クリスマス2日目
朝、彼女は目を覚ましたようだ。
そして、彼女から発せられた心の声に僕は驚愕する。
《悪くはないけど、毎回続けられたら飽きちゃうかも》
別れた理由はやはりここにあったのか。
僕はあの夜楽しくて堪らない記憶しかなかった。
「落ち込まないでよ、渉」
「落ち込むに決まってるだろ。こんなこと言われて。」
「よく考えて、彼女は言ってないわ。あなたは気になるからあえて聞いてるだけで彼女は一回も発してないはずよ。責任はどちらにあるのかしら。」
気付かなかった僕の責任で、彼女にそう思わせた僕がいけない。情けなくて言葉が出てこない。
「それでもここから3年も続いてる。その理由だってしっかりあるはずよ。それも知りたくないの?」
確かに知りたい。原因はこれじゃない可能性が高くなった。
「さぁ気を取り直して、今日も楽しむわよ。」
僕たちは引き続き彼らを見守りながらペンギンスイーツパークを楽しんでいた。
彼女はやはり楽しそうで、少し興奮気味でもあった。
そんな楽しそうな彼女を見ていると幸せにしてやれなかった僕は一体彼女の何を見て、何をしていたのだろうと後悔の念ばかり。
本当に彼女は僕といて幸せだったのだろうか。
そんな暗い気持ちになっていると再び彼女の声が聞こえてきた。
《いつも色々払ってくれるけど、渉大丈夫なのかな。無理してないのかな。》
彼女とクリスマスで楽しくて色々払ったような気がするな。
そういえばデートを重ねるごとに僕は金銭的に厳しくなって段々割り勘になった気もする。
もっと計画性を持つべきだった。
色んなところで彼女を不安にさせたいたんだな。
もしかしたら、原因は一つじゃないかもしれない。
「よく気づいたわね、渉」
「君は知ってるとでもいうのかい?」
「知らないわよ、でも、分かるわよ。別れるのに理由が一つなんてほとんどありえないわ。積み重ねよ、積み重ね。」
「積み重なって爆発した、ということか」
「その可能性は高いわね。」
デートで少しずつ不満を溜めさせていたのかもしれない。更に僕は知りたいと思ってしまった。
怖さはもちろんある。
別れた理由すらまともに分からない僕なんだ。
知って傷つこうがなんだろうが、それと同じくらい彼女だって傷ついてきたはずなんだ。
僕は知って彼女の痛みを同じように感じるべきなんだ。




