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陸上自衛隊 統合介護団  作者: 通りすがりの野良猫
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反対運動現れたが、、、

反対運動のデモ隊が来ましたが、小さい頃テレビでみたのとは迫力が全然違うことから拍子ぬけした1尉でした

いよいよ工事が始まり、田中1尉も現場監督事務所(以前の日米共同訓練で使ったプレハブ、エアコンも完備)にしばしば居候して、進捗管理していた。


事務所では建設会社の社員の他、工程管理の実務を仕切る若手の3曹がパソコン画面と格闘している。

様々なイベントを入れて工程の進捗をシミュレーションしている様子はさながら双六である。

しばらく画面を見ていると、外から「、、はんたーい」の拡声器からの音声。「いつもの定期便ですな」画面を見ている糸原3曹がぽつりという。

「今日は定期便より前に資材搬入したからな、工程に影響は0だな。とりあえず応対してくるよ」と田中1尉は事務所から出て、西門に向かう。

西門の外には横断幕、のぼりを持った初老以上ね団体がゼッケン、帽子をかぶり「はんたーい」を繰り返す。警衛の士長を見ると、昼飯後の眠気覚まし程度って顔で見ている。

「そりゃそうだ。どう見ても、定年間近以上のおじさん、おばさんが来ても迫力ないもんな。」

小さい頃テレビで見た学生運動のほうがよほど迫力あった。


あの頃テレビに写ってた本人たちがまた今の時代に動員されたら、そりゃ迫力ないわ。

あの頃びびった幼稚園児が50歳過ぎてんだ。とりあえず現場の責任者の俺が応対しないとな

と警衛の前に行くと、以前どっかで見た顔がある。

「あらま、鈴木さんですか!」向こうも気がついて「田中さん、あんたかい?」

といきなりの邂逅に周りも戸惑いを隠せない。「母の介護の件ではお世話になりました。今は小規模の特養に入居です」

「そうですか、それは良かった」とまずはお礼から。

それから声を低めて「この騒ぎは?」と聞くと「実は嫁さんのパート先が共産党の影響が強いとこでな、嫁がこれない時は代わりに参加してんだよ。

動員断って仕事減ってもやだしなって。それ以外は不満ない職場だからやめたくないらしいんだ。」

「わかりました、とりあえずは抗議文書受けとります。これから寒くなるらしいから、帰りは気をつけてくださいね。」

というと鈴木氏は周りの参加者に「悪辣な防衛省の代表に、我々善良な市民からの抗議の声を突き付けました。ではもう一撃、声を上げて今日は解散と致します!」とぶちあげていた。

去っていく「市民」たちを見ながら、「定年過ぎても義理で年寄りを動員する組織も罪なこった」

と西門を離れコーヒーを買いに自販機に向かう1尉であった。


しかも現れたのは旧知のおじさん。これでは!どうなりますやら

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