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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二話 その街の影の守り手を彼らは知らない
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その第三勢力を彼らは知らない

「なるほど、レックスは奴を助けたい。そういうことだな」


「はい。皆さん、巻き込む形で済みません。なんとか、お手伝い頂けませんか?」


 洞窟から出てきたレックスは、魚人との戦場となった結構平らな岩場で他のメンバーに改めてお願いしていた。

 そんな彼らを僕らは岩場の影に隠れて見つめてます。

 ふふ、なんだかストーカーしてる気がしてくるな。相手が男とかやってらんないけど。


「ふん。まぁ暇だったしな。少しは協力してやるのもやぶさかではない」


「フォッフォ」


「ふむ。まぁ我も面白そうだから手伝ってやろう。ただし、我が主様優先は揺るがんがな」


「まぁ、あとで女性陣にもお願いするつもりだし、アルセなら一緒に探してくれるかも」


 うん、まぁ確かに何も知らない状態ならアルセも面白がって探すかもね。

 レックス達が去っていく。

 アルセを使って手招きすると、ルグスとロリコーン侯爵だけがその場に居残った。

 レックス達が見えなくなるのを待って、僕らは岩場から顔を出す。


「ふむ。我が主よ。聞いていたなら話が早い。リフィという魔王を探しここに連れて来る協力を……主?」


 アルセを使って魔物図鑑を二人に見せる。


「なんと、既にヲルディーナと出会って、おおおっ!? これが魔王リフィ! ん? 供物姫?」


「どう言う事ですかな?」


 うわっ、ビックリした。ルグスの横から覗きこんできたロリコーン侯爵に驚く。いきなり話すなよ。紳士の時はふぉっふぉしか言ってなかったせいで喋られると違和感が。


「えーっと、じゃあ私から、さっき聞いた透め……アルセからのジェスチャーを説明するわ」


 ルグスとロリコーン紳士にアルセ、というか僕の考えを説明する。ついでにヲルディーナに付いてもレックスの知らない事実を教えておいた。

 といっても彼らは協力して貰う訳ではない。致命的な失態に繋がらないための保険。あるいはスパイ役である。


 さぁ、次はもう一つの勢力だ。バランスブレイカ―になってるから数人調停者を引き抜かないと。誰がいいかなぁ。とりあえずチームハロイアから一人は必要だろうし、リエラ……には今回向こうに付いたままにしといて貰おう。下手に真実知ると双方で板挟みになって胃が心配になりそうだし。

 強力な存在ってことで葛餅は確定だな。あとは……


「全く、流石は我が主、恐いお人だ」


 クックと笑いながら去っていくルグス。ロリコーン侯爵も何が面白いのかふぉっふぉと笑いながら帰って行く。

 僕は何があったの? とパルティを見たのだけど、彼女は普通にさっきの言葉伝えただけみたいです。

 ふむ。あの二人の中ではアルセがこのシナリオを描いたって思って感心したってことかな? まぁいいや。


「るーっ!」


 さぁ帰ろうか。そう思った時だった。

 突如ルクルが警戒を露わにする。

 カレーライスを取り出したことに気付き、パルティも剣を引き抜き周囲を窺った。

 

「るっ!」


 ルクルが指差す先は……真上!?

 見上げた空から何かが降ってくる。慌てて飛び退いた僕の直ぐ横に、ぼたっと鳥糞が落下して来た。

 ひぃぃっ!?


「あれは、マホウドリ!?」


 アホウドリみたいな顔をした生物が旋回している。

 さらに遠方からペリカンっぽいのとか、ウミネコっぽいのとか、あと……でっかい雉?

 鳥の群れが僕らに向って襲いかかって来た。

 

 敵の名前は……図鑑図鑑っと。マホウドリ、ペリルカーン、ウミネッコ、エアークラフトピーサンか。

 なんだよピーサンって。

 僕らを見付けた鳥の群れは、通り過ぎることなくなぜか攻撃態勢になる。


「なんなのいきなり!?」


「おーっ!?」


「るーっ!」


 羽ばたきを行い。突撃して来るペリルカーン。途中で錐揉み回転しながら空気を切り裂きルクルへ……

 当然迎撃とばかりにカレーライスが投擲される。

 無防備に突っ込むペリルカーン。どことなくどっかの大統領に似た顔をしてる気がしなくもないペリカンモドキは無防備にカレーライス塗れになりながら突っ込んで来る。

 とっさにルクルを引っ張る。一瞬遅れてペリルカーンが岩に激突した。


 あっぶな。今の避けなかったらルクル死んでたかも。結果はペリルカーンだけが死んじゃったけど。

 「みゃー」と鳴きながら次に突撃して来たのはウミネッコ。ウミネコの身体に蔦というか、アレ根っこか? が絡まった姿。樹木属性の魔物なのだろう。雄たけび上げながらアルセに向って来る。

 アルセに、だとぉ!?


 僕は即座にアルセの前に向うと、ポシェットから取り出す。

 桜吹雪? 刀で突撃して来る鳥をどうにかできるもんか。丁髷砲? 冗談じゃない。外したら終わりだ。

 どうせあいつがここに向って来るのは分かってるんだ。なら、攻撃手段は必要ない。アルセに敵対するバカな鳥には、これで充分だ!

 ネフティアの柩、召喚!

 次の瞬間、僕の目の前に出現した柩が強烈な衝撃を受け止めた。

 マホウドリ

  種族:魔鳥 クラス:マホウドリ

 ・魔法を使う鳥。海辺に多く、魚を主食にしているが、動物相手にも風魔法を使って襲いかかることがある。

 ドロップアイテム・鳥肉・羽毛・唐揚げ(魔力入り)


 ウミネッコ

  種族:魔鳥 クラス:ウミネッコ

 ・魔法を使う鳥。海辺に多く、魚を主食にしているが、動物相手にも攻撃してくることがある。足が根っこになっており、休む時は地面に根を降ろして水分補給しながら微動だにしなくなる。ある時期になるとトサカ部分に甘い木の実を実らせる。

 ドロップアイテム・鳥肉・羽毛・ウミネの実


 ペリルカーン

  種族:魔鳥 クラス:ペリルカーン

 ・魔法を使う鳥。海辺に多く、魚を主食にしているが、動物相手にも突撃して来ることがある。止まることを知らないのかよく地面に激突して死亡する。

 ドロップアイテム・鳥肉・羽毛・届かなかった手紙


 エアークラフトピーサン

種族:魔鳥 クラス:空母雉

スキル:なし

常時スキル:

 帰巣本能:指定した家に自力で帰りつく能力。どんな場所に飛ばされても必ず帰って来ます。

 飛行:空を飛べます。

種族スキル:

 母艦:体内に異空間があり、複数の異物を収納できる。

 決死部隊:HP25%以下になると体内に残っている軍隊カモメが決死部隊として出現。母艦を守りながら神風特攻を行いだす。

 ドロップアイテム・鳥肉・羽毛・きびだんご?

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