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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三話 その不良系魔物の生態を彼らは知らない
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その魔物の眼力を彼らは知らない

 結局、ギルド職員皆から頭を下げられたネッテとリエラは断り切れず、皆でゴボル平原側入り口へと向かう事になりました。

 すまないアルセ、僕が、僕が認識されていれば絶対にこんなことには……

 クーフ大先生、あなただけが頼りです。絶対にアルセ守ってください!!


「でも、良かったのユイアさん。あなたたちまで来なくても」


「いいんですよ、なんかエンリカが一緒に行くって聞かないし。乗りかかった船ですから」


「ツッパリなんてまず見ることのない危険魔物見られるんだ。俺はむしろ大賛成だね。いつかは倒す魔物なんだから今のうちに特徴把握しとかないと」


 何も知らないお坊ちゃんは気楽でいいよね。絡まれるといいよ。

 ジャンプしてカツアゲされればいい。というかされろ!

 そしてエンリカさん、徐々にですがバズ・オークとの距離が縮まってませんか?

 なんかもう周囲から見て確証得られるくらい恋する乙女オーラがでてるのですが。


「ツッパリってそんなに危険な魔物なんですか? 私自分の住む森からここに来てまだ日が浅いので周辺の魔物はよく知らないんですよ。私の居た森にはツッパリという魔物は生存してませんでしたし」


「ブヒ」


「そんなに危険なんですか? それが100体以上群れを成して来てるとか、確かに国家を揺るがす大問題ですね」


 しみじみいいながら肩が触れる程に密着しています。

 解せぬ。なぜエルフが自分からオークにラブラブ光線を送るのだ。

 その視線、僕にくださいっ。

 って、アルセ、アルセの笑顔が欲しいんじゃないから。いや、可愛いんだけど……

 ああもう、どうでもいいか。アルセ可愛い。


「でもネッテさん、ツッパリって一体で行動する魔物じゃなかったでしたっけ?」


「ええ。基本はね。でも下手に手負いにしたりして逃がすと復讐のために結託して襲ってくるのよ。冒険者の間ではお礼参りとして恐れられているわ。まさかアルセに対してお礼参りしてくるとは思わなかったけど……」


 と、言葉の途中でネッテが硬直した。

 目の前にはゴボル平原へ抜ける町門。

 その先には、ゴボル平原が見えない。

 無数にう○こ座りでこちらに視線を向けるツッパリたちが屯っているからだ。


 こ、怖っ!?

 何この悪夢。

 一面ツッパリだらけです。

 あ、一部女性がいる。スケバンだ。長いスカートにセーラー服。手にはチェーンっぽい木で出来た鞭を持っていたりマスクっぽいものを口に付けてる個体もいる。これらもまたう○こ座りでこちらを睨んで来ていた。


「レディースまでいるじゃない。なんて数」


「あ、アレが……ツッパリ? あんなのフィールドで遭遇したら逃げるしかないぞ」


 ああ、エンリカが震えながらバズ・オークにひっついている!? 胸が当ってバズ・オークが顔を赤らめているぞ!? くっそ、この、くっそ、このエロ豚めぇ!

 だ、断じて嫉妬してるんじゃないぞ。モテない男の僻みじゃないからな。


 だからアルセの笑顔が欲しいんじゃ……ああ、ほっこりしてしまう自分が恨めしい。

 その笑顔、百点満点だよアルセ。君の笑顔は世界の誇りだ。

 ……そうだ。アルセの笑顔は最強なのだ。あのツッパリくんも撃退する微笑み。

 そうだ。お礼参り? 上等じゃないか。ウチのアルセの笑みの威力を見せてやる。

 ほっこりするがいい貴様等! 全員ネコ好きの不良みたいなほっこり顔にしてやるぜ!!


 二の足を踏む面々を放置して、僕はアルセと共に突出する。

 一人出て行くアルセに驚くネッテが慌てて止めようとするが、リエラが僕に気付いてネッテを止めた。

 視線は合わないけど、二人で顔を見合わせ僕は頷く。

 見ててくれ皆。アルセの笑顔をツッパリ界に振り撒いてくるよ。


 一人、突出するように現れたアルセイデスに、ツッパリたちはゆっくりと立ち上がる。

 ビキビキと米神に青筋立たせてガンを飛ばしてくるツッパリの群れ。

 正直姿が見えないのに僕の方が震えてくる。


「オルァッ!」


「ドラァッ!」


「オルルルァッ!!」


 口々に威圧するツッパリたち。それに笑顔で返すアルセ。

 大丈夫、アルセを信じろ。僕たちに笑顔を振りまく向日葵のような少女を信じるのだ!

 と、ツッパリたちを掻きわけるように現れる一体のツッパリ。

 デカい。

 他のツッパリたちより一回り大きい。そしてリーゼントが赤い。おそらく通常の三倍だ。

 これがツッパリたちのリーダー格。

 名前はわからないけど多分ツッパリリーダーとか番長とかだろう。

 うん、番長と呼ぼう。


 番長はリーゼントに身体中の傷、鍛え上げられた肉体。そのどれもが威圧感を湛えており、見ただけで思わず逃げたくなる容姿だ。

 そいつがアルセの前にやって来るとしゃがみ込んで威嚇を始めた。

 眼が飛び出しそうなほどアルセを睨み青筋浮かんだ恐ろしい顔がアルセの笑顔にくっつく程に寄せられる。

 あ、ああ、どうしよう。何故かついジャンプしてしまうよ僕。お、お金はありません。許して下さい。

 番長

  種族:偽人 クラス:ツッパリリーダー

 ・ガクランのような服をマントのように着こなす。実は皮の一部らしい。

 鍛え上げられた肉体にサラシの様な物を巻いてダボついたズボンを穿いている赤いリーゼント頭の魔物。

 オラァとかドルァとか叫ぶが、これは魔物の鳴き声のようなものらしい。

  無数のツッパリを率いることがあり、彼の率いる群れは国家災害級の実力がある。

  スキルの咆哮を喰らうと状態異常・恐怖になるらしい。

  敵対するなら一個大隊程のベテランパーティーを組まなければ人間は勝てないとされている。

  単体で出現することもあるが、群れを率いている場合の番長は国を挙げての準備万全死力を尽くした闘いでようやく五分五分だと言われている。

  ふつうは周辺国家と連携して少しづつ集団を削りながら滅ぼすのが通例。

  スキル漢の背中は舎弟の数が少なくなるほど自身の強化、多い程舎弟の強化に補正が付く。

 

  種族スキル:威嚇・激

        真・メンチ怪光線

        爆烈アパカ

        咆哮・極み

        唸れ俺のリーゼント改

        指揮Lv10

        漢の背中

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