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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第十部 第一話 その騎士団を抜けた者たちのその後を僕は知らない
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そのロックスメイアで売りだされた記事マイネフラン編第一回を僕らは知らない

知らない国に行ってみた第74回

       マイネフラン王国編~ツッパリに絡まれたら飛び跳ねるといいんだって~


 我々ロックスメイア新聞記者団は、本日、話題の魔物王国マイネフランへと向かった。

 今回でこのコラムも74回目となり、74ヶ国を回った我々であるが、マイネフラン程劣悪な国はなかなかお目にかからない。第3回のナーロイアや第28回のぺズン程ではないが、貧民街はもはや足を踏み入れる気にすらならない国であった。


 しかしながらこの国最大の売りは魔物と人族の融和国であるということと、アルセ教本部が存在するということである。

 希望を胸に我々は馬車で移動する。

 前回紹介したコルッカから道なりに行くことで辿りつくこの王国は、聖樹の森と呼ばれる深い森の側に作られた王国である。

 聖樹アガスティアに見守られながら興ったこの国はにっちゃうが多く、街中でも飛び跳ねるにっちゃうが普通に存在し、我々記者団も思わず癒された。


 門を通り過ぎると宿屋街。この辺りは多くの国に良く見られる光景である。

 大通りは馬車が三列になっても問題無い幅があり、多くの人々が行き交っていた。

 宿屋はレトロな雰囲気の二階建てが多く、時折三階建ての老舗を見かける。

 ただし宿屋近くに飲み屋は存在せず。街の奥にある飲み屋街まで向わなければならなかった。

 歩くことを気にしない冒険者たちには良い街なのだろう。


 中央広場には教会も存在しているのでグーレイ教信者たちも多く、賑わいを見せている。

 所々では見回りの兵士の他、ツッパリ、レディースといった魔物が屯っており、国内の治安に一役買っているそうだ。

 彼らが屯う姿自体が治安の悪化に見えなくもないが、彼らに絡まれることを思えばこの国で治安の悪化に一役買おうと思う人間は少なくなっているのかもしれない。


 中央広場からは宿屋街、武器屋街、飲み屋街、貴族街、平民街、王城近辺へと向かう道がある。

 宿屋街は紹介したので武器屋街から順に紹介して行こう。


 武器屋街では他国でも見られる防具屋鍛冶屋武器屋などが犇めいていたのだが、マイネフラン特有というべきだろうか? なんと、いがみ合うことなく彼らが共同で何かを作っている姿がよく見られた。

 話を聞くと、ツッパリの使う武器を共同で作ってから仲良く作業を行うようになったそうだ。

 これもアルセ教、現魔物神とされるアルセ神の御蔭であるという。


 飲み屋街で今話題なのは『アルセイデスの休息所』とよばれる開放型酒場である。

 なんと外と内を隔てる店の壁が存在しない酒場なのである。

 初めて入店した時は驚いた。

 何しろ入るためのドアがなく、通路にまでテーブルや椅子が侵食しているのだ。嫌でも眼に止まる酒場であった。


 名店らしくかなりの大盛況でありながら、並ぶ必要も無い。

 何しろ店の外ですらも食事が自由にできるのだ。室内という垣根を取っ払ったこのオープンテラス型酒場は、以前向かいにある『妖精の酒屋』を貸し切りにしていたアルセ姫護衛騎士団の団員が酔った勢いで乱闘を始め、この『アルセイデスの休憩所』の壁を破壊したことでこのような酒場になったらしい。


 後日アルセ姫護衛騎士団もこの酒場を訪れているそうで、話題にさらに火が付いたそうだ。

 アルセ姫護衛騎士団が有名になる程に、その逸話があるこの店が繁盛していったらしく、今では向かいの『妖精の酒屋』の土地を買い取り、道を股いだオープンテラスとしてさらなる拡大を見せている。『妖精の酒屋』の店員はそのまま吸収される形でこの酒場に勤めており、忙しい日々を送っているそうだ。


 また、この呑み屋街から貧民街への道があるのだが、汚物が空から降ってくる恐ろしい場所であった。貧民らしき男がその奥に消えて行くのを見たのだが、空から汚物が彼に振りかかる様は……まさに悪夢を見ているようだった。この状況はマイネフランの汚点であろう。早めに改善されることを強く望む。


 貴族街は他国にも引けを取らない豪邸が建ち並んでおり、各国でもその名を轟かすダンデライオン家もこのマイネフランを本拠地として大豪邸が建っていた。『グラスホッパーズ』のゴードン氏に直撃取材を行ったのだが、娘さんの病気を治すため急いでいるとのことで今回は取材できなかった。

 後日直接取材の許可は取ったため、そのうち個別コラムの欄に掲載させていただこうとおもう。


 フィラデルフィラル邸に噂のにっちゃう・つう゛ぁいをペットにした少女がいるということで取材に向ったのだが、どうやら今はコルッカで冒険者学校に通っているらしい。行き違いになってしまったようで今回は取材を断念せざるを得なかった。

 アルセ姫護衛騎士団の一員ということらしいので、今度纏めてこの冒険者パーティーの特集を組もうと思っている。


 王都近郊の通りはとてつもない賑わいであった。

 特に最近出来たアルセ教本部への参拝客が余りにも多い。さらに名所の一つと化したアルセ神に逆らいし勇者ヘンリーがアルセ教本部と城の間の通り中央に存在するのでここら一帯は人通りが多く兵士たちも見回りを強化しているようだ。


 マイネフランを語るには今回のコラムでは収まりきらなかったため明日の新聞と二回に分けることにする。

 次回紹介は話題のアルセ教本部とその近辺、そして聖樹の森と崩れしネズミンランドについて紹介して行こうと思う。

 また次次回はマイネフランで見つけた新たな国家セルヴァティア王国の紹介をして行こうと思う。

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