口は災いの元
新しい国を作る為の大地を捜し求める事にした。
何せ地盤からボロボロになってしまってものだから、あそこには住めない。
あの程度で使い物にならなくなる場所など用は無い。
とりあえず近くの草原で探してみた。。
「腹減ったなー。腹減らね?」
「……そうね」
「辛いのは無しね」
「え? 私が作るの……?」
「ん? じゃあ誰が作るんだよ。いいか、俺は腹減ってるんだぞ?」
「……私はあなたの付き人じゃ無い、お腹が減ったなら自分でどうにかするのよ」
「お? 反抗か? 王にその口の聞き方は頂けないな」
「あなたはもう王様でも何でも無い、ただの一般人なのよ」
「ふ……ははははは! お前も冗談が言えたんだな!」
「冗談? そろそろ現実を受け止めなさい。国は無くなり、あなたのご飯を作ってくれる人も、あなたの世話をする人もいなくなったのよ。それも全部あなたのせいでね」
「王を待たせるなんて非国民だな、あいつらにはまた罰を与えないといけないな」
「……嘘でしょ……? 国は無くなったのだからあなたを慕う国民ももういないのよ、わからないの?」
「は? 何その言い方」
「現実を見ていない、自分がどれだけ大変な事をしたのか自覚出来ていない、もう王様で無い事を受け入れていない、そんな人に言い方を気を付ける筋合いは無いと言ったのよ」
「あのさぁ……、何で怒ってんの?」
「……これがヒューマンと言うなの……? おばあちゃんから聞いていた事と違いす……」
言い終わる前に悲鳴が聞こえた。助けを呼ぶ様なとても高い声の悲鳴。
「……どこからっ!?」
「あれだろ、あそこで囲まれてる奴」
男複数人に囲まれた女一人。
その女が悲鳴を出して助けを求めていた。
「助けないと……っ!」
「放っておけよ、どっちが悪いのなんかわからないんだし。誰かがどうにかするって」
「誰が!? ここには私達しか動ける人はいないのよ! 少しは物を考えなさい!」
「あ……?」
人を貶す様な言い方に、少しイラっとしてしまった。
勢いあまって、ついつい脚を見てしまった。
「……っ!? ……くぅっ! また……っ! 何をしているの! こんな時に!」
「まだ立場の違いがわかっていないのか? 王である俺が上で、お前が下だ。……その格の違いを教えてやるよ、そこでおとなしく見とけ。あんな集団、消してやるよ」
「待ちなさい!」
止まりなさい。と言っているのが聞こえた。
それは誰に対して言っているのだろうか。
他にも言葉を発していた様だが、流して男達の下へ歩いていった。
「おい、愚民共」
「何だぁお前? 邪魔すんじゃねえよ」
そこから一分後には、男の残骸が五個ほど転がった。
あいつらの腕の骨が勝手に折れていったから何もしていない、完全な不戦勝を手にした。
「見たかスノードロップ? 俺は何もしていないのに五人を相手にして勝ったぞ、これが格の違いだ」
「だ、大丈夫? ……どうして囲まれていたの?」
スノードロップは囲まれていた女に声を掛けた。俺の言った事には反応せずに。
それとも余りに違いすぎて声を掛ける勇気も無いのか。
俺は生まれながらにして勝っている人種だから、どれほど凄いのか自分でわからない所が悔やましい。
「……知らねえよ、あいつらが追ってきたんだ。何もしていない」
「何もしていない訳が無いでしょう、でなければ追われは……」
「うるせえよ!! エルフの癖に! 黙ってろよ!」
スノードロップは溜め息を漏らした。
少し、目が赤くなった様な気がした。
「わかってるなお前、人間以外は糞だよな」
「ヒューマンだぁ!? それ以下の生物が! てめえに発言権はねえよ! ゴミが! 死ね!」
「……あれはやり過ぎよ……」
「お前だって貶されただろ、馬鹿はあれくらいしないとわからねえんだよ」
「だからって……」
さっきの女はボコボコにしてゴミとして捨ててきた。
さて、良い土地は無いものか。




