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プロローグ
現実世界――――そこに魔法があったなら・・・そんなことを考えた人々はそう少なくはないだろう。
~プロローグ~
『魔法の使用を禁止する法律』
これは実際にケニア共和国の刑法第六十七条に記載されていたものである。
魔法の使用、あるいはそれに類する品の所有や知識の提供など、『オカルト』関係を禁じる法律だ。
かつて世界は魔法を『オカルト』と断定し、漫画やアニメなどの架空の物語で一種の信仰的な意味合いで扱っていた。
『魔法なんて現実で使えるはずがない』
人々はそれを当たり前のように感じ生活していた。
西暦2055年某日、地球に大きな隕石が衝突した。この隕石衝突により、南アメリカ全土に甚大な被害をもたらした。しかし、その後地球に住む人々に信じられない奇跡が起きたのだ。
念じれば手から火を、水を、雷を、文字を起こせばさらに大きな自然現象を。
人を媒体とし、それを起こせるようになったのだ。人々はそれを『オカルト』否、
―――『魔法』と名付けた。