つるかめ戦闘団、住民救助する
ポイント スシへ前進した戦闘団は、民間人と接触
ポイント スシに前進した戦闘団は移動中と同様、ドローンを飛ばし、センサーを設置していく。
センサー自体や通信技術の進歩で、ずいぶんと便利になっている。ベトナム戦争で使われた奴など中継に別途航空機がいる代物だったりしたが今では衛星で中継可能だから、秘匿性も高い。かつAIを仕込んだものなら、予め指示された事象のみ送信できる。
我々としては、こうして文字通り「蟻の這い出る隙間もない」環境を少しずつ前進させていくしかない。なんせ蟻とは「休戦協定」は結べないからだ。
田中1尉はハーフトラックに乗りながらそんなことを考えていた。肩には、古くさいM3グリースガン。韓国でストックされてた奴を一つ失敬している。
そして前衛部隊のハーフトラック集団を懸命に画像に納めている。
まさかの光景である。キャリバー50の4連装のM16、81ミリ迫撃砲を積んだM21、その他臨時に武装強化したり、無線機を増加したり、ドローン管制用など様々だ。
しかもそれを操るのが各部に日の丸をつけた迷彩服2型をつけた自衛隊員。
モデラーの妄想を現実にした光景を記録できる喜びは、なかなか同好の者しか、解るまい。
また前衛部隊に配属されてるのは、M24戦車。
これまた機動力は折り紙付きの名車。
それがじい様がたから手解き受けたベテランが走らすのだから、きびきび走り囲を警戒している。と、突然スピーカーから「つるかめ61、こちら21、前方200メートル、人影あり、手をふってます。」作戦開始から初めての「生存者」だ。
「21、周囲を警戒しつつ人員を救出、後送せよ。」
つるかめ21以下のハーフトラックはM24を先頭の楔型、パンツァーカイルを形成しながらゆっくり前進する。
万が一、コアリやらでっかいのが出た用心だ。別に戦車同士の殴りあいではないから、M24で十分だ。
しばらくすると、前方の工場?付近からバラバラと民間人が出てきて、パンツァーカイルの内側に収容されて、後方のハーフトラックや段列のトラックに分かれてのせられる。
そのときである。
つるかめ戦闘団に韓国軍から配属された連絡将校が、車から飛び降り民間人のところに行くと、突然、抱き合って泣き出すのである。
後から聞くと、すでに犠牲になったと思われた家族と再開したとのこと。
「こいつはどうも反りが合わん奴と思ってたが、意外にいいやつかな?」と思っているうち、涙の跡もそのまま、つるかめ戦闘団のじい様方に、それは気合いの入った敬礼を捧げ、感謝の言葉をかけるに至っては、じい様方も見事な答礼で答えるのであった。
それと中に邦人家族も含まれていたのも、我々を驚かした。聞けば、皆さんが避難したところは某電機メーカーの液晶パネル工場で、クリーンルームに逃げ込んだとのことだった。蟻の群れに包囲される前になんとか、有事の備蓄食料のコンテナなどを搬入し、各部を密封したのが効果を発揮していたらしい。ただ残念ながら蟻の侵入の際に通信回線がすべて使えなくなり、長期の籠城から食料が減りつつあったので、なんとか軍などと連絡をとろうとしていた矢先であったそうな。
この状況は、我々に重くのし掛かってきた。
気密性の高いビルに逃げ込めた場合、まだ蟻のうじゃうじゃいる場所にも生存者がいる可能性と、食料などのリミットが迫っているということだ。
また当初、混乱していたために、このような生存者の情報がきちんと整理されてない可能性も出てきたのである。
時間との勝負、つるかめ戦闘団は、各中隊ごとくらいにさらに再編し、同時に複数の中隊で、未確認のエリアを探索することになった。
当初、兵力分散は危険視されたが、これにより最大の羽根蟻の巣をも発見、撃滅することに繋がったので、後に防衛省の戦史研究室はこの作戦変更を、多いに称賛するのであった。
まだまだ助かるはずの人がいる可能性。頑張れ我らが戦闘団




