表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四話 その島があった事実をもう誰も知らない
715/1818

エピローグ・その少女の心労を僕らは知らなかった

「ふはぁ、コルッカ到ちゃーく。なんか数日しかいなかったのに濃密な日々だったなぁスロームノワール退治」


「フィックサス、とりあえず学校のギルドで清算しようぜ」


「それじゃデヌさんミルクティさん、冒険者ギルドの方はお任せ致します」


 馬車から下りた面々はギルドへの報告パーティーと学生パーティーに別れる。

 僕はアルセと共に学生パーティーに混じって行動開始です。

 しっかし、どうしよう。なんやかんやで同行者が二人増えてます。


「レックス、その、私もそのコルッカ冒険者学校? に入れるの? 魔物だよ?」


「アルセたちも入ってるから大丈夫だよ。葛餅なんて俺らの同期内で一番成績が良いし」


「ふん。なぜ我まで……」


「そういえばファラムさんでしたっけ、結局何があって一緒に行動する事に?」


 ブツクサ呟くファラム。その背中にはキキルさんがくっついている。

 甲殻類の甲殻の肌触りが好きなんだってさ。いろんな趣味の人がいるなぁ。


「ふん。我が眷族がチュウセイシスライムだったか? あれに殲滅されたせいで海での居場所がなくなったのだ。キキルに回復されながら、だったら一緒に来ませんかと言われてな。この機に海以外の場所を見てみるのも一興かと付いて来ただけだ。勘違いするなよ。貴様等に下ったわけではない!」


 僕が使った回復魔弾の御蔭で失った両手も復活している魔王様はそんなことをのたまいながらも、キキルが背中にべったりくっつくのに思考を割いているようで、ちょっと顔を赤らめている気がします。

 実は結構満更でもない、とか?


 きっと絶望の縁に居た彼に暖かな台詞を吐いたんだろうねキキルさんが。

 まぁ、彼女がどうなろうと僕の知ったこっちゃないので好きにしてくださいとしかいえない。

 本人たちが幸せならそれでいいじゃない。リア充爆死したらいい。


「それじゃリエラさん、報告行きましょうか」


「そうですね。けっこう疲れたし……早く報告終えて部屋で寝たいよ」


 リエラ顔青くなってるよ? 大丈夫?

 僕が背中をさすってやると、ありがとうございますと告げるリエラ。

 いつもならセクハラ辞めてくださいくらい言って来そうなんだけど、これ、結構限界近い?


 僕はリエラを魔物図鑑で見てみる。

 ただなんとなく、胃炎以外の病気でも発症してないかな? と思っただけのことだった。

 ……え?


 ドサリ、数歩歩いてリエラが地面に倒れ込んだ。

 皆が気付いて口々にリエラを呼ぶ。

 だけど、僕は声を出せなかった。なぜなら……


 リエラの状態異常が、慢性胃炎から、胃癌になっていたから……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ