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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四話 その島があった事実をもう誰も知らない
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その英雄の誕生を彼は知りたくなかった

  レックス

 種族:ニンゲンE クラス:英雄

 装備:学生服、タウンソード、アームガード、レザーバトルアーマー、ポーション×3、毒消し草、約束の腕輪、ヒールスクロール

 スキル:

  スラッシュ:横一文字に切り裂く剣技。

  十字斬:十文字に切り裂く剣技。

  二連撃:二回連続で切り裂く剣技。

  薙ぎ払い:周囲に一閃を叩き込む剣技。スタン効果あり。

  至る誓いエア・ライヒェンの剣アイトゼーゲン:遥か昔の約束を果たすために精霊たちの力を借りた剣技。弱点属性自動付与効果あり。

  気合い溜め:気合いを入れて次回攻撃力を二倍にする。

  例え全てワンを敵にフォー回してもワン:ただ一人のために闘う決意をした英雄専用技。

  ラ・ギ

 常時スキル:

  肉体強化Lv8

  耐久強化Lv32

  剣術Lv9

  指揮Lv1

  全魔法耐性・微

  恐怖耐性・大

  痛撃耐性・大

  ど根性:HP25%以下で発動。被ダメージを50%軽減。

  種族スキル:

  精霊視

  精霊の友達:精霊と契約した者に付くスキル。精霊の助けが得られやすい。

  英雄の背中:背後に守る者がいた場合、不退転になる代わりに全能力に+補正。またくいしばりが連続発動する。

  英雄補正:絶体絶命の時、必ず戦友イベントが発生する。

  英雄の心得:英雄としての心構えを習得した証。クラスが英雄になる。


 うわっ。いつの間にレックスバグ化が進んだの!?

 図鑑見たら英雄とか凄いことになってるんだけど!?

 あれか、ファラム倒した時攻撃加えたメンバー全員に経験値入っちゃった感じですか?


「なんだ、貴様は?」


「レッ……クス?」


「安心してヲルディーナさん。君は、僕が守る」


 なんか凄く男らしくなってないですか? ねぇ、何があったの? 変なもん食べた?

 あれか、ネフティアの料理でも食べちゃったのかいレックス君。ねぇ?


「な、何してるのよ。わ、私は、私はあんたを騙したのよ。リフィが魔王なんて嘘、あんたの親切心を利用して、攫って来ようとして、なのにっ」


「……知ってたよ」


 力を入れて来たサハギンキングの銛がぐっとレックスに迫る。しかし、直ぐに剣で押し返し拮抗する。互いに敵を見据えたまま、レックスは小さく呟いた。


「……え?」


「知ってたさそのくらい。君がスキュラであることも、リフィさんが酷いことする訳がない事も、女性陣が本気で敵対する気もなかったことも! それでも、俺が君を守りたいと思ったんだ。君の万難、君の辛苦、その全てから守りたいと思った。だから、騙されるくらいそのていどで俺は君を見捨てたりしないっ」


「レックス……」


 ヲルディーナが涙を流す。彼女の感情は僕には分からないけど、なんとなく感動してる気がする。


「ヲルディーナさん。こいつはもう、君の知ってるお父さんじゃない。俺が、呪縛を解き放つ。だから、君の父さんを、殺す」


「ま、待って、お父さんはっ」


「本当に、コイツなのか、君の父さんは、君が慕っていた人は、こんなゲスな思考回路の魚人なのか!」


 サハギンキングの銛を剣で斬り払い、レックスが告げる。

 なに君、なんか普通に勇者っぽいんだけど。なんでそんな強い感じになれてるの?

 やっぱ初恋相手が目の前にいるからですか!? チクショウ、やっぱりリア充が強くなっていきやがるのかっ。言うんだろ。言っちまうんだろ。ただ愛のために。とか言っちゃうんだろ!


「私は……」


 涙目のヲルディーナはサハギンキングを見る。

 確かに、容姿は父だ。自分を大切に扱ってくれた。母と笑いあっていたはずの父だ。

 だけど、ああ、なぜだろう。こうしてしっかりと見てみれば。


「ちが……う」


 何かが違う。些細ではあるが、致命的な何かが違っている。


「お父さんじゃ、お父さんじゃないっ。違うっ」


 それは果たして本心からの言葉だったのか? だが、レックスはその言葉で動きだす。


「君の父さんはきっと、この誰か分からない何かに内から喰い殺されたんだ。君を救いたい。君は、何を望む?」


「父さんを……父さんをっ……楽にしてっ」


「心得たっ」


 力強く答えたレックスが踏み込む。

 驚くサハギンキングに、銀光が煌めいた。


至る誓いエア・ライヒェンの剣アイトゼーゲン!」


 レックスの剣が七色に光り輝く。

 幻想的な光が集まり、虹色の剣が振るわれた。

 とっさに銛で自身を庇うサハギンキング。しかし、その銛ごとレックスの一撃が切り裂いた。

 七色の光を放出しながらサハギンキングが絶叫を迸らせる。


 さらに振り切った剣をそのままに、くるりと身体を回転。背面を通して真一文字に追撃。

 レックスの二撃目がサハギンキングの胴を薙ぐ。

 英雄レックス、爆誕しました。ああ、また一人バグキャラが……

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