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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二部 第一話 それが偶然の一致だと彼らは知らない
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その五人目の存在を未だ知らない

「ミミック・ジュエリー?」


「はい。そのスライムのような生物です。新種ですよ新種!」


「ほう。このスライムは新種なのかね?」


「スライムじゃありません。スライムに擬態していますがこれは鉱物。いえ、宝石ですね」


 全員の目が点になった。

 何言ってんのこの受付嬢は? といった顔である。

 けど、多分彼女の使う能力のせいだろう。彼女には詳細なミミック・ジュエリーの能力が見えているらしい。


「えっと、宝石?」


「はい、どうやら冒険者避けのために意志を持った宝石が進化したらしいですね。自身を液状化させてスライムに擬態しているみたいです。鉱物なのでスライムのように捕食活動を必要とせず、緊急時には鉱物化して凶悪な打撃で敵を撃退すると説明がありますね。これは凄い発見ですよ。王国に報告すれば高値で取引されるようになる希少種です。魔物と区別するか宝石と区別するかで議論が分かれそうですが」


 熱く語ってるとこ悪いんだけど、皆付いていけてないよ。

 ギルドマスターまで困った顔で髭を指先で撫でている。

 って、あ、こらアルセ、何する気!?


 何を思ったか呆然としていたリエラから飛び降りたアルセはギルドマスターのソファによじ登ると、笑顔満面ギルドマスターの髭を掴んで軽く引っぱり出す。


「むぅ?」


 ギルドマスターが嫌そうに睨むと、にぱっと華が咲いたような笑顔を見せるアルセ。

 ギルドマスターの目じりが微妙に下がった気がする。

 そして、気付いたリエラたちが手を出そうとして嫌そうにしていないギルドマスターに気付き戸惑いながら出した手を引っ込めていた。


「えっとクーフさん? でいいんですか。(仮)と書かれてますけど」


「自分の名が思い出せん。今はクーフでいい」


「この方は種族ソクシンブツとなっています。マミィの亜種ですかね? アンデッド属性を持ってます。あとなんとかの呪い? これ、もしかしてクーフさんの実名が入るのかな? でも文字化けしてますね。……握力3000越え!? 人間の格闘王者でも1500が最高なのに……」


 なにやらぶつぶつと呟き始めた受付嬢。凄く気味が悪い。


「もしかして、クーフの詳細情報が見えているのか?」


「はい。そういう能力を持っておりますので」


「じゃあ、クーフがどこに存在していたか教えてくれないか?」


「え? どこに居たかと言われても……えっと……ミイラの出現地域は……結構沢山ありますね。主に古代遺跡になりますけど、この国だけでも100箇所以上近くにありますよ?」


「この森の中だとどうなる?」


「えっと……多分これかな。コーカサスの森北西部にあるセルヴァティア王国跡にある墳墓」


 なんか凄い名前出て来たな。コーカサスの森。オオカブトいるかな?

 その森って多分あのスマッシュクラッシャーがいる森だよね。そこに王国跡地があってその墳墓の中にクーフがいたと。

 遺跡探査かぁ……アルセが罠発動させまくる未来しか想像できない。そしてそれに「アルセェェェェェッ!?」と叫びながら落下して行くカインたちが脳裏に浮かんでしまうのは何故だろうね。


「そ、それでですね。もう、いいですよね。次、次です。このアルセイデスッ! なんですかこのアルセイデス。アルセイデスですよね?」


 いきなりテンションがさらに上がって気持ち悪い上に暑苦しくなった受付嬢がカイゼル髭を両手で持って引っ張って遊んでいるアルセを指差す。

 その間ギルドマスターが微動だにしないのだけど、大丈夫ですか? 相手は子供ですよ、切れちゃ、ダメですよ?


「言語理解に知能の芽生え、忠誠豚騎士の姫とかレアスキルばっかりなんですけど、超幸運とか私が欲しいくらいです!」


 言語、理解してくれてたのか。知能が芽生えているのは多分カインたちと行動を共にしていろいろと経験してるからだと思う。豚騎士の姫はまぁ、バズ・オークのせいだね。超幸運は多分ついこのまえ食べたラッキークローバーのせいだろう。となると、アンブロシアが知能の芽生えの方かな?


「しかも、スキル欄が凄いですよ。マーブルアイヴィだけじゃないんですねアルセイデス! 光合成! 笑顔の圧力! テイム! あげくに???の過保護な加護! どんなレアモンスターなんですか! よくテイム出来ましたね冒険者さん!」


 私にください。とばかりにネッテの両手を掴んでぶんぶんと握手する受付嬢。

 余りのテンションの高さに皆さんドン引きです。


「それにアルセイデスを過保護に加護してる名前の見えないと……はぅんっ」


 ちぇいさっ。とばかりに首筋に手刀を叩きこむ。

 よし、気絶した!

 どうやら彼女の口から僕のことが知らされるのは免れたらしい。

 なんとなく予想が出来てたんで直ぐ背後で待機していてよかった。


 皆だっていきなりもう一人いるとか言われても困惑するだろう。

 いつから付いて来たのか分からない透明人間。

 敵か味方かもわからないのだ。下手したらネッテの魔法やカインの剣で殺されかねないし。


 僕はリエラに近づきできるだけこのことを伝えようと努力した。

 物凄い苦労してなんとかニュアンス違いだが教えることはできた。

 その時にはなぜか受付嬢が僕に気付いて利用しようとしているという勘違いをしていたが、まぁ口止めはしてくれるだろう。リエラ大先生、後は任せた!

 ニコラウス

  クラス:○○○国ギルドマスター

 ・カイゼル髭のダンディな男性。

  子供には激甘。

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