その少女が気付いた何かを僕等は知らない
エアークラフトピーサンに乗り込んだメンバーはアルセとリエラ、ルクル、アカネ、チグサ、ケトル、アニア、ルグス、にゃんだー探険隊、レーニャ、ローア、メイリャ、セキトリ、クルルカ、モスリーン、マクレイナ、コータ、テッテ、アマンダ、ハイネス、唯野忠志、オーゼキ、ゴードン、バルス、ユイア、エンリカ。
なんか凄いメンバー多いなぁ、と思うんだけどこれでもアルセ姫護衛騎士団の半分位なんだよなぁ。
始まりはカインとネッテとリエラとアルセだけだったのに、随分と増えたモノだ。
既に最初のメンバーはリエラとアルセだけなんだけど、皆わいのわいのとここまで集まると賑やかです。一部真剣な面をしてますが、賑やかです。
「久しぶりですリエラさん」
「はい。ユイアさんも元気そうでなによりです」
何気に久々だよなぁバルスとユイア。
なんか折角だからってバルスとコータが対戦始めたんだけど、アレっていいの? 体内だよここ。
アルセ……って応援しだしてるよ!?
セキトリ君とクルルカさんはバカップル化してます。
モスリーンとマクレイナが物凄く居心地悪そうにしてるし、その辺りは事情を察したメイリャとアニアが慰めようとしていらっしゃった。
「それにしても、随分と大所帯になりましたね」
「僕たちは紫炎蜉蝣組だけどね」
おっと、チグサとハイネス君が珍しく話してやがる。
なに、今度はそっちがくっつくの?
「アマンダさんだっけ、あんた殆ど闘いとか参加してなかったけど、大丈夫?」
「あらあら、私の心配してくださるんですかアカネさん。別に私は闘いや冒険がメインじゃないんです。昔飼ってた魔物が逃げてしまいまして、その情報を探すために冒険者になったんですよ」
「あら、そうなの? 確かに赤き太陽の絆だったらそういう情報が集まるでしょうね。ちなみにどんな魔物?」
「ウインドドラゴンで、名前はメガイスっていうんですよ~」
「へ~ウインドドラゴンのメガイ……」
……その刹那、僕とアカネは全身から汗が噴き出す感覚を覚えた。
ウインドドラゴンの、メガイス?
昔いた賞金首の、ウインドドラゴンが確か、メガイスだったような。
そいつはどうなったか?
コルッカへ向かう時だったはずだ。アメリスの護衛としてアルセ姫護衛騎士団は他のゴードンさんやらアカネの所属していた戦乙女の花園とかと一緒に遭遇し、にっちゃんの一撃で……
「あー、うん。その。見つかると良いわね」
「はい」
ごめんアマンダ。僕は、いや、僕らは、君に謝らなければならない事があるらしい。でも、でもこの秘密は墓場まで持って行くよ。
「可愛い子だったんですけどねー。本当にどこまで逃げちゃったんだか。一時期はコルッカ周辺の街道に出現してたらしいって聞いたんですけど、コルッカに聞きに行っても誰も知らないって。ガセネタだったのかしら?」
皆、きっと口を噤んだんだな。テイム済みドラゴンを賞金首にして討ち取っちゃった後だったし、有名なクランが三つも関わってたし、当時こっちでは無名でもマイネフランの英雄化していたアルセ騎士団いたからなぁ。誰も恐くて真実を言えなかったんだと思う。
アマンダについては警戒をちょっと薄めてもいいかもしれないな。なんて思わず同情しそうになった。
「まいった……」
両手をあげて、バルスくんが敗北宣言。
おお、いつの間にか対戦の勝敗が済んでる。
っていうかコータに負けたのかバルス。強くなったんじゃなかったっけ?
「はぁ、ランツェルさんの修行も僕だけ中途半端だったし、やっぱ闘いの才能ないのかなぁ」
溜息を吐くバルス。
どうやらユイアと修行みたいなことはしてたみたいだけど、彼自身の実力はそこまで変わってないようだ。
そんな意気消沈の彼をむーっと見つめるテッテ。何かしら思い悩むようにバルスを見てます。
なに、君はバルス君狙いかね。となるとユイアさんとの三角関係? やばい、人間関係がよくわかんないよアルセ姫護衛騎士団。
むしろ女性が多いせいか入って来る男性陣が肉欲の目で見られてるように感じちゃうのは僕の気のせいかな?
「お?」
「ん? どうしたのアルセ?」
「おー」
「ミャー?」
アルセの一声でウミネッコ艦長が首を傾げる。
しかし、直ぐに彼女の願いを叶えるように無数の空軍カモメが彼らの元へとやってきた。
「え? なに、外でるのアルセ?」
リエラが気付いた時には既に空軍カモメの一羽に乗っかったアルセが外へと出る直前だった。
慌てて皆がカモメ達に乗って彼女の後を追う。
リエラ待って。連れてって!
僕の場合カモメたちに認識されてないから誰かと一緒じゃないと降りれないんだよ。
にしても、何があったのアルセ?
カモメ達が編隊組んで飛翔、エアークラフトピーサンから飛び出すと、真下にある村へと落下していった。




