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闘う少年 → 闘う男、闘う少女 → 闘う女

 井坂と白峰は自転車を並べてゆるいスピードで住宅街の中を転がす。


井坂が白峰に不意に話しかける。


「嬉しいんだけど、白峰さんがエレカシ好きって何か意外」


「え、どうして?」


「いや。エレファントカシマシを聴くっていうことは、何か現状に満たされないものを感じてる、ってことのような気がして」


「ああ・・・」


「自分はそんな気がするんだよね。ファイティングマンを聴いた時に感じた、ああ、代わりに怒鳴ってくれてる、っていう感覚が。」


「うん。なんとなく分かる」


「白峰さんは、どうなの。勝手な先入観だけど、白峰さんは目標をしっかり持ってて、充実した日々を送ってるのかな、って思ったんだけど」


白峰はほんのしばらく、考えた。そして、答えた。


「不意に泣きたくなることって、あるよね。でも、それでも心を満月のように満たしていくこともできると思う」


「ごめん」


「え?」


「白峰さんを優等生タイプ、って決めつけてた」


「わたし、結構、反骨タイプだよ」


「また、うちの学校に遊びに来てよ」


「うん」


ふたりは、まだ、戦う少年と少女でしかないけれども。もう少し。ほんのもう少しで戦う男と女になっていくんだろう、っていう気がする。



おしまい

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