表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二話 その武闘大会の優勝者を僕は知りたくなかった
486/1818

その怒れる勇者の怒りを鎮める方法を、彼女は知らない

「それでは第二回戦最終戦、マキエ・オオイデ VS チグサ・オギシマ!」


 二人の女性が壇上へと向って歩き出す。

 ウサミミお姉さんの演説による選手説明が聞こえる中、知り合い同士? の闘いが始まろうとしていた。

 というか、勇者パーティーの人、異世界人だよね。チグサも、異世界人だよね? となると、この試合異世界人同士の闘いになるのか。うわ、そう考えるとこの大会異世界人結構いるよね。確かあのアキオとか、多分ミルクティさんもだろ。意外に異世界から来た人って多いんだろうか?


 大井手さんの得意は重力魔法とか言ってたな。となると遠距離はチグサは不利か。

 一足飛びで飛び入る剣道術の使い手だし。接近戦まで持ち込めばチグサの勝利かもしれないな。

 どうなるかは分からないけど、今の距離なら大井手さん有利だ。

 問題は、あの七大罪・憤怒のスキルがどう及ぼすか。それが問題だ。


「開始ッ!!」


 ウサミミお姉さんの合図で即座に突撃するチグサ。

 もはやその顔は殺人者もかくやという程の凶悪な面構え。多分本人気付いてないけど怒りが溜まっているような気がします。

 チグサを見るほどにリエラとパルティの顔が青ざめているのは気のせいだと思いたい。

 パルティは完全に他人なのに、リエラを心配してるんだね。友人の鑑です。


「キェアアアアアアアッ!!」


 貫胴。大井手に胴の一撃を叩き込む瞬間だった。


「グラビトンバスター」


 音は無く地味な一撃だ。

 しかし、喰らう側にとっては予想以上に最悪な一撃。

 チグサが突然前につんのめるように倒れ込む。

 無様に何も無い場所でこけたチグサに観客からざわめきが起こった。


 それが自分をバカにされたようで、チグサの怒りがさらに猛る。

 しかし、動けない。

 まるで自分の背中に巨大な岩でも乗っかったように、身体を動かせない。

 必死に力を入れるが、ダメだ。


「こ、これはどうしたことでしょう!? チグサ選手、突然こけたと思ったらそのまま地面に寝そべったままだぁ! 休んでいるのでしょうか? しかしその表情は何かを必死に耐えているような……あ、資料来ました。どうやら大井手選手の魔法、グラビトンバスターによる重力圧を受けているようです!」


 大会関係者に持ってきてもらった羊皮紙に視線を走らせたウサミミお姉さんが叫ぶ。

 地味ではあるが魔法が使われているのだと言われれば、観客達もわざめきを沈めていく。

 しかし、地味だ。

 会場で立ちすくむ魔法少女とその目の前で寝そべる剣道小町。


「す、すいません。でも、私勝ちあがらないといけませんから。そのすいません」


「ふざ……けるなぁぁぁぁぁッ!!」


 バンッと何かが弾け飛んだ。

 身を起こしたチグサが剣を振るう。

 しかし、凶悪な壁に阻まれるように大井手には届かない。


「ぬあぁぁぁぁぁぁっ!!」


 憤怒のような形相で力むチグサ。大井手の防壁が軋みを上げる。


「あ、あうぅ。ま、まさかグラビティ・テリトリーが破られるんですかっ!? だ、ダムド!」


 防壁破壊に力を入れるチグサに重力弾を撃ち放つ。

 直撃したチグサの頭がぐわんと揺れるが、本人は気にした風もなく防壁を打ち砕いて行く。

 歯を食いしばり、口から血を滲ませさらに力を込めるチグサ。

 大井手の防壁が音を立てて崩れ去った。

 支えを失ったチグサが剣に振り回されてたたらを踏む。


「ダムドラッ!」


 バックステップと同時に重力弾。

 先程より重い一撃を正面に喰らいつつも、チグサは一心不乱に直進する。


「ぐ、グラビティバインド!」


 再び重力の枷。

 チグサの動きが一瞬止まるが、今度も気合いで跳ね退ける。

 すげぇ、多分アレが憤怒の力って奴だな。相手の拘束系魔法とかを跳ねのけて怒りで相手の防御結界などを力任せに破り去るチート能力。


 多分理性のリミッターは外れているのだろう。先程から叫び声が獣の唸りみたいに鳴り始めている。

 まるで野獣のように大井手に襲いかかるチグサ。

 もはや四足で駆けまわり口に刀を噛みこんで相手に振るおうとしてくる。


 これはたまらじとばかりに箒に乗って空へと舞い上がる魔法少女。

 今の、その箒どっから出したの? まさか、ポシェット使いか!?


「グラビトンバスター」


 四足になったチグサを拘束する重力。しかし、彼女は気力と怒りでこれを打ち砕く。

 もはやリエラへの怒りが彼女を人外枠へと押し出した気がしないでもないですが……

 戻って来れるのかなチグサさん。


 唸りと共に飛び上がるチグサ。

 空高くに陣取る大井手向けて迫りくる。

 しかし、これでは格好の的。

 真上から見下ろす形の大井手には分が悪い。


「ダムドライア!」


 強力な重力弾を惜しげも無く打ち込む大井手。

 空中を蹴って軌道を変えるチグサ。

 ちょぉっ!?


「だ、ダムド連打ァっ!!」


 慌てて大井手がダムドという重力弾を連続で作り放ちだす。

 さすがにこれは避け切れなかったらしいチグサ、怒れる表情のまま成す術も無く撃墜される。

 相性が悪かった。

 墜落したチグサはなんとか身体を入れ替え、再突撃をしようと天を見上げるが、落下場所が悪かった。


「チグサ選手、場外! 勝者マキエ・オオイデ!」


 はっと我に返ったチグサが周囲を見る。

 すぐ目の前に石畳の段差があった。

 後少しずれていればよかったのに、彼女が着地した場所は場外だったのだ。


 思わず石畳を蹴りつける。

 思いの丈をぶつけるような一撃で、石畳が粉砕されたのは気のせいだと思いたい。

 ベストエイト出そろいました。

 クイズ、優勝者はだ~れだ?


 第五問、優勝者はだ~れだ?

 正解者の中から抽選で10名の方に等身大アルセフィギュアが当り……ません!

 正解による報償などは一切ございませんので良ければ暇つぶしにどうぞ。


 トーナメントメンバー


 アルセ VS 聖龍華


 カイン VS デヌ


 ランスロット VS ドラッツァ


 コーデリア VS 大井手真希巴

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ