終わりの始まり
安全圏から遠くから撃つと言う慎重さを見せていた癖して、ちょっと煽れば姿を現すガバガバっぷり。仲間を改造してまで立てた作戦も、一つの行動で瓦解していくのが手に取るようにわかる。
その顔もどこか物憂げで、しかめ面で、角も出ていて目も赤い。
「スノードロップ。簡単に出てきて、こうやって姿を現して、何がしたかったんだお前は」
「……私はあなたの行動がずっと許せなかった」
「だから?」
「私の非力な力では、どうする事も出来なかった」
「それで?」
「だから、GMさんとアザレアさんを、私のわがままに付き合わせてしまった」
「俺は、お前が何を言いたいのかわからない」
今までも、そしても今現在を通しても、一貫して何を言いたいのかわからない。
「GMさん、離していいわよ。もう戦わなくて良いんです、ありがとう」
「はぁ? 敵前逃亡か? あんまりふざけた事やってると……」
「アザレアさん。こっちの二人の内一人は戦いを放棄します、この意味がわかりますね?」
「えぇ、それならしょうがないですわね」
またこいつらは通じ合ったみたいに、分かり合ったかの様に話し合う。テレパシーなんてふざけた代物があるかどうかなんて、考えるだけでも馬鹿らしくなるオカルトがある訳が無い。分かり合ってもいないない癖してわかったふりをしやがって。
「アザレア! 動けるのならそいつを破壊するんだよ!」
「いえ、わたくしは戦えませんわ」
「……お前、場を掻き乱すだけ引っかいて、仕舞いには戦えないだと……?」
「わたくしが戦ったら、二対一になって不公平ですわ」
不公平、またこいつはそんな詭弁を言って逃れようとする。……だからそれをみこして、ポンコツロボをその場に留めて、何もさせない命令を下したって訳か。アザレアの病気を誘発させる為に。
「頭が回るようになったな、スノードロップ」
「こんな事をしてでも、あなたを止められなかった」
「頭は回るが、どこか抜けているんだよな」
「みんなに迷惑を掛けて、結局一人でやろうとしている」
「裏では何を考えているかわからない。だから……」
「けれど一人でやった所で、上手く行きはしなかった。だけど……」
「スノードロップ」
「ユリー・フレゥール」
ここで決着を付ける。
そう、二人ともが言った。




