表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第九部 第一話 その仲間たちの思いを背負い塔を昇ることになる事を僕は知らなかった
729/1818

その残っていく仲間たちを僕らは知りたくなかった

 16階に降りると、出現敵が一気に変化した。

 現れたのは蟹だ。甲冑を被った蟹がいます。

 名前は平家蟹。


 まさか、いや、多分そうなんだろう。

 無数に迷宮内を跋扈する平家蟹の一部が僕らに気付いて横歩きで近づいて来る。

 まだまだ戦力過多な僕らの敵ではなかったけれど。


 基本、ファラムさんとデヌだけで一蹴できる戦力でした。

 平家蟹を倒すと近づいて来たのが源氏……なんぞアレ?

 多分源氏の名が付くのがソレしか思い浮かばなかったんだろう。


 一瞬口に出すのもおぞましきGかと思ったら、違った。尻を光らせるその人型大の生物は源氏蛍というらしい。

 刀を持って兜を被った蛍っぽいのが数体やってきた。

 まぁ、このメンツ相手には敵わなかったけど。

 葛餅とネフティアだけで撃退してました。


 最後に、鼠小男というほっかむりした人型大鼠が出現した。

 荷物を盗もうとして来たのだけれど、狙ったのがレーニャだったので何も奪えなかった。いや、奪う事には成功したんだ。レーニャの体内に居る鼠を奪って反撃され、自滅してました。


「一気に出現する敵が変わりましたね」


「おぅ、この逆塔は結構多数の魔物が出現するんだ。大体15階層ごとに変化するんだが、確か60階を越えたあたりで10階層ごとに変化すると聞いたぞ」


 パルティの言葉にギースが告げる。


「ということは、30階越えたらまた変化するってことですか」


「ああ。でも今日は20階越えたあたりでキャンプにした方がいいだろうな。場所は心当たりがあるから安心してくれ。ほれ、そろそろボス部屋だ」


 ギースに促されてボス部屋へ。

 もはやダンジョンの道は知ってるし、敵は雑魚ばっかなのでサクサク進んで20階層へと辿りついた。

 といっても、道を知らなかったり少人数だとここに来るまで苦戦するらしいので、学生連中など初めてここに入った者たちは10階層辺りでキャンプを取ったり、一日の感覚が分からずどんどん進みがちなのだけど、ベテランになると大抵20階層越えた辺りがキャンプ候補地になるそうだ。


 20階層ごとに一日掛けて取り組む。

 階層を下に向う程敵も強力になるので、最後の方は10階層ごとでキャンプを張るなどになるらしいのだが、60階層までは4日かけて向うのが良いらしい。

 時間的にも既に12時間近く経過しているらしいので、僕らの疲労も結構あるようだし、ここはギースの言われるままに20階層越えた場所で一日キャンプするのが良さそうだ。

 もしかしたら後続部隊も合流するかもだし。


 20階層に辿りつく。

 出現するボスは二体。その取り巻きがかなり多い。

 ボスは青い狐と黄色い狸だ。二体とも甲冑を着込んで刀を持っている。あ、狸の方は軍配か。


「コーン」

「ポコンっ」


 まてぃっ!? 狸、そこの黄色い奴! 鳴き声おかしいだろ!?

 お腹をぽこんっと手で叩いた黄色い狸は軍配を振る。

 すると出現する取り巻きと思しき狸型の兵士たち。

 狐の方も葉っぱを周囲にばらまくと、そこから狐型の兵士が出現する。


「狐と狸……美味しそう」


「美味い、かな? じゅるり」


 そして前に出る食欲魔神二匹。ボスたちの危機が今、まさに始まろうとしていた。

 当然、彼女らを残して僕らは先へと進む。

 20階層を越えたので、キャンプを張るか。と候補地に向おうとするギースだったが、ソレをデヌとミルクティが押し留める。


「リエラの容体からして急いだ方がいい。40階層まで一気に駆け上がろう」


「このメンツなら問題無いでしょ。私も賛成」


 二人が告げると、他のメンバーもここで休もう。という声が全く上がらなくなる。

 アレ? このまま先に行く感じですか?

 というわけで、駆け抜けるようにして25階層。


 ボスとして出現するのは巨大生物大魔神ペンたん。

 ペンギンのキグルミを着た女の子みたいな姿の巨大生物が部屋を占めてました。

 これに対抗するのは命中率が少なくともこの手の相手ならば戦えると踏んだ不死王様だ。


 さらに簡略、30階層では無数の埴輪兵が出現し、葛餅、クァンティ、ラーダ、カルアの面々が居残った。ついでにローアさんとサリッサさんも葛餅と一緒に居たいというので居残りました。

 35階層ではナルキッソスとでも言うべき美系剣士たちが出現した。

 結構な数に誰が残るのかと思っていれば、なんと『ハッスル・ダンディ』の面々が率先して居残り皆を地階へと向かわせた。


 いや、ここでお前ら抜けてどうすんの?

 そんなことを思わないでもなかったけれど、血涙流しながらギースがこっちに来てくれたのでキャンプ候補地の心配はしないで済んだ。

 でもさギースさん。なんでそんな悔しそうな顔してるの? ねぇ、どうして?


 40階層に出現したのは巫女さんみたいな女装男。物凄い巨漢の気味悪い生物には、レーニャが対応するように居残った。

 そして僕らはようやくキャンプ候補地に辿りつき一日目、というか一日半目を終えた。

 平家蟹

  種族:魔蟹 クラス:侍蟹

 ・平家の怨念が甲羅に宿ったとされる蟹。とは無関係の魔物。

  鍋奉行の元へ持っていくとカニ鍋にしてくれるらしい。

 ドロップアイテム・カニミソ・カニ身・平家の兜


 源氏蛍

  種族:魔虫 クラス:侍虫

 ・刀を振るう事を覚えた蛍。

  虫なのでほぼ本能で動く。敵を倒すより蜜に群がる習性がある。

 ドロップアイテム・名刀雪蛍・蛍の死骸・蛍光剤


 鼠小男

  種族:魔鼠 クラス:盗賊鼠

 ・人のモノを盗むことを覚えた鼠の進化系。

  義賊ではないので誰であれ隙を見せれば盗まれます。

 ドロップアイテム・唐草風呂敷・鼠の尻尾・チュー華鍋


 青い狐

  種族:魔狐 クラス:ブルーティッシュフォックス

 ・青い毛を持つ珍しい狐。青銀に輝く毛並みは高価で取引される。

  狸とよく縄張り争いをしているらしい。

 ドロップアイテム・青い狐毛・狐のマフラー・青狐耳カチューシャ尻尾付き


 黄色い狸

  種族:魔狸 クラス:イエローラクーン

 ・黄色い毛色の狸。幸運のお守りとして乱獲されている。

  狐とよく縄張り争いをしているらしい。

 ドロップアイテム・黄色い狸毛・黄狸のキグルミ・黄狸耳カチューシャ尻尾付き


 大魔神ペンたん

  種族:魔ペンギン クラス:ペンギン娘

 ・レベルを上げ過ぎ巨大化したペンギン娘。

  ぼへっとした顔をしているが、ダメージを与え過ぎると怒り狂う。

 ドロップアイテム・ぺんぎんきぐるみ・ペンたんヌイグルミ・タマゴアイス


 埴輪兵

  種族:埴輪 クラス:兵士

 ・埴輪姿の兵士。内部は空洞らしい。

  埴輪なので動きはとても遅くて硬い。。

 ドロップアイテム・陶器のかけら・埴輪・土偶


 ナルシスファイター

  種族:偽人 クラス:美剣士

 ・顔が美しく筋肉質な細マッチョたち。

  女性を虜にする能力は無いのだが、絶えず自分の容姿を磨いている姿が見える。

  振るう剣に自分が映るとしばらくうっとりと眺める。

 ドロップアイテム・磨かれたシルバーソード・ミラーアーマー・顔パック


 巫女夫さん

  種族:偽人 クラス:巫女?

 ・巫女に憧れた男性偽人のなれの果て。

  乙女心と筋肉で今日も神に祈りを捧げる。

 ドロップアイテム・巫女服・玉串・すね毛

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ