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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三話 その救出者が来ているのを僕らは知らなかった
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AE(アナザー・エピソード)その少女達を守る者たちを僕等は知らない

「のじゃー!」


「「「「「「「「「「ござる!」」」」」」」」」」

「「「「「おじゃる」」」」」

「まだまだぁ!」

「がるぅ」


 のじゃ姫の掛け声と共に出現した数多の兵士たちがロリコーン五人衆へと殺到する。

 想定していなかった五人は慌てて牢屋から逃げ出し牢を閉める。

 鉄格子越しに無数の刃が突き出されたが、ロリコーン伯爵たちに当ることはなかった。


「お、驚きました。まさか召喚を使えるとは」


「素晴らしい。あの幼女こそ我が妻に相応しいぞ!」


「皇帝陛下、流石にアレを手籠にするのは骨が折れるかと。我々は幼女を守ることには特化しておりますが、ロリコーン共のように幼女を手に入れる為に行動することに置いて強化は期待できません」


「分かっている。だが、アレらをなんとかせねば折角集めた幼女に手出しもできんではないか!」


「わ、私も、幼女を、赤ん坊を抱きたいですぞ!」


「ド変態め。幼女の死体こそが至高であろうが! 抵抗するなら殺してしまいましょう! ええ、是非そうしましょう。私が責任を持って骨になっても愛してさしあげます!」


「幼女のことはどうでもいいが、少年たちの尻が私を呼んでいるのだが、早くなんとかしてくれたまえ伯爵殿」


「黙っておれ変態どもめ! まったく。何故皆私に頼んで来るのだ。私は伯爵位だぞ! 本来はロリコーン紳士どもを顎で使う存在なのだからな!」


 牢屋からロリコーン五人衆が出たことで当面の安全が確保できたため、のじゃ姫は護衛にガルーと殿中でござるを数名残して他のメンバーを戻しておく。

 強行突破する気はなさそうだ。幼女たちの安全はしばらく無事だろう。

 はふぅと息を吐くと、オークの娘が頭をなでてきた。


「のじゃ?」


「ぶっひ」


 助けてくれてありがとう。そう言われた気がしてコクリと頷くのじゃ姫。

 その近くに、数人の少年少女が集まって来る。


「ありがとう。妹が奪われるのあなたの御蔭でなかったよ」


「俺、なんか襲われかけてたんだ。あんたの御蔭で助かった」


 子供たちにお礼を言われ、恥ずかしげに頭を掻くのじゃ姫。

 そんな集まる幼女たちを見てほっこりするロリコーン五人衆。


「やはり、幼女はいいものですな」


「ずっと見ていたい光景だ。やはり幼女を攫って良かった」


 のじゃ姫達にとってはハタ迷惑極まりない行為だ。

 なんとか脱出するにもこの五人を何とかしなければかなり難しいだろう。


「父さんたちが助けてくれるのを待つのも良いけれど……」


「冗談ではありません。お父様が来られた時、笑顔で抱き付けるように、私達で脱走すべきですわ!」


 隆弘の言葉にトパーズァが拳を握って告げる。

 少し戸惑いながらもトパーズァの裾を握り恐がっているサフィーア。

 ミズイーリもトパーズァに賛成らしく、コクリと頷く。


「でも、僕らで何が出来る? 自慢じゃないけど僕は炎系の初期魔法だけ」


「わ、私は水魔法、使えます。初期ですけど。後回復も」


 隆弘とミズイーリの言葉にトパーズァが返答する。


「私は風魔法ですわね。トルネードくらいまでならできますわ」


「つ、土魔法ならできますわ。ストーンウォールは得意ですのよ」


 やや小さな声で、サフィーアも答える。あまり人と話す事に慣れていないのだろう。トパーズァ以外の存在と話す時は凄く緊張しているようだった。


「ぶひぷ」


 肉弾戦は任せろ。とオーク娘が告げる。ちなみに、彼女の胸元に付けられた名札にはリーバと書かれているので、名前はリーバでいいのだろう。エンリカのリとバズのバを名前に取り入れたようだ。


「のじゃ!」


「よし、皆で力を合わせて脱出しよう。このままここに居たら、今は良いけど数日と経たずに栄養失調で皆死んじゃうから」


「栄養? よくわかりませんがそれになるのはあまりいいものではなさそうですわね。短期決戦で挑むべきなのは理解しましたわ。お父様も言ってましたもの。兵は拙速を尊ぶとかなんとか」


「栄養拙速? よくわからないよぉ。でも、あの変態さんたち、私達だけで倒せるかな?」


「わからないけどやるしかないだろ。大丈夫、ミズイーリちゃんは僕が守るさ」


「隆弘君、あ、ありがと」


 あぅっと顔を赤らめるミズイーリを見て顔を赤くする隆弘。

 二人が真っ赤になったのでトパーズァもサフィーアもなんだか恥ずかしくなって顔を赤らめてしまった。


「ござる!」


「のじゃ?」


 失礼します。と会話に割り入る殿中でござる。

 そいつは変態達を差して何かを告げる。

 他の殿中でござるたちが丁髷砲で牽制している姿を見ながら、のじゃ姫もまた、殿中でござるが言おうとしている事に気付いた。


 変態が一人、さらに増えていた。

 鉄格子の向こう側、五人の変態向けて、ロリコーン侯爵が憤怒の顔でやってきた。


「見付けましたよ、変態どもめ。幼女をかどわかした罪は万死に値しますぞ!」


 ステッキを構え、敵対の構えを取った。

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