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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第九部 第一話 その仲間たちの思いを背負い塔を昇ることになる事を僕は知らなかった
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その少なくなる仲間たちを僕らは知りたくなかった

 西洋妖怪系の魔物達を撃破しながら僕らは進む。

 基本ネフティアとロリコーン侯爵がメインアタッカーになって進む。

 幽霊系魔物はヲルディーナ。フォローをレックスやルクルでこなし、それでもそこまでの苦労なく進めている。ネフティアの活躍が凄まじいのがいいですね。


 そうか、僕らのパーティー、ネフティア一人でもベテランパーティーのアタッカー越えてるんだなァ。

 丁度直ぐ前に闘うパーティーを発見した。

 かなり連携の取れたパーティーだけど、全員苦戦しながら狼男っぽいのと闘っている。むしろライカンスロープって奴かな?


 結構傷負ってるな。回復魔法を後衛が唱えて何とかなってるけどアタッカーのダメージはかなりきつそうだ。

 そんな戦闘を見ながら僕らのパーティーを見る。

 丁度ライカンスロープと思しき狼男が三体現れたところだ。

 向こうのパーティーならば潰走してもおかしくない群れ。


 しかし、ネフティアのチェーンソウが振るわれる度に狼男たちが消えていく。

 ほぼ三振りで撃破したネフティアがチェーンソウの電源を切った時、向こうのパーティーも辛勝していた。

 うん、ネフティアの戦力が強過ぎだ。


 他の皆も影に隠れていて分かり辛いけど、これだけ人数が減ると個人個人の能力が浮き出て来る。

 こうして見ると、パーティーメンバーの殆どがバグっちゃってるなぁと思わなくもない。

 いや、僕のせいじゃない。僕のせいじゃないはずだ。


 隣のパーティーが休憩所へと引き返すのを横目に見ながら、僕らはさらに階下を目指す。

 70階層へと降りて来ると、ボス部屋前に待機しているのは二パーティーだけしか見当たらなかった。そろそろ先頭組に追い付きそうな気がする。


 聞いた話では、80階層までは西洋系妖怪が出現し、80階以降では原始的魔物が出てくるそうだ。原始的ってなんだよ?

 まぁいいや。待機中の二パーティーの人たちに別れを告げてボス部屋へ。

 扉が閉じると、内部に居た生物が部屋の中央へと移動した。


「なんでぇありゃぁ。ヒャッハー、アレなら俺でも倒せるぜェ!」


 そういえばアキオも居たな。

 コイツ何の役にも立ってなかったけど、目の前に雑魚敵っぽい生物が現れたら途端に強気になりやがった。

 彼が強気になるのも仕方無い。目の前に存在するのは子供サイズの人型で、まるでムンクの叫びみたいな顔をしている存在だからだ。


 名前はラムズフェロー。

 うん、ステータス見る限りこれ弱い奴だ。

 スキルは増殖だけ。


 アキオでも充分倒せるなぁと思い、ふと思い直す。

 70階層のボスだよね、なんでそんな雑魚敵?

 僕が何か行動する前に、アキオがラムズフェローを切り裂いた。

 自慢のナイフ捌きがよかったのだろう。凄く嬉しそうにしている。


 切り裂かれたラムズフェローは地面に落下し、不気味に蠢く。

 次の瞬間、膨れ上がるようにしてアキオに襲いかかった。

 驚くアキオを蹴り飛ばし、ネフティアが割り込む。


 ギュイイイイイイイイイイイイイイイイッ


 物凄い音共にラムズフェローが切り裂かれた。

 ぼちゃりと落下する無数の肉片、その全てからラムズフェローが生えて来る。

 増殖、か。これはちょっと面倒そうだぞ。魔法で焼くのが効果的かな?


 ネフティアが下がってきて僕の裾を引っ張る。

 手でジェスチャーするのを見るに、柩が欲しいらしい。

 言われるままに柩を取り出すと、僕とアルセに親指を立てて見せた。


 ここは私が引き受けた。

 そんな言葉が聞こえた気がする。

 動きだすアルセが皆を代表するように次の階層への通路に向う。


 パルティがソレに気付いて後を追い、他のメンバーも動きだした。

 一緒に次の階層へ向おうとしたアキオの足を蹴り飛ばし転倒させ、ネフティアはチェーンソウを構える。

 どうやらアキオも一緒に残すようだ。足手まといはここに残れってことらしい。


「ちょっと待てやコルァ! なに俺様に足掛け……ひぃっ!? 何でもありませんサー!」


 最大戦力が消えました。

 西洋妖怪に巨大蝙蝠などが紛れ出した74階。

 この辺りになると全員が全員闘いに駆り出され始める。

 ロリコーン侯爵やハロイアが居る御蔭でまだまだ余裕はあるけど、ネフティアが居なくなった穴は大きい。

 なにしろ今まで踊って応援するだけだったアルセが参戦しだしてるからね。


 なんとかダメージを負うことなく75階層へ到達。

 まだ二パーティーは健在らしい。ここにも戦力が待機していた。

 丁度食事時だったらしく、男二人きりでもっさもさの乾パン食べてるの見た時は、なんか泣きそうになりました。


 そんな彼等とも情報を交換してボス部屋へ。

 マズい、ここは団体戦を想定した部屋らしい。

 犇めく魔物達に僕らは思わず息を飲む。

 部屋のボスと思しき女が中央へとやってくる。

 青白い顔、闇夜に光る綺麗な金髪。口元にちらりとのぞく牙。

 吸血鬼カミラ引きいる吸血軍団が、僕らの到着を待ちわびていたのだった。

 ライカンスローブ

  種族:魔獣 クラス:獣人

 ・二足歩行の獣。人にはならないこういう姿の生物。

  ライカンスロープのパチモン。

 ドロップアイテム・狼手・獣肉・ふさふさ尻尾


 ラムズフェロー

  種族:スライム クラス:ラムズフェロー

 ・時代劇の逆塔にのみ出現する謎のスライム。

  魔防が高く切り裂くと増殖する。攻撃力は殆ど無いが、増殖させ過ぎると増え過ぎて全身を包まれ死に至る。

  硫酸などで溶かすのが一般的な退治法。

 ドロップアイテム・怨念がここにおんねん


 カミラ

  種族:吸血鬼 クラス:吸血姫

 ・吸血鬼女性版の上位種。

  真祖に近く独自の思考で動き人語も話す。

 ドロップアイテム・懺悔の十字架・黒いマント・吸血姫のブラ・黒い勝負パンツ

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