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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第十一部 第一話 その新たな出会いがあることを僕らは知らなかった
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その身元照会を彼女は知らない

「では、今度はこちらですね」


 もはや話しすら聞いていないレティシャさんに代わり、リファインさんが苦笑しながら告げる。


「私はリファイン。クラン『赤き太陽の絆』のパーティー【紫炎蜉蝣しえんかげろう】のパーティーリーダーをしております」


「パーティーリーダー? あれ? レティシャさんはパーティー名が赤き太陽の絆ですよね?」


「赤き太陽の絆はクラン名です。彼女達はアレンとパーティーを組んでいる【赤き太陽】のパーティーメンバーですね」


「えーっと、その、クランって、パーティーと違うんですか?」


 り、リエラさん? 今更だよその質問。いや、新人だから知らないかもだけどさ。


「え? えー、その。クランというのは、複数のパーティーが寄り集まった、いうなれば冒険者ギルドの小さいモノとお考えください」


 リファインさんが困った顔で分かりやすくなるように説明を始める。

 クランはパーティーが多くなり過ぎた場合に作るモノであり、ある意味アルセ姫護衛騎士団もクランみたいなものだ。そう思えば幾つもの街に残って行ったカイン達は別パーティーと呼べなくもないな。


「クランで纏まったパーティーの行いは全てそのクランとしての働きになりますので、どこかが突出して有名になってもクランに所属しているメンバー全員が有名になって行くという、冒険者にとっては一足飛びに有名になれるシステムです。もちろん、クランの悪名に響く行いをすればクラン内の仲間からはじき出されることもありますが」


 その場合、別のパーティーに向う時も、何処どこのクランから押し出された奴としてのレッテルが付き纏うので、余程の事が無い限りはクランへの裏切り行為は起こさない。

 まぁ、バカな奴は有名クランの末端パーティーに所属して俺は赤き太陽の絆なんだぜぇ。とかいいながら問題起こしまくるんだけどね。

 肥大化すればするほどクランは崩壊の危険が増して行くってわけだ。アルセも気を付けようね。


「はー。じゃぁ私達もクラン作った方がいいのかな?」


「ある意味既にクランになってるけどね。作るならアルセ教全面バックアップするわよ?」


 そりゃそうでしょアカネさん。アルセ教はアルセを神と崇めてんだから全面バックアップしなかったらなんのための教会だって話でしょ。


「じゃ、じゃあ改めて。リファインといいます。本日からしばらくよろしくお願いしますね」


 リファインさんは赤紫髪のロングストレートな女性だ。赤と紫だから【紫炎蜉蝣しえんかげろう】なのだろうか?


「ここに来た理由も一応、伝えて貰っていいかしら。何かしらの問題があるなら教えてくれないといざという時被害者が出るわ」


「あ……そう、ですね」


 アカネが溜息を吐きながら告げると、一瞬苦しげな顔をしたリファインは観念したように告げる。


「【紫炎蜉蝣しえんかげろう】で、私は先日まで副リーダーをしてました。ドラゴン討伐戦でリーダー以下殆どのメンバーが全滅し、生き残ったのが私と、こちらのメイリャになります」


 恐る恐るといった様子でリエラの前にやって来たのは、小柄な薄いピンクの髪の女の子。ショートヘアに目元が隠れるパッツン前髪。俯く姿は小動物のようだ。


「あの、メイリャ・エトワルテといいます。……【紫炎蜉蝣しえんかげろう】の、ヒーラー……です」


 消え入りそうな声で話すメイリャはどう見ても萌要素しか見当たりません。顔の前で恥ずかしそうに指先つんつんとかして貰いたい。

 あの指先同士を合わせながら「は、恥ずかしい……です」みたいな台詞を言って貰いたいです。


「それは、お気の毒だったわね」


「いえ。それは実力不足の場所にむかった冒険者の失敗談なのですが、そのせいで、あの……仲間が傷付くのが恐くなりまして……」


 そして恥ずかしそうに両手の指先をつんつん合わせながら上目づかいにリエラとアカネを見るリファインさん。貴女じゃないよ、メイリャさんにしてほしかったんだよ。出来る女の人っぽいリファインさんにして貰いたかったわけじゃ……これはこれで、カシャリ。

 新しいCGと動画が加わりました。


「そうそう、そのせいで俺らずっと草毟りだったんだぜ」


 お、姦し兄妹が会話に入ってきた。その後ろでは頭を抱えるメガネ君とあらあらと口元に手を当て笑っているお姉さん。僕は彼らのステータスを先に見ておく。名前はなーん……だ? え?


「俺、コータ・ハラショ。こいつは妹のテッテ・ハラショ」


「あー、私の自己紹介っ! なんでしちゃうですお兄ちゃんっ」


 お怒りのテッテがコータにボディブロー。あー、あの娘拳士だよ。どてっ腹に一撃喰らって悶絶するコータくん、可哀想に。いや自業自得だけど。アレって内臓破裂してないかな。

 まぁいい。それより僕の問題は……


 魔物図鑑の彼女の項を見る。アマンダ・ロックフィール。

 ゆるふわウェーブの髪を持つDカップ娘。あらあらと皆から一歩引いた様子で見守っているのだが……クラス。魔法使いと魔物使役者だそうだ。

 テイマーで、いいんだよなこいつ。

ルティシャ・エナ・カーディナル

 ・『赤き太陽の絆』の斥候兼罠解除役。

  令嬢のような立ち振る舞いの彼女は宝箱をこよなく愛する変人である。

  宝の中身はどうでもいいが、宝箱の造形などを語りだすと数時間は止まらない。

  種族:ニンゲンE クラス:斥候・侯爵令嬢・宝箱マスター

  装備:銀翼鳥の胸当て、宝剣カーディナル、アイテムボックス、宝箱イヤリング、盗賊七つ道具、木製宝箱、鉄製宝箱、古代の宝箱、ミミックのミーちゃん


リファイン

 ・クラン『赤き太陽の絆』のパーティー【紫炎蜉蝣】のパーティーリーダー。

  赤紫のロングストレートの女性で、弓がメイン武器。接近戦ではメイスを振りまわす。

  もともと副リーダーだったが、とある魔物との戦いで仲間が壊滅したため、強力な敵と仲間を戦わせないよう消極的リーダーとなってしまっている。。

  種族:ニンゲンH クラス:弓騎士ボウナイト

  装備:白鳥の胸当て、フェアリーアーチ、アイテムボックス、鉛矢、銀矢、モルゲンステルン


メイリャ・エトワルテ

 ・クラン『赤き太陽の絆』のパーティー【紫炎蜉蝣】のヒーラー。

  殆ど新人であるのだが、仲間がリファイン以外壊滅したためパーティーの副リーダーとなった。

  小柄で引っ込み思案な性格で、どうやら幼馴染と共に上京してきて同じパーティーに入ったらしい。

  よく、仲間の嫌いな食事を泣きそうな顔で食べている姿を見かける。

  種族:ニンゲンE クラス:僧侶

  装備:紫蜥蜴の皮衣、ヒーリングスタッフ、ポーション×20、ハイポーション×20、エクストラポーション×2、救急箱、神器・注射器ナースオブナイチンゲール


コータ・ハラショ

 ・クラン『赤き太陽の絆』のパーティー【紫炎蜉蝣】の新人。

  冒険に夢見る少年で、妹と共に赤き太陽の絆に入団した。

  しかし、入団後は草むしりばかりでそろそろ嫌気がさしてきているらしい。

  種族:ニンゲンC クラス:村人

  装備:革の鎧、アイアンソード、皮の盾、ひのきの棒


テッテ・ハラショ

 ・クラン『赤き太陽の絆』のパーティー【紫炎蜉蝣】の新人。

  兄と共に赤き太陽の絆に入団した金髪ツインテール元気少女。

  とにかく困難はすべて拳で解決できると信じている。憧れの人はイーニス。

  種族:ニンゲンF クラス:拳士

  二つ名:イエローガール 全身黄色コーディネートに送る二つ名。黄色で装備を固めると全能力に+補正。

  装備:お気にの黄色服、思い出のヘアゴム(黄色)、イーニスブロマイド


アマンダ・ロックフィール

 ・クラン『赤き太陽の絆』のパーティー【紫炎蜉蝣】の新人。

  ゆるふわウェーブのかかった髪をもつ。Dカップの女性。

  他の新人たちから一歩引いた新人で、殆ど戦闘には参加しようとしない。

  種族:ニンゲンB クラス:魔法使い・魔物使役者

  装備:大魔術師の衣、契約の指輪、精霊石のイヤリング、火炎の錫杖


ハイネス・アランドール

 ・クラン『赤き太陽の絆』のパーティー【紫炎蜉蝣】の新人。

  ローブ姿のメガネ少年。髪の色はアイスブルー。

  頭の良さを自負しており、赤き太陽の絆で成り上がろうとやってきた。

  種族:ニンゲンB クラス:魔導師

  装備:火鼠の皮衣、エーテルセプター、緑の魔法書

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