入学と仲間分け
対魔専門学院入学式
入学式には皆新しい正装を身にまとい魔専の名に恥じない身なりをしていた。
私を除いて…
騎士学部は白のコートを、武闘家学部は黒のコート、魔法士学部は赤のコートを、それぞれ伝統のある服装であった。
どうしてこうなった?意味が分からない、なぜ私だけこんな破廉恥な恰好なんだ!
沙也の服装は、ほかのどれとも違い踊り子のような格好であった。というか踊り子である。それは透けて無いにも等しいレースを何枚か重ねただけのような衣装で、側部はバッサリ切られ、あれあられもない体をさらしていた。
当の本人にっとってこの入学式はただの公開処刑でしかなっかった。
「おっ!いたいた。沙也お前もう人気者じゃねーかスゲーな、羨ましいな。」
バカの言うことは聞かない、バカの言うことは聞かない、バカの言うことは聞かない。
「フンッ!」
そう、私はただの見せ物であった。無数の視線が周りから注がれているのを感じる。
皆クスクスと笑い、私のことを痴女だと思っているのだろう。思っているのだろう?
「なんかよくわからんが、元気出せよ、今日はカメラが来てるらしいぜ。なんせこの学校の入学式は相当有名だからな。ワクワクだな」
この姿が放送されるのか?これじゃあ本当にお嫁にいけないぞ!
「ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁー」
よくわからないが気づいたら式は終わっていた。あまりのショックに記憶が無い。
魔専のクラス分けはAからEまで存在する。そしてAから順に入学試験の実技成績のいい学生が振り分けられていく。
A (コングラッチュレーション。完璧。)
「よっし、Aクラスだ。沙也は?」
E (踊り子の『お』の字も感じられない。)
「なら、私を踊り子にいれるなよぉー」
魔専のクラス分けは大きな意味を持つ、それはパーティーを作る際そのクラス内でしかパーティーを作るのを許されないことだ。
つまり、AクラスのパーティーとEクラスのパーティーでは大きな力の差が出来てしまう。
そして私の目的であるスカラーシップを取る事はE組に入った時点で絶望的なものとなった。
「ここが…Eクラス」
私はごくりと唾をのみ決死の覚悟でその戸を引いた。多くの目線がわたしを貫く。そして所々で、「痴女だ」、とつぶやく声が所々で聞こえる。(恥ずかしい。死にたい。)
結局、担任の先生が来るまで私は自分の席に縮こまり周りの目線も終始やまないどころかさらに観客が増えた。この短時間でこれだけ観客増えるなら東京ドームも夢じゃないな。なんつって
そんなこんなで定番中の定番
「席に着けーこれから自己紹介を始める。」
今までの自己紹介で一番やりにくいシチュエーションだった。
「次!」
「…シャルロット・アリス」
自己紹介にもかかわらず、名前しか言わないとは余程ボッチライフを満喫したいようだ。他人にはそれほど興味が無いがその少女には目が行ってしまった。美しい、まるでお姫様のような…
ん?シャルロット?
お姫様じゃん!
この黄金のように輝く髪!、この青く瞳透き通った瞳!間違いないシャルロット家の第三王女、
シャルロットアリス。
その見た目は魔法士学部の赤いコートがとても似合っている。うんストライクゾーーンど真ん中!
「あい次!」
「椎名涼だ~騎士学部盗人学科だ~特技はサボることだ~。」
盗人学科…相手(悪魔)の持ち物を盗むなど騎士系にしては戦闘に向かないが、採取など研究者色が強い。が…本人曰くサボり魔らしい。それに、盗人って途中で裏切りキャラになりそうで怖いんだよなーー
っていうか先生の前でよく言えたな!
「次!」
私の番だ。
「不知火 沙也です。舞踏家学部踊り子学科です。これからよろしくお願いします。」
いいパーティーを作るには良い印象を与えたいのだが…
悲しいかな、この衣装だと何を言っても痴女としか思われなかった。
「早速だがパーティーの作成に当たってもらう。」
30分程経っただろうか?
ここに4人いる。この4人は最後まで残った余り物の4人である。
まず私。ただ単に舞踏家と言う使い道のない職で省かれた。
他パーティー全ての勧誘を断って孤立したアリスさん。
ずっと寝ていて絶賛授業サボタージュ中の椎名くん。
それと最低偏差と言われる騎士学部パラディン学科の滝くん。
因みにパラディンは盾となり見方を守る職業で魔法士の詠唱時間を稼ぐ重要な職業であるがひょろひょろの滝君にどこまで守れるのやら。以上4名が残り最悪のパーティーになった。
残り物には福は有るのか?
2話目も読んでいただき有難いです。
大体、週一ペースを守っていきたいです。
ここをもっとこうしたら面白そうじゃない?
とか意見有ったら下さいな
糧として次にいかしたいです