決闘と氷結
「騎士は騎士同士、正々堂々と行こうじゃないか」
「じゃあ僕は、不知火さんだね?悪いけど最初から全力で行かせてもらうよ、火の精霊よ我に力を、フレイムスピア!」
そう唱えると、火の槍が5本彼の周りに現れる。
炎の槍は私にめがけて疾走する
『おおっと、いきなり桐谷勝也のフレイムスピアだー、容赦がない。さぁ踊り子学部沙也氏はどうする?』
スピア程度の魔法(しかも、5本)で詠唱が必要とは…笑わせてくれる
「アイスウォール」
途端、分厚い氷の壁がさやを包むように囲んでいく。そして炎の槍と交わる。
しかし、目の前に現れた氷壁はびくともしない。それどころか氷の障壁は更に成長を続ける
「ははっ弟さんがピンチだぞ行ってやらないのか?」
「ちっ、うるさい!お前を殺してからでもあの痴女も血祭りにあげてやる」
「来いよ。」
桐谷勝也、身長186センチ、それに比べて涼は175センチ騎士の戦いにおいて身長差が開けば開くほど不利になる…少し心配だ
「俺の一発は当たれば、痛いじゃすまされないぞ」
そう言って剣を振り回している、
「そんなの、何回降っても当らねーよ、ノロマ」
「ふっ、お前も避けてるだけだといつになっても終わらないぞ。」
空振りする勝也の剣は闘技場の石畳をえぐっていく、確かに一発でも当たったら、ヤバそうな攻撃だ。そして、涼はバックステップでその一撃一撃を器用にかわしていた。が…
『おおっと、こっちは涼選手がフィールドの隅に追い込まれた。』
「これまでだな、俺の勝ちだ!」
「つべこべ言わず、やってみろよ。ノロマ」
「死ね!『瞬剣四撃』」
その技は圧倒的にさっきまでとは、比べ物にならないスピード、砂煙を巻き上げつつ涼に迫る。
「涼!」
私は思わず声を上げてしまった。
『おおーっと、これは早くも涼選手の敗北か―』
砂煙は二人を囲むように、巻き上げられ、周りには中の様子が見れない
「ふっ、不知火さんの連れは、やられたみたいだよ?これで2対1もう諦めた方が良いんじゃないか?」
「誰がやられたって?」
『どっ、どういう事だぁ―、一撃を放ったはずの桐谷達也が倒れて、砂煙から出てきたのは椎名、椎名 涼だー一体何をしたんだ。これで、二対一沙也&椎名ペアがリード』
あの一瞬で倒したのか…?一瞬の出来事で私を含めた会場に居るもの全員が量がどうやって達也を倒したのか見切ることは出来なかった。
ただ一人の化け物を除いて…。
「おー!沙也と出てるやつ中々やるなー今度俺とも勝負してくんねーかなー。」
佐々木 大河である。
「あー、めんどくせー、俺が倒す奴倒したからこれで俺終わりな?」
そう言って涼は場外に飛び降りる。
会場は唖然としていたが、作戦道理、椎名君は私に託してくれた。
「バカめ、自爆しやがった。」
「違うわ、避難よ。あなたも早く非難したほうがいい。あまりコントロールが上手くないから。」
「何を言っている?早くその氷壁から出てこい。ファイアースピア、」
「言われなくても出て行ってあげるわ、ちょうど詠唱も終わったところだし。」
そう言うと沙也の周りの氷は分解され沙也の手の中に圧縮されていく。
『おおっっと、ここで沙也選手が氷の壁から出てきた。どう出るか注目です。』
沙也は氷壁を圧縮した手を地に着けて…
『氷結』…
ビシビシッ
瞬時、地を氷が這いありえない速度で広がってゆく
沙也を中心に凍結が進んでゆく、その氷山は闘技場の天井まで届く1メートル手前で止まった。やばいと感じ、火の柱を壁にしながら逃げた達也だったが、手遅れであった。
達也は脚をを氷で巻き付かれ徐々に上半身を侵食していった。
「ああああ痛い痛い痛い痛い、俺の負けだだから止めてくれ」
この時点で沙也の勝利は喫していたが、氷結は出したら最後。沙也でももう止めることが出来ない。やろうと思ったのはこいつらがたまたま気に入らなかっただけだが
「はっ!やばいやり過ぎた。フレイムスピア」
沙也は一五本の火柱で達也の周りを慎重に溶かしていく幸い達也はそこまでの深く氷に埋まってなかったので大丈夫だがもう少しで凍傷になる所であった。
まぁその後で、先生にしつこく怒られたのだが…
「いやー、すごかったよ、氷壁、氷結の後にまだフレイムスピアを出せるなんて。しかも無詠唱」
「ふふっ、流石私のパーティーメンバーだわ。どちらともよく頑張りました。」
滝君とアリスさんが温かく迎えてくれる。肩慣らしにもならなかったが…
しかし…これでも総魔力量は学年で5番目くらいであろう、だから少しでも魔法士としての、経験を多く積みたいのだが。
「なぜだい、不知火ちゃん、何で、踊り子じゃなくて魔法士として戦っているんだい?ひどい、ひどいよ、先生悲しい(泣)」
「先生、私はまだダンスを教えてもらっていません、それに、この前聞きそびれましたけど、なぜ私を舞踏家にしようと思ったのですか?」
「うーん、入試試験の時、君には『共感』の適正が有ると確信しているからだ!主に占いとかで…」
こんな理由で、私の魔法士としての素質を無駄にしたくないのだが…
波乱の1日目は終わり、その帰り道、
「おー、沙也今日はおめでとう、勝ててよかったな。」
「うるさい、脳筋バカ、あんなの一勝にも入らないわ」
「それはそれとして、お前の組んでいたペア、えーっと」
「椎名君のこと?」
「そう、そいつと今度手合わせしたいんだが…言っておいてくれね?」
「へー、あんたが他人に興味持つなんて珍しいじゃないそんなにすごいの?」
「ああ、ただものじゃねーな。」
すごいとは思ったけど、この化け物にこんなことを言わすとは思わなかった。
それほどの実力が有って 一体何者でなぜEクラスなんかにいるのだろう。
「まぁ、今度聞いてみるわ。それより、あんたのパーティーは誰になったの?」
「ああ、名前忘れたが、お前の事褒めてたぞ?」
褒めるか…ビビる位が良かったのだが…やはりAクラスの壁は厚いようだ
バトルどうしても幼稚な文に成っちゃうね、困ったもんだ。