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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二話 その女に起こった悲劇を僕らは知りたくなかった
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その集まる者たちを彼らは知らない

「アカネさん、今のって……」


 リエラが尋ねる。

 ロリコーン侯爵が去ってしまったため、尋ねるべき相手が居なかったからだろう、話を知らないアカネに尋ねても意味ないよリエラ。

 にしても、のじゃ姫が攫われた……か。


「おっ」


 僕の裾を引っ張るアルセ。

 不安げな顔に、頭を撫でて安心させる。

 アルセも心配だよね。せっかくだ。ロリコーン侯爵任せじゃ無く僕らも捜索に向かおうか。


 じゃあ向かう先はロリコーン侯爵を追う方向で。

 えっと、どっち向ったのかな? まぁアルセとエアークラフトピーサンに任せればいいか。

 早速乗り込もうと鳥達に乗ろうとした僕らだったが、そんな僕ら向けて、空から二人の男がペリルカーンに乗ってやってきた。


 ……唯野さん?


「アルセちゃーん、リエラさーん」


 僕らの姿を見つけた唯野さんが嬉しそうに声を出す。ペリルカーンの足に男二人がくっついてる状態なので下手に手を振ったりすると墜落する恐れがあるので動けないようだ。

 二人は僕らの前に辿りつくと、ペリルカーンから降りて来る。


「良かった。出会えましたか」


「唯野さん。どうしたんですか? ドドスコイにいるはずじゃ?」


 唯野さんはドドスコイ王国で家族と過ごそうとしていたはずだ。なぜここに来たんだろう?

 しかも家族と一緒じゃなくてムサいおっさんと……ってオーゼキさんって言えば、幼い娘さんがいたよね。そう、ミズイーリ。

 幼女が拉致される事件、今さっきアルセが狙われたばっかです。


「すいません。たった数日で皆さんに助力を乞いにくることになるとは思ってもみませんでしたが、お願いします。息子と、ミズイーリちゃんを助けてくださいっ」


「隆弘くんとミズイーリちゃんを? もしかして、さっきのロリコーン侯爵さんみたいな人関連なんじゃ」


 リエラの言葉にオーゼキさんが頷く。どうやらロリコーン侯爵で彼には伝わったようだ。


「はい、ロリコーン紳士の進化系と思しき者に愛しき娘が攫われたのです。唯野さんが言うには皆さんの力を借りれば必ずや助け出せると。お願いします。私に娘を、助けさせてください。妻が残した、たった一人の愛しき娘なのです」


「あ、アカネさん……」


 助けてあげたくはあるが、自分達が何を出来るかわからないリエラは思わずアカネを頼る。


「そうね。のじゃ姫も攫われてるみたいだし、今からロリコーン侯爵追える訳もないから確約は出来ないけど、アルセ、探しに行く?」


「おーっ!」


 当然。っとばかりに拳を突き上げるアルセ。やる気満々です。

 んじゃ皆で出発するか。と再び鳥達に乗りかけた僕らの元へ、奴らがやってきた。

 大空からゾクリとするような絶望的な気配が届く。


 なんだこれ? と僕らは全員戦慄しながら空を見上げる。

 次の瞬間、ザシュリと落下してきた女が一人。

 アルセの前にゆらりと立ち上がる。


 ひぃっ!? バケモノっ!?


「連れ去られたの……私の娘が……」


 最悪の秘密兵器、エンリカ様が現れた。

 登場が恐いわっ。ゆらりと動いたエンリカが驚くアルセの両肩を持ち、幽鬼のような顔を近づけて来る。


「ロリコーン侯爵は、どこ?」


 どうやらエンリカさんの娘さんも拉致されたようだ。

 つかアレって、オークだよね。オーク娘まで攫うのかロリコーン共……


「失礼。俺の娘も拉致されたんだ。ロリコーン侯爵なら居場所分かるんじゃねーか。頼む、娘の捜索を手伝ってくれ。ダンデライオン家の依頼として頼む。金ならいくらでも積むぞアカネ!」


 エンリカに遅れ、ゴードンのおっさんが落下してきた。

 さらに遅れて、おお、懐かしい。バルスとユイアが来なさった。


「すいません皆さん。なんか緊急事態らしくって」


「僕らも手伝おうかと思って来たんです。ロリコーンの亜種っぽいのが幼女攫ってるみたいなんです」


「バルスさん、ユイアさん。こっちものじゃ姫が攫われたみたいで。ロリコーン侯爵がさっき出て行ったの」


「なっ!? んじゃあ入れ違いか!? クソッ。これじゃ居場所が……」


 リエラの言葉にぐりんと首を向けるエンリカさん。ロリコーン、居ない? と片言で告げないでくださいます? 物凄く恐いんですが。


「今から私達も捜索に行くところなんです。良ければご一緒しますか?」


「おお、そりゃありがてぇ。頼むぜリエラ」


「では、リファインさん。私達は幼女救出に向かいます」


「うむ。近隣の防備は私に任せてくれ。このように各街から被害が出ないよう、徹底的に各国の兵士を鍛えあげておく。サーエンリカ。私はこれより各国の兵士たちを鍛えあげに向かいます」


「ええ。徹底的にお願いね。二度と、このような体たらくな事が起きないように、本気で鍛えあげなさい」


 あかん。エンリカが許可出したせいでリファインさんのやる気に火が付いちゃったよ。

 ごめん各国の兵士さん達。押しかけブートキャンプ、頑張って生き残ってくれ。

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