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海デート

ロザンヌはもう見なくてもいいんじゃないかってあの時かなり言ってきたが、僕はどうも湊だけが理由だとは思えなかった。

それは付き合ってる年数からくるものなのか、直感なのか、彼女のあの時の表情から察することができるものなのか分からないがそんな気がしていた。


だから、僕はやめない。

今日は時間もあるので海に行くことにした。留美の水着姿を見るのが初めてで、ドキドキしたけれどそれを出さないように必死だったことをよく覚えている。


海岸は僕の家から歩いてすぐだったからマンションの下から一緒に行ったんだったな。


海岸までの道で僕は興奮を抑えながら、どんな水着なんだろうと想像をしていたので、どんなことを話していたのか全く覚えていない。何話したか思い出しているうちに海岸に着いたのだった。


「渉、海に行ったのね。」

「あぁ、可愛かった。」


「じゃあいこう。」

「うん。」


久しぶりに見た彼女の水着姿はやはり可愛かった。どこか恥じらう彼女を誰にも晒したくないと願ったものだ。


《水着恥ずかしいよ。でも、渉が嬉しそうにしてるから、まぁいいか。この年で可愛いのとか着る勇気ないし、かといって攻める勇気もないし、なんか無難になっちゃったな。》


あの時、僕はもっと褒めてあげれば良かったのだ。

可愛い、すごく似合ってる。さらいたいくらいだと、やはり僕は興奮を抑えることに必死で褒めることを忘れていたんだ、きっと。


《渉、全然褒めてくれないし。でも、まぁいっか。なんか楽しそうだから。》


あの誕生日から数ヶ月ロザンヌとカフェに行ってみたり、レストランに入ってみたり動物園に行ったりしたのだけど、そこから湊の名前が出てくることはなかった。

だからこそ、原因は彼が歩み寄ったことじゃないと確信が出来たのだった。


今日も湊の名前は出てこない。僕との時間を楽しんでいるのがわかる。


でも、会っているときは楽しいのに一人になると色んな不満が出て来たりするものだから、安心はできない。

安心は出来るはずがあるまい、別れてるのだから。と自分で自分に突っ込んでみる。

それくらいの面白さが僕にあれば良かったのかな。


あんなに楽しそうな留美を見てるとあの頃に戻りたいと思ってしまうのだけど、今の僕が戻っても留美を幸せにすることは出来ない。

今はここから楽しそうにはしゃぐ彼女を見るだけで、幸せだ。


本当は今すぐ君に会いたいのだけれどもね。

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