樺一族が住んでいる森へ
戒めてもらいたい時は
必ず足を運ぶんだ
白樺一族との出会いはあの日
僕の心がふわふわと宙に浮いて
何処かに消えてしまいそうだった
あの日、、
消そうと思っていた
あの日、、
吸い込まれるように
招かれたんだ
痩せで背高のっぽ
その佇まいはまるで
手足の長い白い妖精
一族は皆グルになり僕を見下ろした
僕は滑稽なくらいちっぽけで
風と共に吹きかかる
一族の皮肉な吐息と
彼らの手足の隙間から差し込む
暖かい木漏れ日を浴びながら
僕は矛盾を感じた
白樺一族は僕に囁いた
いや、囁いたなんて可愛いもんじゃない
一本一本が同時にモラルを主張してきた
高い声 低い声 若い声 年老いた声
痩せなわりにどいつもこいつも
よく声が通った
長老が口を開いた
「消えたいのら、私に火をつけなさい、
消えたいのなら、私も消しなさい
私はこの森林一良く燃える」
僕は寿命を間近にした長老を見上げ
ふと我に返った
火をつける道具が無い
そして笑いが止まらなくなった
今日も今から白樺一族のとこに行こう
僕はまた彼らに戒めてもらはないと
いけない事があるんだ
急がないと。。。