防衛省のとある一室にて
計画段階から早速壁にぶつかります
田中1尉はぼやいていた。
上から言われたの「駐屯地内への介護施設建設」についての叩き台の作成である。
当初は駐屯地とは言え、完全に区画を区切り、入口等も別にとなってたはず、が任期制隊員の再就職先、OBのいく先となった途端に、わが自衛隊としても、関与せずにはいられなくなったのである。
極端な話、この先、施設に連隊やら師団、はたまた方面の偉いさんの家族、先には本人すら「ご入居者」としてくるかもしれない。
そうなると、いい加減な、安かろう、悪かろうの施設は立てられない。
一方で、介護に関するノウハウは自衛隊にはほとんどない。当然である。
これをどうしたらよいか?
これ以上厚生労働省に口挟まれたくないし、、また介護業界の中でも左翼系の団体らの反対運動も鬱陶しいし。
とりあえずはきょうは退庁時間だし、官舎に帰って酒でも呑むか?の矢先、家からの電話が入る。
「あんたお母さんの老人ホームの利用料振り込んだで」とうちの奴からである。
こちらは単身赴任で地元には老人ホームに預けた母、一人で家を守る妻がいる。
「あんたなんかロクに親の介護もしてないのに、よう介護のことの計画なんか、しとるな?」とうるさく言うのを聞き流し帰る途中、ふと思い付く。
「介護が解らないなら、介護の現場の連中を呼べばよ」
以前聞いたのは予備自衛官、つまり現役を退いた後も年間5日間の召集を受けてくる者には、介護現場で働く者もいるらしい。ならばその知識と経験を入れることでスムーズに動くのではないかと。
とりあえず帰宅してビールを飲んで、続きは明日からだ。
こっからは現場のノウハウをどう注入するかです