富士総合火力演習の謎2
民間人救助の後、話は思わぬ展開に
まだなんか白い連中が女のほうに向かいそうだから、ワシは車長に「撃ちます」と叫んで同軸機銃を奴らな手前に撃ち込んだんだ。
ワシはまだ実戦経験もない若造だったし、とりあえずは威嚇して女を助けられたらと思ったんだ。
そうこうしてるうちに女のそばに着いたんで、今度はワシが降りて女を引っ張りあげたんだ。普通民間人なんかは戦車なんか乗ったことないから、大変だったがなんとか押し込んで、装填手拾って帰るしかない。
幸い白い連中も、なんか感じたんだろ。
追ってこないうちに、こっちも下がったんだがもともといたあたりで、わが試験担当部隊の隊長自らジープとM4連れてやってきた。
「貴様らよく無事だったな」と声をかけてきた。敬礼すると端の女(若い女だったが、まだ動揺していて話もしてなかった)
を見て「やす子やないか?何しとんねん?」と声をかけた。
女は「おじさん!」と言ってへたりこむ。
「伝言した通り、この女性の近くに正体不明の物体から降りた人型のものが接近したため救援に向かい、装填手により陽動し砲手が救助しました。その際に威嚇射撃を同軸機銃にて実施しました。」車長は簡潔に報告すると隊長は周囲のものを集め「これから話すことは他言無用。墓場まで持って行け。
恐らく貴様らがみた物体はここ最近各駐屯地、基地などで目撃されている、未知の部隊だ。少なくとも我々が認識している「人間」ではない。奴らについての写真がきておる。間違いないか?」
箱型の物体、白い服、そしてバラバラにした人間を運んでいくところ。
また何故か溶けそうな戦車。
「陸幕からきた情報ではどうやら偵察が目的でないかと言っている。 そのため手近なところから人間を、どうやらサンプルとして「収集」し「解体」、「調査」しているようだ。 ちなみにその写真の犠牲者は10才の女の子だったそうだ。」
「この現状から、陸、海、空の幕僚長は長官と共に総理官邸で直談判し、秘密裏に防衛出動を発令となった。現状では我々の兵器が通じる相手かもわからん、がやらねばまた犠牲者が出かねんのは貴様らもみた通りだ」
「また先に締結された安保条約がこの未知の部隊相手にも適用される。 まもなく、アメリカ軍の実験大隊がこちらにつく。指揮系統はややこしいから、とりあえずアメリカさんが攻撃、ひるんだとこを我々が攻撃する。
あちらさんも最新兵器を試したいらしいから、まずはお手並み拝見だ」
後方から轟音と共に、前に写真だけみた「アトミックキャノン」の牽引車が見えた。「まさか原爆使う?」と思いきや牽引されてる機材は違う。
ただ相当重い機材だ。
だからアトミックキャノンの牽引車を流用してるらしい。
前後を牽引車に挟まれた車両は、丸い砲塔に巨大なレーダーアンテナのようなものをつけている。「あれはレーダーですか」と近くにいた隊長に聞くと「話では熱線砲らしいぜ」とのこと。
ようやく戦後初の戦車の開発に関わるワシには、もう理解を越える兵器だったな。
丸い砲塔にはさらに小型原子炉があり、それから生まれる膨大なエネルギーを利用するらしい。
また他にもオネストジョンとか言うロケットもきておるし、大変な騒ぎだった。
ワシは同乗してたやす子と言う名前の女性を三菱の技術者にお願いして事務所まで送ってもらって、作戦会議となった。
とりあえずはアメリカさんよろしくで、あんなちっぽけな乗り物なんか一撃!だろうと言ってた。「おまえさん方に水を差すのは悪いが、遺書もいるか知らんぞ。
報告では北海道で1個中隊の戦車が数分で壊滅してるらしい。あなどるな」
「ソウいえばあいつらの攻撃兵器は何ですか?」やるしかないと腹をくくった車長が聞くと
「箱から何やろ砲身がつき出され光線か熱線が出る」とのこと。
ならばそれほど技術の差はないわけだ。
「攻撃開始だ。よく見とけ」
我々は攻撃の成果に注目する
手強い相手だがやるしかない




