表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三話 その家族を守る英雄がいることを彼らは知らなかった
921/1818

その言ってしまった失言が何を齎すのかを彼らは知らない

「ん?」


 気付いたレーシーは声を掛けて来た男達を見る。

 皆、稀に見る不細工さんだ。

 M字カットと言うべきか、髪型が皆サーロみたいになってるうえにチャラッチャラした格好をしている。まともに立っている人が一人もおらず、だらっとしただらしない姿をこれでもかと晒していらっしゃった。


「何か用?」


「はっ。魔物は大人しく討伐されてろっつの。なに冒険者になってんの? バカなの? 死ぬの~なんつって」


「れっぽんかっきーっ」


「だっろー、俺かっきーっつの」


 かっきーってなんだ? カッコイイとかそういう意味かな?


「つか、もーのままーじゃでね?」


 いい年したおっさん、言葉がもはや意味不明過ぎて分かりません。


「ほらねーちゃん、俺らの討伐分、金くれ金」


 ぼさっとカウンターに放り投げられた薬草と多分数本の耳掻き。

 耳掻き狐ばっかり狩ってたようです。雑魚冒険者じゃないか。


「ほら退けよ魔物女。俺らみてぇな優秀な冒険者に道空けろっつの」


 サーロが居ないとこいつ等救いようがないな。サーロが一応まとめ役やってた御蔭で今までは大人しかった彼らも、サーロが居ない今では問題児でしかないらしい。

 ついでに言えば、レーシーはそいつらを気にすることなく説明を再開するよう受付嬢にうながしていた。うん、それでいいと思うよ。


「あ、その、でも……」


 しかし、受付嬢さんは容姿的に恐い男達を優先させてさっさと帰したいようだ。話の分かる女性であるレーシーを後回しにしようとしつつも、レーシーと男達がモメそうな雰囲気を感じておろおろし始めている。

 あれでは早々にバトル勃発だろう。

 この前いた受付嬢さんが居ないのも不運といえる。

 あの人がいればおそらく早々ギルド長呼びに行ってただろう。


「おいおい、魔物娘。俺ら無視するとか正気かよ。討伐しちまうぞペチャパイ?」


「……あ゛?」


 あ、レーシーの顔が辰真のメンチ切った顔状態に。

 馬鹿野郎、レーシーさんの胸は結構あるだろ。どこ見て言ってんの!?

 しかも話を聞いていたアカネさんたちがその禁句に過剰反応して殺気が漏れ出始めたぞ!?


「よく聞こえなかったわ? もう一度、言ってくれるかしら?」


 本来なら、自分達が何を言ったか悟って逃げ出すくらいはするはずだ。

 しかし、彼らは愉快なおバカさんだった。


「だからよぉ、討伐しちまうぞっつってんだよペチャパイ」


「おーいおい、よっちゃん、こいつの胸D以上あるぜ、これでペチャってたら他の女どうなのって話だし」


 ガタッ

 悪魔たちが音も無く立ち上がった。


「ざっけんなし、俺にとっちゃGカップ以下は全部まな板だっつの!」


 そんなよっちゃん? 君の肩が、ぽんっと叩かれた。

 なんだ? とそちらを見た彼には、相応の地獄が待っていた。


「ちょっと、表でましょっか♪」


 アカネさん以下女性一堂が男達の腕を引き、有無を言わさず去って行く。

 残ったのはリエラとアマンダとアルセだけでした。

 他のパーティーの女性冒険者たちも全員でてったよ。あいつら恐ろしいモノを敵に回しちまったな。

 南無阿弥陀仏~。


 後日、街の門近くに無造作に山積みされた顔の判別すら付かないボコボコに殴られた男達が街の話題となったのだが、誰がやったのか、街の皆が口を固く結んで他の国に漏らす事は無かったと言う。


 そんな所用を終えたアカネ達が戻ってきてレーシーへの説明が再開。基本的な説明が終わると、早速常時依頼となっていたワーグウルフ討伐を受けてアルセがポシェットから出した遺体を五体、討伐証明として初期依頼を完遂させる。

 これでレーシーの実力に箔がついたことになるわけだ。

 むしろ森の守護者だから魔物の親玉みたいなもんだしね、討伐依頼は楽勝でしょう。


 レーシー自体は薬草採取系でお金を稼いであとはギャンブルでボロ儲けするつもりだそうだけど。とりあえず森だけは売らないようにとアカネに念押しされていた。

 あの人白熱するとトンデモないモノ賭けてくるからなぁ。


「さて、レーシーの案内をして今日は宿に泊りましょうか。宿の泊り方をレーシーが知ったら、後は自分で何とか出来るでしょうし、私達は明日に城に向かいましょ」


 アカネの言葉に頷く面々。

 この後僕らは防具屋でリエラ達の防具を引き取り、道具屋を見て回ったり、アクセサリーショップを覗いてみたりとドドスコイ王国を満喫してから宿を取ることになった。


 レーシーは宿を取るということの意味が理解できていなかったモノの、寝泊まりの段階になってようやく人間は夜寝るんだと気付いたようだ。

 魔物って眠る必要無いみたいだしね。一部魔物は寝るらしいけど、基本レーシー辺りになると眠る必要はないらしい。


 って、宿屋覚える意味、なかったんじゃないかアカネさん?

 アカネさん? なんでそんな想定外。みたいな顔してるの?

 アルセも最初寝てなかったから分かってたことだよね!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ