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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四話 その家族のすれ違いを家族は知りたくなかった
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その王子の死の原因を僕らは知らない

「さて、まずはどう行動しましょうか?」


 作戦会議のためにセキトリの自室にやってきた僕らは全員が床、というか赤い絨毯の敷かれた室内に座り込む。

 円陣を組むように座る。当然ながら話を聞く気が無い猫どもはルグスと一緒に中庭でじゃれている。レーニャの奴は城が汚れるという理由で鍋に入れられて数人がかりで中庭まで連れて行かれた。

 今は鍋の中で丸まって寝てる事だろう。これがほんとのカレー鍋か。


 僕はアルセの後ろで正座してます。正座、というか正座状態で股を開いた状態? そこにアルセが座って背中を預けて来ております。アルセさん、頭の上の花が物凄くウザいです。踊るたびにちくちくっと花弁が当ります。


 僕から右にリエラ、チグサ、ケトル、アニア、ローア、セキトリ、モスリーン、マクレイナ、エスティール、レーシー、ルティシャ、メイリャ、コータ、テッテ、アマンダ、ハイネス、隆弘、沙織、唯野さん、ルクル、アカネという面子になってます。


「とりあえず分かってることってあるのかしら?」


「何も分かってないってのが分かってるかな。父上の話からしてもジューリョが毒殺された事くらいしか分からない」


「探偵物の話だとこういう時は気になる場所を捜索することで何か見つかったりしますよね」


 アカネの言葉にセキトリ君が答え、チグサが意見を出す。


「でしたら怪しいハリッテ王子とギョージ王子の私室。あと現場の食堂と当時の食事当番に話をきいたほうがいいわね」


「料理長と運んだメイドにも話を聞くべき」


「調べる数が多いわね。数人に分けた方が良いかしら」


 ローアの話にケトルが付け足す。再びアカネが意見を言うと、ぼそりと隆弘がゲームしながら呟く。


「ジューリョ王子の部屋はいいの?」


「被害者の? そうね。そこも一応調べましょ」


 方針は決まった。

 この場所以外はまた何か見つからなかったりしたら探す程度でいいと思う。


「じゃあ、内訳を決めましょ。王族二人の部屋は下手に捜索すると侮辱罪とかになるかもだからここにはセキトリか唯野さんに向って貰いたいのだけど、いいかしら?」


「私に、ですか?」


「もちろん他の人も何人かついて行くけど、この国の勇者で国王から直接捜査を依頼されている王族並みに地位のある存在はセキトリ君かあなた達唯野家のメンバーだけなのよ。だから、ハリッテ王子とギョージ王子の部屋捜索をお願いしたいの」


 唯野さんは息子と娘の顔を見る。


「僕は折角だし、王様の方調べるよ。そっちも一応、調べた方がいいでしょ」


「あの、俺はギョージ兄さん以外のとこでお願いします」


「じゃあ、あたしがギョージ王子のとこ調べようか? 一応、部屋には入ったことあるし。父さん、争ったばっかだから顔合わせづらいでしょ」


「いや、そちらは私が行こう。お前こそ顔を合わせづらいだろう?」


「いいって。別にそこまでギョージ王子嫌ってるわけじゃないし。大丈夫、無理矢理迫って来るようなヤツじゃないから。安心して父さん。父さんの心配するようなことは、しないし」


 信頼ある目を向けられた唯野さんはむず痒そうな顔をしながら、ではハリッテ王子の方に私が。と告げる。

 結局王族全員の部屋を捜索する事になりそうだ。自動的にセキトリ君はジューリョの部屋捜索部隊になった。


「じゃあ私達の方はどう内訳ましょうか?」


 探索場所は五つ。王族四人と食堂である。


「とりあえず、私が食堂の方を調べるわ。ついでに当時の状況も聞いて来る」


「一人行動は危険です。誰か一緒に……」


「探偵知識があるメンバーは分かれた方が良いわね」


「じゃー私行く」


 アカネの言葉にリエラが不安そうに告げ、アニアが立候補する。

 会議の結果、食堂にアカネ、アニア、モスリーン、レーシー。王の部屋に隆弘、ローア、テッテ、コータ、ルティシャ。ハリッテ王子の部屋に唯野さん、マクレイナ、アマンダ、ハイネス、メイリャ。ギョージ王子の部屋に沙織、チグサ、ケトル、エスティール。ジューリョ王子の部屋にセキトリ、アルセ、ルクル、リエラという感じになりました。


 ローア、モスリーン、マクレイナ、エスティール、はセキトリとの探索を求めていたが、アカネさんが探索出来ないからと一喝。セキトリと別の場所でしかも全員を分けてしまった。

 さらに王の部屋探索部隊が子供ばっかりになっていたのでルティシャさんが保護者として探索部隊に入れられ、余った者たちが適当に割り振られる。


 アルセはなぜかセキトリと一緒の場所を選んでいたので僕とルクルは自動的に同じ場所捜索です。リエラもそれを見てジューリョの部屋探索部隊に立候補した。


「あ、でも、王族の部屋ってことならセキトリさんの部屋も見た方が?」


「今、全員で見ればいいじゃない。そこの四人娘、変な動きしたら蹴り出すわよ」


 はっと思い至ったエスティールだったが、アカネさんに即座に切り捨てられていた。

 自分だけこの部屋探索します。みたいなつもりだったんだろうか? 残念だったね。セキトリの服やパンツは奪わせないよ。 

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