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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二話 その森の守護者の賭博好きを僕らは知りたくなかった
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そのイカサマ師の実力を僕らは知りたくなかった

「これが万子マンズ一萬イーワンから九萬チューワンまで。こっちが索子ソーズ、これが筒子ピンズイーリャンサンスーウーリューチーパーチューの三種類が九までと、トンナン西シーぺー白板はく緑発はつ赤中チュンの字牌ね。これを14枚使って役にするの。役はこうして三つづつ同じ数字や文字を揃えるの白白白とか一筒一筒一筒とかね。ただし、一萬一索一筒が揃ったからってこれは同じ数字だけど役にはならないから。後は一萬二萬三萬とかも揃ってることになるの。こういうふうに三つそろったモノを四組作って、頭に同じ文字を二牌揃えればアガリよ」


 と、彼女が揃えたのは白白白一筒一筒一筒一萬二萬三萬五索六索七索九筒九筒という14牌。


「13牌揃って残り一牌あればアガリになるときはリーチができるの。もちろんしなくてもいいけど、役というのがあって、それが付いてない状態だと罰則適用になるから初めのうちはリーチをした方が良いわね。リーチすると役が一つ付くから。こうやって牌を捨てる時に横向きに捨てるの。リーチ。っていいながらね」


 すっごいキラキラしながら話すレーシー。余程麻雀が好きらしい。

 うん。まぁ、一応僕もそれなりに役牌は知ってるし、やり方も大体わかるから実況でもしようかな。

 こまごまとした説明を終えると、実際にやることにする面々。点数はレーシーがつけるそうで、12000で始めるそうだ。持ち点が無くなった時点でその人物は箱点となり、ゲームエンドになる。


 役については通常通り、満貫なら親12000子8000、ハネ満は親1800子1200、倍満は親24000子16000、三倍満は親36000子24000、役満は親48000子36000という点がついている。


「もちろん、賭け麻雀だから。私が箱点して負けるごとに貴方達の望む物を差し出すわ。でも逆に貴方達が箱点になれば……貴方達を貰うわよ」


「え? 私達を?」


「ええ。森の住人になって貰うわ。女の子は……じゅるり。ふふ。お姉さんが手取り足とり可愛がって上げるわ。男は魔物の餌確定ね」


 ド変態だ!? ド変態がいる!?

 遊び感覚だったアカネたちの空気が変わる。

 リエラが生唾を飲み込んだ。


「ねぇ、流石にリエラは新人だし、口出ししても問題無いわよね?」


「ローア? 分かるのか?」


「ふふ、セキトリ様。丁度いい活躍の場みたいだし、私の活躍を見てくださいな」


 お、ローアさん麻雀経験者か。

 じゃあリエラの方はお任せしようかな。


「さぁ、始めましょうか賭け麻雀。貴方達全員森の住人にしてあげるっ」


 自身を賭けた麻雀大会が始まった。

 さぁ、実況の透明人間君一号です。解説のアルセさん。どうでしょうかね?

 「お」とお言葉いただきました。皆さん「お」です。さすがアルセさんですね。


「えーっとこうやって、こうやって……」


「そこを持って山を積むの」


「ひゃぁ、バラバラになった!?」


 リエラに山積みは難しいよローアさん。

 仕方無いのでちょっと手伝ってあげました。

 そこで気付いた。レーシーの奴、今ニヤッと笑ったぞ。


「ではでは。私の親から始めるわよ」


 サイコロ振って出た目はリエラの場所。リエラがサイコロを振るったのだけど、今、何か……あ、この数だとレーシーの積んだ場所からだね。……んん?

 レーシーの山から配牌が行われる。

 ……おい、おい待てレーシーさん。それ……マジか?


 レーシーの牌をのぞき見れば、そこには見事な緑の牌。


 発発発二索二索二索三索三索三索六索六索八索八索。


 六索か八索が来れば確実に緑一色リューイーソーの完成です。役満だよ。48000点の大役だよ!? ツモったら目の前の三人一気に箱点だよ!?

 案の定。開始早々持って来た牌を横にして捨てる。


「リーチ!」


「ええっ、もうですか!?」


「早い!?」


「バカな!? いきなり?」


 驚きながらも北側に座る唯野さんが六索を切る。


「はいローン」


「え゛」


 ぱたぱたっとレーシーの牌が全員の目に晒される。


「ちょ!? 緑一色!?」


「開始早々役満!?」


「ふ、振り込んだ。わ、私は……」


 持ち点12000が軽く吹っ飛び、一発で唯野さんが散った。本来はもうちょっと持ち点多くなかったっけ? これが力水の森ローカルルールか。


「ふふ。まずは一人。さぁ、次は誰が犠牲になるのかしら?」


 ニヤリ、笑みを浮かべるレーシー。


「貴女……積んだわね」


 ローアが忌々しげに告げる。しかしレーシーはどこ吹く風だ。


「何のことかしら? チョンボはその場で証明できなきゃ意味が無いのよ?」


 そうか。コイツ、ズルしたのか! そりゃいきなり開始早々緑一色なんて揃う筈がないよね?


「よし、やり方覚えた! おっさん仇はとってやるぜ!」


 何も知らない純粋なコータ君が肩を落とす唯野さんの代わりに椅子に座る。


「そこのオジサンは既に森の住人確定ね! 餌よ餌。トサノオウの餌にしてあげるわ! もちろん。取り返すのもありよ。余分に私から勝たないといけないけどね。今の私の持ち点は60000。じゃなくて24000点。オジサンの点数接収したってことね。せっかくだから12000点ごとに一つのお願いを聞いてあげるわ。もちろん上がれたら、だけどねぇ」


 クスクスと嗤うレーシー。

 アカネとリエラが戦慄したようにゴクリと喉を鳴らした。

力水森林麻雀大会ローカルルール一部抜粋

連荘レンチャン

 親がツモまたはロンでアガリを迎えた場合、親を続けることができる。子がアガリを向えるか、テンパイしていないノーテン状態で流局すると次の子が親となる。レーシーは西にいるので次の親は北にいる人。

四風子連打スーフォンツレンダ

 親の一打として捨てた牌と同じ牌を全ての子が捨てた場合。親が中を捨てたら全員が中を捨てた。等の場合は流局となり、親の連荘となる。

三家和サンチャホー

 三人同時リーチの場合、本来は流局となるが、今回の大会ではそのまま打てる。トリプルロンも可能。

 同時に四人リーチでも流局にはならずそのまま続く。

四槓流れスーカンナガレ

 一局のうち四回カンがされると流局する。が、今回の大会ではそのまま打てる。

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