その教国へ向うメンバーを彼らは知らない
「えーそういうわけで、このメンバーで向おうと思います」
校長への報告もあるので学校にやって来たメンバー。
彼らを見た校長はふむっと頷く。
アルセ、リエラ、ルクル、アメリス、ミルクティ、にっくん、にっちゃん、ワンバーちゃん、のじゃ姫、アニア、チグサ、ケトル、ミーザル、プリカ、パイラ、ルグス、にゃんだー探険隊、ネフティア、アキオというメンバーである。
相談した結果、学園組は授業受けて貰っておいた方がいいとミルクティが言ったので、レックス君達には話しすらしなかった。
ついでにハロイアと一緒にいるロリコーン侯爵にも伝えなかったけど、まぁあいついなくてもいいよね?
あと、ルグスを連れて行こうとしたらにゃんだー探険隊の世話がどうとか言いだしたので結局そいつらも連れてくる事に、遠方の探索と聞いたせいか今は探索せずに行儀よく並んでいる。
うずうずしてるのは見なかったことにした方がいいかな?
レーニャについては寝てたので放置してきた。別にアレが居てもいなくても大して違いは無いし。
「これはまた……戦争にでも行くのかね」
メンバーを見た校長は思わずそう呟いた。
まぁ、神に聖女に恐怖の黄色兎達磨に魔王と食欲魔神、不死王などなど揃っているとなると一国潰しに行ってきますとか言われても納得できるメンバーだ。
いやいや、そんな教国滅ぼしたりはしませんよ、多分。
「嫌ですね校長先生。私たちはアルセが呼び出されたから彼女の護衛で一緒に行くだけですよ」
あははと告げるリエラ。
でも、アメリスまで来るのは予想外だったな。
やっぱ向こうに残るとミルクティも残るとか言ったから身の危険を感じたな。
「でも教国かぁ。どんなところだろ?」
「うむ? 皆観光に行くような浮かれ具合だが、あそこは本当に宗教国家だぞ? あまり期待はしない方がいいと思うのだが、おそらく教会に向って帰るだけで城下町などを探索する事は出来ないと思うが?」
「ええ!?」
「にゃーっ!!?」
探索を待ち遠しくしていたにゃんだー探険隊が愕然とした顔をした。
いや、教会探索だけでも大丈夫だろ。
「じゃあ、アルセ」
「おっ」
リエラに促されてアルセが羽を使ってエアークラフトピーサンを呼び寄せる。
いいねぇ。これがあると何処へでもひとっ飛びだから。
ただまぁ、エアークラフトピーサンの口に乗り込むというのが絵的にアウトな感じだけどね。
「み、見つけた――――っ!!」
リエラが乗り込もうとした時だった。突然どっかで聞いたような声が聞こえた。
なんだぁ? と振り向くと、はぁはぁと荒い息を吐きながら走って来た女が一人、途中で地を蹴り、なぜか僕に向けてドロップキック。
「クタバレエロバグッ!!」
ごふぅっ!?
「あ、アカネさん!?」
驚くリエラの横に着地したのは、懐かしキャラクターアカネ・トドロキだった。
おっと、誰が懐かしだとか理不尽な攻撃が来そうだから言葉には気を付けないと。
まぁ聞こえないんだけどね。
「どうしたんですかアカネさん。確かアルセ教の方にいたはずじゃ……」
「セインに全て引き継いで来たのよ。ようやく合流出来たわ。こいつと一緒にいないと自分にかかってるバグを何とかする術が分からないのよ」
そう言えばアカネさん。自分のバグをなんとかするには僕の側にいるべきだみたいな神の声聞いたんだっけか。それじゃあ今までは気が気じゃなかったよね。何しろ僕が近くに居ない状態が大分続いたし。
「で? どこ行くの?」
向う場所は分からないながらも付いて来る気のようだ。
「あ、はい。これから教国の方に。どうもアルセに神様偽証疑惑がかかっているとかで」
「はぁ? 今更? 随分と腐った対応ね。それが誰の逆鱗に触れるかも知らないのに良くやるわ。……そう、グーレイ教は近いうちに滅ぶのね」
いきなり話飛び過ぎてないですかアカネさん一体僕らを何だと思ってるんだか。
そんな向うからって国を滅ぼすわけないじゃないですか。
「で? どうやって行くの? その鳥の上に乗ればいいのかしら?」
「いえ、口から乗り込みます」
リエラの言葉を理解しきれなかったようだ。アカネは小首を傾げ、地面に着陸中のエアークラフトピーサンを見る。
既にリエラとアルセとルクル、そして校長先生とアカネ以外の人物は乗り込んだ後だ。
アカネは不思議そうな顔でエアークラフトピーサンの口を指差す。
「ん? 口から?」
「はい、口の中に入ります」
「はあぁ!?」
意味が分かんないんですけど!? そんな顔をするアカネさんを僕はひっつかんで無理矢理エアークラフトピーサンの口に放り込む。
ちょ、まっ。とか言ってたけど、ドロップキックのお返しだこんにゃろっ!
校長に挨拶して、リエラ達も乗り込んで来る。
さぁ、出発だ!




