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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二話 その森の守護者の賭博好きを僕らは知りたくなかった
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そのバグっちゃった少女を彼らは知りたくなかった

七夕……かぁ。小説が賞に受かりますように。とりあえず願い事はそこかなぁ。

「いやいや、話聞いてましたかテッテちゃん!」


「はいです! バグらせられるですよね? 強くなれる可能性があるのなら!」


「でも、取り返しの付かない状態になるかもしれないんですよ! バグって言うのはチートとは違うんです。その場から動かなくなったり、物質を透過してしまうようになったり、酷い状態になるかもしれないんですよ!?」


「ふっ。失敗が怖くて冒険者はできないのです。それに、ここにはアルセがいるです! 超幸運を持つアルセが願ってくれるなら、味方のバグはそこまで酷いモノにはならないはずじゃないですか? ね、アルセ?」


「お? お、お~?」


 私に聞かれても。と言った顔で困るアルセ。でも、少し考え。納得したのか頷く。

 せっかくだし試してみる? みたいな顔を僕に向けないで。責任持てないんだけど。


「ほらほら、アルセも気になるでしょ。アルセの超幸運があれば仲間のバグはいい感じのバグになるんですって。今までのこと考えてみてください。味方のバグった人、居なかったですか?」


 すいません、普通に皆結構バグっちゃってます。うん。でも、確かに仲間で致命的なバグは……オークを性的に襲う肉食エルフやハードボイルドになったお嬢様とかそれに惚れだした女性とか、なんか結構致命的なのがいる気がするんだけど、確かに移動不可とかの危険なバグになったのは敵対者だけだよね。


 それじゃあ、もしかして本当に、バグは制御可能なのだろうか?

 いや、バグだぞ。制御できる訳ないからバグなんだ。

 いや、でも、もしかしたら……


「大丈夫です。よっぽどのことが無い限り恨んだりはしませんです。カモンミー!」


 アルセを見る。少し困った顔をしてるけどやってみたら? と目が言っていた。

 マジでやっちゃうの?

 ええい、いいよ。やるよ! やればいいんだろ。どうなっても責任取らないからね!

 バグをちょっとだけ集中してからテッテに投げる。


「ほら、早く来るです! どうしました? 遠慮いらないですよ!」


 いや、もうバグったからね。

 僕がアルセの裾を引っ張ると、気付いたアルセが魔物図鑑をポシェットから取りだす。


  テッテ・ハラショ

 種族:ニンゲンF クラス:拳士

 二つ名:イエローガール

  イエローガール:全身黄色コーディネートに送る二つ名。黄色で装備を固めると全能力に+補正。

 状態:普通

 装備:お気にの黄色服、思い出のヘアゴム(黄色)、イーニスブロマイド

 スキル:

  集中:精神を統一して命中率などを増加させる。会心の一撃がでやすくなる。

  咆哮:気合いを入れる事で相手の威嚇を跳ね退ける。攻撃力増。

  右ストレート:右ストレートを放ちます。

  フック:フックを放ちます。

  アッパーカット:アッパーカットでダメージ。

  百烈拳:百に届きそうな連撃で攻撃。

  強制オブジェクト破壊:手で触れている無機物を破壊する事が出来る。

  縮地:地が縮んだかのような速度の移動術。

 常時スキル:

  強奪:確率で相手の持ちモノを奪い取る。強制なので防ごうとしても奪う事が出来る。

  遠当て:離れた相手に拳撃を当てる妙技。常時スキルのため攻撃は全て遠当てになる。

  近接戦闘禁止:生命を持つ存在との戦い時のみ有効。敵自分問わず半径5mの範囲での近接攻撃が無効化される。

  成長停止:身体の成長が停止する。ステータスではなく背丈や胸の膨らみなどに影響。

  空中機動:空中での方向転換等を可能にします。

  軽業:速度、命中率、回避率に+補正。また、糸など細い道でも歩けるようになる。アクロバットな動きが可能になる。

  精神異常無効

  肉体強化Lv2

  体術Lv2

  拳強化Lv1

 種族スキル:

  索敵エネミーサーチLv1

  悪運・中

  残像ですぞ?:相手の攻撃を30%の確率で高速回避する。

  妖精郷管理資格・中:中規模の妖精郷を管理することができます。

  愛妻家:このスキルを持っている男性は浮気をしにくくなる。


 あー、うん。バグってるね。かなりバグってますね。

 なんで女の子に愛妻家スキル付いてんだ。

 妖精でもないだろ。

 百烈拳などの有用なスキルを覚えたのに近接戦闘禁止って……

 しかも……


「成長……停止?」


 もはや血を吐きだしそうな衝撃を受けたテッテさんが四つん這いで崩れ落ちる。

 だから言ったじゃん。バグはやるもんじゃないって……

 この姿からもう成長はできない。その事実は年頃の少女には、他のいろんな致命傷よりも致命的なバグだったようだ。


 こうしてまた、一人の犠牲者が増えた。

 僕のせいじゃない。違うよ。僕止めたよ。テッテが悪いんだからねっ。

 だけどアルセの白けた目が僕に罪を認めろと言って来るんですが、僕はどうしたらいいですか。


 ……うぅ、テッテごめんよ。僕が悪い気がします。

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