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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二話 そのパーティーメンバーの日々を僕は知らない
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その魔物の転職を僕らは知りたくなかった

「次、誰行く?」


 ミルクティの言葉に反応したのはアルセ。でもミルクティとしてはリエラとアルセはオオトリとして残しておきたいようで、彼女の主張を無視してプリカに視線を向けた。


「じゃあ順番はプリカ、その次パイラ。私でにっくん、アルセとリエラってところでいいかしら?」


 ミルクティは結構仕切りたがりだなぁ。まぁこのメンバーだと仕切れる役が一人いるのはいいことか。リエラもそれなりに仕切れるようになってるけどまだミルクティ程の決断力はないからなぁ。

 でも、しっかり者だからこそミルクティの婚期が遠のいているともいえなくも……げふんげふん。


「のじゃー」


 見学に付いて来たのじゃ姫がワンバーちゃんに群がろうとしていたプリカを引き上がしてさっさと行って来いと促している。あ、その隙にパイラがワンバーちゃんに喰いついた!?


「あー、パイラずるいっ!」


「ワンバーうまし」


 ぐっと親指立ててプリカを見送るパイラ。

 急いで魔法陣にやって来たプリカはさっさと済ませようと神官さんを促しまくる。

 苦笑しながら祝詞を唱える神官。


 えーっとプリカの就ける職業は……村人、盗賊、強盗、山賊、海賊、掠奪者、フードファイター、悪食王……って、なんだこのレパートリー。エルフなら絶対に就けそうな狩人すらないぞ!? って、プリカさん!?


 プリカの奴、早くワンバーちゃん食べたいからって一番下の強そうなのを良く見ずに選択したぞ!? なんだよ悪食王って。

 狂戦士の悪食王か。嫌な予感しかしないぞ。

 プリカは転職を終えると素早く戻りパイラを押しのけワンバーちゃんにガブリ寄り。

 一口でワンバーちゃんの五分の一が消失した。


「のじゃぁぁぁぁ!?」


「ええい、邪魔しないでのじゃ姫ちゃん。ちょっと齧るだけだからぁっ」


 喚くのじゃ姫達を放置して、アルセからゴスを貰ったパイラが魔法陣中央へ。

 えーっとパイラさんの就ける職業は……うわ。滅茶苦茶ある。今まで何して来たのかわかりやすいというか……うーんどれもぱっとしないというか、今までが充分強いからなぁ……


「ん? これ」


 パイラさんが就いた職業は……探究者。鑑定やら探索スキルが豊富な職業らしく、レアモノを見付けることに特化した職業らしい。

 パイラさんにしては実用的な……いや、違う。こいつレアモノ食べるためにこのクラスになりやがったな!!


 パイラの後はミルクティ。パイラが戻ったせいでワンバーちゃんが何度か死に始めたけど、そちらはいつもの事なのでのじゃ姫にお任せだ。

 あ、こらアルセ、ネギで再生中のワンバーちゃんつっつかないであげて。

 確かに復活してる様子は気になるけど、もしも変な復活とげちゃったらどうするの。ほら、やめなさい。


 膨れるアルセをワンバーちゃんから遠ざけていると、丁度ミルクティの前にダイアログが現れた。

 今のミルクティは確か銃使いだったっけ?

 ただの村人だったっけ?


 ダイアログには村人、冒険者、魔銃使い、ガンマスター、狙撃手、踊り子、遊び人がでている。

 当然ながら即行ガンマスターを押していた。

 うーん。魔銃使いからガンマスターになっただけってことかな?

 アメリスがダブルというかトリプルクラスだっただけにちょっと涙目だ。

 令嬢がクラスに入るのかどうかは分からないけど、多分含むと思うから暗殺者と覇王でトリプルスキルなんだよな。


「じゃあ次はにっくん」


「にっ!」


 さて、これで明らかになるぞ。魔物にも職業が付くのかどうか。

 にっくんが魔法陣の中央へと向かう。

 神官さんも困った顔ながらも興味があるのだろう。思い切って祝詞を唱える。


 そしてダイアログが……おお、出た! 出たよにっくん!

 現れたダイアログに書かれていたのは……にっちゃう、まぎかにっちゃう、にっちゃうあいん、にっちゃうあなざぁ、にっちゃうつう゛……これ、クラスじゃなくて種族じゃね?


 にっくんは呆然とそれを見つめていた。

 ショック受けてるんだろうね。えーっとあ、これとか良いんじゃないかな?

 にっくんが全く動かないので僕が変わりに押してやる。


 まぎにっちゃうの上位版、まぎかにっちゃうに存在進化した!

 いやぁ、他のにっちゃうになるのもいいかもだけど折角なら魔力を強化した感じにした方がにっくんの場合良いんじゃないかと思って。ん? あれ? にっくん? 何で震えてるの?

 あ、痛っ!? ちょ、頭突き止めて。いたっ。やめてぇっ!?


 涙を流しながら跳ねまわるにっくん。

 ミルクティ達がよっぽど嬉しい変化したんだね。とか勘違いしてるけど、これ、怒りで僕を攻撃してるだけだから。っていうかにっくん。僕の事認識してるの!? ちょ、痛いってば、悪かった。悪かったってば。何になりたかったのか知らないけどごめんって次は……ぬあぁっ!? 魔法はダメだよにっくんっ!?

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