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ファイティングマン

 エレファントカシマシのファイティングマンを初めて聴いた時、僕の心はグラグラと音を立てて煮えあがった。高校から帰り、うつ病の母親と、取締役を勤めていた中小の運送会社が倒産して今は日中のみのコンビニでバイトしている父親のために夕飯を作っている時、台所に置いてあるラジオから、スピーカーが歪むような音圧でギターのリフが始まり、ドラムが炸裂し、ベースが唸った。そして、怒号のようなボーカルが僕の鼓膜をびりびりと震わせる。


この世の中に、怒る資格のある人間がいるとしたら、まさしくこの男だろうと感じた。


今まで僕が見た中で、怒っているように見えた人たちは、怒っているふりをしているだけだったのだろう、と気づいた。


僕の行動はまだ変わらないけれども、僕の住む世界は、僕に「さあ、行けよ」という風に、僕を促すように、ひとりでに変わってしまった。

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