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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第十部 第一話 その騎士団を抜けた者たちのその後を僕は知らない
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そのロックスメイアで売りだされた記事セルヴァティア編を僕らは知らない

知らない国に行ってみた第75回

       セルヴァティア王国編~オークマザーには、勝てなかったよ~


 セルヴァティア王国。

 それはマイネフラン王国から西に向かった方角にあるゴボル平原を越えた先。トルーミング王国へ向う道の西側に存在するコーカサスの森北部に存在する数千年前に栄華を誇った水晶勇者の都である。

 アルセ姫護衛騎士団により遺跡から復活した古代人クーフが目覚めたことで、眠りに付いていた他の古代人も目覚め、王国を再建している最中だそうだ。


 国王は物語にもなっている有名な水晶勇者本人であり、王国内部では今も水晶剣が幾つも飾られ雅な当時を再現している。

 未だに工事中の場所や建設途中の場所があるモノの、かつての栄華は今、徐々に輝きを取り戻しつつあった。

 彼らの営みを見せて貰ったのだが、肌の色が青く、血の通ってないフレッシュゾンビ化しているという違いがあるだけで、普通に人族のように笑い合っていた。


 ここの売りは安全性だろう。国民一人一人の能力も高いのだが、この国を囲む森には、ツッパリの巣が存在する。森を四分し、中央南部がスマッシュクラッシャー。東にツッパリ、西にレディースの支配域があり、彼らはセルヴァティア王国民と連絡を取り合っているのだという。

 マイネフランとも仲が良いということもあり、魔物大国と同様、ツッパリたちが彼ら国民を襲う事は無いらしい。


 国民の勧めで森の中心辺りにある泉に行ってみた。どうやらここはツッパリとレディースの出会いの場であるらしく、身の毛もよだつ程の大量のツッパリたちが屯っていた。左に載せた写真はその光景である。見える範囲でこれだけいるのだ。さらに奥までツッパリの群れがいるのを見た我々は、いくら襲われないと言われても生きた心地はしなかった。

 ちなみに、ここのツッパリを纏めている魔王辰真の写真も載せておく。彼にはオオカミモドキに襲われたところを救われたこともあり、あの雄姿は是非とも皆様にも見ていただきたいものである。


 泉を後にした我々は、もう一つの噂の真相を確かめることにした。

 この森の南部でオークが大量発生しているというのである。

 スマッシュクラッシャーの巣で癒されつつ、我々はオークの縄張りへと足を踏み込んだ。

 正直に言おう。失敗だった。これ程恐ろしい体験をしたのは、初めてかもしれない。


 雇った冒険者が出現したオークに先制攻撃を仕掛けたのだ。

 ソレが失敗だったと言わざるを得ない。

 逃げ出したオークを見て安堵した我々の元へ、そのオークが仲間を引き連れ戻って来たのである。

 その数、数千体。

 当然我々は逃げた。命からがら私はセルヴァティア王国に戻って来れたのだが、他のメンバーは一日経っても戻って来なかった。

 以下、彼らが遭遇した悪夢についてのコラムである。


ハルれーの証言

 僕はオークから逃げたあと、冒険者四人と運良く合流できた。

 命があって良かったと喜び合い、僕たちはセルヴァティアへと戻ろうした時だった。

 突然森から何かが現れた。

 それはとても美しいエルフであった。正直、出会った一瞬、僕は確かに彼女に見惚れたのだ。彼女は妊娠しているらしくお腹が膨らんでいたが、ソレが気にならないくらいの美しさがあった。

 だが、次の瞬間、彼女はあり得ない速度で跳ぶと、冒険者の一人を殴り飛ばしたのである。

 強烈な一撃を喰らったリーダーさんが木にぶつかる。

 そこからはもう、蹂躙の始まりだった。僕は初めて悪魔というモノを見てしまったのかもしれない。


ねねっこの証言

 私はたった一人で迷子になっていました。正直生きた心地はしなかったですね。

 突然物凄い音が響いたので恐る恐るそちらに向かうと、丁度目の前の木に冒険者さんが突き刺さっている光景があったのです。

 しばしあり得ない光景に我を忘れていると、ハルれーさんの胸倉掴んでいた妊婦エルフがこちらにやってきました。思わずちびったよ、アレはヤバい。


かがらんの証言

 いやぁ、ホント今回は調子に乗り過ぎたんだよ皆が。現場に辿りついた時には既にねねっことハルれーが捕まっててね。こりゃもう逃げなきゃ。と思った次の瞬間には目の前にエルフ妊婦だろ。俺殺されると思ったね。後で聞けば、あの方が拳王エンリカだって話しじゃないか。オークと結婚したエルフ。そりゃここでオークが繁殖してるはずだわな。オークマザーマジパネェっす。


ナーナの証言

 私は運がいいことに拳王エンリカさんの住んでいる屋敷に辿りつきました。そこでオークに襲われ散り散りになったことをエンリカさんに話したら皆をここに集めてくれるということで、私はエンリカさんの家に遊びに来ていた『オークのプリケツを愛でる会』という冒険者パーティーと談笑していました。エンリカさん。すっごく綺麗ですね。素敵な女性でした。


まーりんの証言

 私は迷子してましたねー。まさか一人きりになるとは思ってなくて、不安に押しつぶされて泣いてました。そしたら片目に傷を持つオークが現れて……犯されるって思ったんですよ。ああ、私苗床にされるんだ……って。でも、そのオークは私を優しく御姫様抱っこしてくださって、自分の家じゃなくセルヴァティア王国門前までわざわざ送り届けてくれたんです。

 あとから聞けばあの方がマイネフランの英雄豚、バズ様であると知り、私もう……相手オークなのに抱かれてもいいかなって思っちゃいましたよ。さすがに人の夫に手を出すようなことはしませんが。エンリカさんバズさんお幸せにー。


 ……悪夢? いや、まぁその辺りは個人の証言なのでコメントは控えようと思う。とにかく、我々は誰一人欠けることなく今回の旅も無事に終えたのである。

 次回は知らない国に行ってみたを休みにし、代わりに今話題のアルセ姫護衛騎士団徹底解説を行おうと思います。次回もご期待ください! 以上ロックスメイア記者団でした。

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