立ちはだかる壁は壊して進めば良いと思うけどどうだろうか。~聞くまでも無い~
「何だよ! 入れろよ!」
「なりません。許可証が無いと町に入れる事は出来ません」
鎧をそこそこに身に纏った兵士が言った。
「俺が誰だか知ってて言ってるのか?」
「存じ上げません。ですが規則は規則ですので」
平原を抜けると町に辿り着いた。
俺の国の三分の一も無い様なちっぽけな町で、生意気な事に許可証がいるとほざいている。厳重なのは警備がなっていない証拠だ。
「てめぇ……、俺に意見するとどうなっても知らんぞ……」
「無理矢理通ると牢に入ってもらうことになります」
「はっ! だったら一生そこに居座ってろ負け組みが!」
「ご協力感謝します」
「あぁ協力してやるよ……、俺はこっちから入らせてもらうぜ」
下等生物には言葉が通じないとわかると、このまま話していても無駄。
門の隣にある壁を、弱体化して蹴破った。
「っ!? 何をするのだ貴様! 異種の壁として作り上げた町の防壁に対して!」
「壁から入るなとでも言うルールがあるのかよ。……行くぞスノードロップ」
「…………」
返答が無い。
聞こえていなかったか? こいつはよく人の言葉を聞き逃す節がある。さては注意力散漫か?
エルフは耳が良いと聞いていたが。
「おい、行くぞって。その耳は飾ってるだけか?」
「…………あなたはそっちから入ればいい」
「あ?」
「許可証はあるわ。壁は……ごめんなさい」
一枚のカードを憲兵に見せた。全く使われていない感じの傷一つ無い綺麗なカード。
「許可証があるなら問題はないが……」
「持ってるなら最初から出せよな、早く言えばこんな労力を働かせないで済んだのによ。じゃあ行こうぜ」
「いえ、そちらの方は通せません。許可証は一人一枚持っていなくてはいけないのです」
堂々と正面から入ろうとしたところを、静止された。
人と話す時はそのヘルメット取って顔を出すべきだろ、無礼者が。
「……この町が消えてなくなるのと、おとなしく俺を入れるの。どっちが良いんだ……?」
やろうと思えば目の前にある門と壁を粉々にしながら、壊滅させる事が可能な人間様に楯突いていると言う事がどう言う事か。教えて学習させねばわからない愚者らしい。
「お引取りを願う。でないと兵を要請する事になる」
「他に人が集まるのか? 面白そうだな、やれよ。全て返り討ちにしてやるけどな。……じゃあな、この壁直しとけよ」
「待て! 止まれ……っ! くそ……っ! …………こちら二番門! 不正侵入者一名!」
俺は空けた壁から。スノードロップは正面から、注意喚起の警報と警告と、応援要請の鳴り響く中、優雅に観光を堪能する事にした。




