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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二部 第一話 それが偶然の一致だと彼らは知らない
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そのドロップアイテムを誰も知らない

「うおおッ」


 カインの一撃がスマッシュクラッシャーを撃破した。

 かいんのばーか川(僕が命名)からの帰り道、やっぱり僕らは魔物に襲われていた。

 何度か襲撃があったのだけど、一番の難敵はやっぱりこいつ。


 ハンマー持ったカワウソが恐い。

 バズ・オークも彼らの臭いを覚えたらしく、近づいてくると目に見えて反応するようになった。

 合図としては銛を上に掲げてブフゥと鼻息を鳴らす。かな。


 今回もやってきたスマッシュクラッシャーにいち早く気付いた彼は先陣切って突撃し、逆に奇襲していた。

 そこからあぶりだされるように逃げて来たカワウソさんを、今カインがぶつ切りにしたところである。


 向こうも必死なのだろうけど、僕らも彼ら相手に気を抜けないので全力攻撃だ。

 そんな皆を見ながらアルセは頭上のミカン……じゃなくてスライムモドキと一緒に廻りながら踊っている。

 暇そうにしてたから木の枝持たせたら回りだし、そのままずっと未だに回っている。


 楽しそうだからいいんだけどね。

 でも、そろそろだよね。森が終わるの。

 そしたら、そこにあるのは狼モドキの居る平原である。


「ブヒァッ!」


 戦闘終了と一息ついたカインたちだったが、バズ・オークの危機感の募った声で弾かれるように再び戦闘態勢を取る。

 ただの警戒といった感じじゃない。

 バズ・オークの警戒感が異常だった。

 まるで、予測不能の敵が近づいている様な、最大級の危機感を醸し出している。


 叢が揺れる。

 そして出現したのは……蛇だ。

 そいつは人間など一飲みにしてしまいそうな程に巨大な蛇。

 いや、ツチノコ? 胴体部が物凄く膨らんでいて不格好だ。


「しめた。コイツ何か飲み込んでやがる!」


「なら吐き出される前に一気に倒しましょ!」


 ネッテが魔法詠唱を開始し、カインとバズ・オークが疾走する。

 リエラは魔弾を換装して先制の一撃。

 コ・ルラリカの弾丸を蛇の目玉に命中させた。

 予想以上のファインプレー。狙った訳ではなくマグレ当りなんだけど、思わず拍手しておいた。


 蛇が耳障りな音をだす。

 尻尾を振う凶悪な一撃。

 カインが避け、その隙にバズ・オークが残った目玉を銛で一刺し。


「コ・ルラリカ」


 狂ったように暴れまわる蛇に、ネッテの魔法が襲いかかった。

 変温動物の蛇は氷の魔法にさらされ一気に体力を消耗して行く。

 凍りついた蛇に、カインの渾身の一撃。

 粉々に砕ける蛇、そしてその体内から吐き出されるように出現したツタンカーメ……じゃなかった。謎の黄金の棺。棺……だよね?


 それはエジプトなどでよく見る死者が入っている棺だった。

 ただ、蛇が普通に咥えこんでいるような物体でない事だけは確かだ。

 一応、ドロップアイテムになるのだろうけど……用途不明?


「なんだこりゃ?」


「おそらくだけど、あの蛇が餌だと思って食べたけど黄金製か何かだったから消化されずにずっとあのままだったんでしょ?」


 なるほど。どっかの遺跡に元々いた蛇が棺を人間と間違えて捕食、消化できずに体内に棺を納めたままどうする事も出来ずに僕らの前に現れたのだ。

 というか、なんとか取り出そうと必死にいろんな場所に出向いていたのかもしれない。


 なんにせよそのせいで自慢の機動力もなくなり、餌も取れず弱りだしたところでカイン達にであってしまったようだ。

 お気の毒さまである。


「しかし、どうする? コレ、持って平原通るなんて出来ると思うか?」


「無理ね。ここに捨て置くか、中身を開いて金品かどうか確かめるか」


「多少危険だが、開けよう」


「そ、即身仏とかでてこないですか?」


 恐れるリエラと呪文詠唱を始めるネッテ。

 二人が落ちつくのを待って。カインはゆっくりと棺を開く。

 バズ・オークはカインの援護だ。

 もしもを考え咄嗟に判断しなければ危険なのが宝箱。

 同じ箱である以上、どんな罠が眠っていても不思議はない。


 まして内部に入っているのは、多分アレだろうし。

 カインが慎重に上蓋を開いて行く……

 その刹那、アルセは急に近づいて行き、カインの背中に体当たり。

 はずみで勢い良く扉を開いてしまったカイン。


「のわあああああああああああああああああああああああっ」


 その内部にあった包帯すら巻かれていないミイラとご対面である。

 しかもアルセに押されてダイブインである。

 カインの身体が思い切りミイラの胸板を膝蹴りで叩き折っていた。


「って、ぎゃああああああああああああああああああああああああ!?」


 あー、やっちゃった。

 折角手に入れた即身仏なのだが、さっそく叩き壊していた。

 まぁ、仕方ないけどやっちゃったものはやっちゃったんだしもう……


「お。オノレ人間メ……」


 ミイラさんが喋った!?

 このドロップアイテム。物凄く優秀なのだろうか?

 全くの謎である。

 というか、既に半死半生でございます。カインにトドメ刺されたんじゃ……?

 ル―インイーター

  種族:蛇 クラス:ル―インイーター

 ・古代遺跡に生息する巨大蛇。主食は主に人や他の魔物だが、獲物が無くなったせいで人に似た柩を食べてみたらしい。

  結果消化できずに困り果てた彼は外に出て来て柩を吐きだそうと奮闘を始めたようだ。

 ドロップアイテム・古代人の柩

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