表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四話 その二人が結婚することを僕は知りたくもなかった
553/1818

その王子がバグったことを皆は知らない

 ランスロット=ドゥア=コイントス

 種族:ニンゲンδ クラス:カイントスル王国第三玉子・童貞魔術師

  カイントスル王国第三玉子:Kごt£〒(TЗT)/~~~ァR瀬

  童貞魔術師:30歳を越えてなお童貞を貫いた男が目覚める職業。童貞魔法が使える。

 装備:王族服、愛しのポエム

 スキル:

  スラッシュ

  ビンビンワールド:自身を中心に半径500メートルの男性を欲情させるスキル。

  神域視界プロビデンス・ビューLv15:任意の場所を俯瞰するスキル。自分からLv×1キロ四方。を上空から見渡せる能力。

  ち○こ大爆発:対リア充男性最終兵器。使用するとリア充男子のち○こが大爆発して不能となる。ただし、自分がリア充化していた場合、爆破対象は自分になる。

 常時スキル:

  宝石涙:流した涙が宝石に変化する。宝石の種類によりMPを消費する。

  一目惚れ:このスキルが発動後、初めに見た相手に惚れる。再使用不能になるスキル。

  一途の愛情:一度愛した相手を徹底的に愛し抜くストーカースキル。

  超々生命:生命力が大幅増加する。HPに100000000の+補正

  被虐体質Lv99:ダメージを受ければ受ける程快楽へと変わる。

  七大敗・剛鰻:。・゜・(ノД`)・゜・。が( ー`дー´)キリッになる好きRu。

 種族スキル:

  愛妻家:このスキルを持っている男性は浮気をしにくくなる。

  自分解放:衣服を脱ぎ去りありのままの姿を相手に見せる。

  しのぶでござる:攻撃を受ければ受ける程攻撃力に+補正。

  被虐の心得:ダメージに痛みを伴わなくなる。


 アウト――――っ!!?

 いろんな意味でアウトです。

 ちょっとこれバグとかそんな状態じゃない。


 悪意を感じます。特に大爆発とか。被虐体質とか。

 神様アンタのせいか。バグったから? いやいや、僕のせいじゃない。こんな意味不明なステータスとか僕のせいじゃないよっ。

 幾つか剣術スキル覚えてたはずなのにスラッシュしか残ってないし。


 このステータスだけ見たらランスロットさんただのド変態じゃないですか!?

 そんなランスロットは嫌がるマリナに縋りつきもっと。もっとぉ~と気持ち悪い声を出してます。

 怖気走ってるマリナがランスロット王子を足蹴にして引き離そうとしているんだけど……誰も止められません。


 兵士たちもマリナを拘束しようとしたけど駆け出す直前で足を止めて呆然と見つめている。

 何しろ被害者である王子様がむしろ喜んでいるのだから正直どうしたらいいのかわからんわな。

 王様に視線を送った兵士長らしき人がどうします? と目で訴える。

 呆然としている王様に代わり、第一王子が首を横に振った。

 放っておきなさい。そんなニュアンスの込められた彼の動きで、兵士達が引っ込んで行く。


「えー、その。ランス、取り込み中のようだけどちょっといいかな?」


「あっ。そこもっと蹴って……って、あ、はい。兄上。なんでしょう?」


「そろそろルルリカさんの断罪を再開してもいいかな? 次はどんな断罪内容をするんだい?」


「あ、そんな女もうどうでもいいです。有罪でも無罪でも好きにしてください」


 いきなり爆弾発言。どうでもいいと言いつつ完全放置したランスロットはマリナ攻略を再開。

 マリナの下半身に抱き付き結婚してくれとか、君が好きだとか歯の浮く台詞を言い始める。

 マリナさん逃げてぇ~っ。


「あーその。宰相? ルルリカさんにまだ何かありますか?」


「い、いえ、最初に罪を告発した王子がもう気にしてないというのならば私からは……」


 ああ、うん。アレか。これもルルリカの悪運発動って奴か。

 折角出てきてルルリカを追い詰めランスロットの好感度をあげようとしていたテーテさんは両手で頭を抱えてあり得ないを連発していらっしゃいます。あの顔ヤバい。名前書いた人物殺害するノート手に入れて警察に追い詰められたような顔になっとる。

 うん、まぁ、壊れないよう頑張って自我を保って下され。


「そうですか。では……」


 コホンと咳をして、アンサー王子が周囲を見回す。


「他に意見はありませんか? なければこれより判決を言い渡します」


 一瞬の静寂。ランス王子の楽しげな声とマリナの打撃音だけが響き渡る。


「ランスの告げた王族侮辱罪は本人の取り下げにより無効と判断し、ルルリカ・テルテルボールを無罪とする。よって以降この罪により彼女の罪科を問う事は金輪際不可能である事をここに、我がアンサー=ドゥア=コイントスの名において宣言する。もう一度言おう。ルルリカ・テルテルボール。無罪!」


 刹那、割れんばかりの拍手と盛大な勝利の雄たけび。

 自分の事ではないはずなのに傍聴席が勝利に沸いた。

 いや、本当に、君たちが何かしたわけでもないし、ルルリカの罪状が無効になっただけだからね?


「お~?」


 なんか皆が楽しげに泣いたり抱き合ったりしているのを見てアルセも楽しそうです。

 皆楽しそうだねと僕に微笑み浮かべ、僕から飛び降りるとルルリカの前に文字通り躍り出て踊りを始める。

 勝利の舞い。とでも言うべきか、それに気付いた傍聴者たちが我先にと飛びだし、兵士が留める間もなく会場で踊りだす。

 なんぞこれ?


 一部の男女はルルリカを囲んで胴上げ。

 いや、おかしいから。

 ついでにネッテにも何人かが囲いに向い、胴上げ。

 マジで何してんの皆さん。


 笑顔で泣きながら万歳を告げる傍聴者たちはアカネまでも胴上げしながら勝利に酔う。

 王様はもはや完全に魂が抜けてます。

 起こったことが意味不明過ぎて座ったまま気絶してるんですかね?


 って、そこの二人の王子。なんかよくわからんけど無罪勝ち取れたし皆楽しそうだからこれでいいか? みたいに苦笑しながら頷き合わないで。これ、どう収拾つけるの!?


「るー」


 そして僕に差し出されるカレーライス。

 ……うん。まぁ、いっか。ルクルさん一緒にカレーでも食べとこうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ