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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第六部 第一話 その武闘大会の予選を勝ち上がったアイツを僕は知らない
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その別れるチームを僕は知りたくなかった

 その日、アメリス邸の食堂に、一同が会していた。

 主催であるアメリスが上座に座り、彼女の左の席にカイン、ネッテ、ルルリカ、アカネ、ネフティア、のじゃ姫。

 右席にリエラ、僕。というかアルセ、ルクル、マリナ、にっくん、ルグス。

 リエラの頭上には葛餅、ルクルの膝元には丸まったレーニャがいる。あとのじゃ姫の直ぐ横で空気椅子に座っているガルーが一匹。

 そしてゲスト参加としてレックス、パルティ、チグサ、ケトルの四人も参加していた。


「さて、んじゃぁ、皆に報告させて貰う。俺とネッテはルルリカに来た召喚状の確認を兼ねてこれからコイントスに向おうと思う。学生である以上リエラたちは残って授業を受けといてくれ、いつ帰れるか分からないがこちらに帰ってくる予定だ」


「おー?」


「どうしたアルセ? ああ、なんでコイントスに行くかってか?」


「ルルリカに王族侮辱罪と王族魅了の疑いが掛かっているのよ。多分ランス王子が自分の罪を逃れるためにルルリカに全ての罪を擦り付けたかったのね。ルルリカについては自業自得な感じはするけど……」


 と、直ぐ横でネッテの腕に絡みつく変態を見る。

 ネッテは嫌そうにしながらも溜息を吐いていた。


「さすがに、慕ってきている相手が死刑にされると聞かされると……ねぇ」


「俺達としては気が進まないが、ルルリカが死罪になるのはちょっと、なぁ。放っておくと向こうから暗殺者とか送り込まれそうだし。さっさと向って誤解を解くか、徹底的に向こうの落ち度を指摘して有利な交渉で手打ちにするか」


 出来れば行きたくはないだろう二人の気持ちは押し隠し、ルルリカという知り合いを助けることにしたらしい。

 だから二人はこれからコルッカからコイントスへと向うのだそうだ。


「おー!!」


「さっきからアルセは何を……」


「あの、もしかして付いて行くとか言ってるんじゃ?」


「え? 俺達にか? いやいや、アルセはコルッカで学生してるんだろ?」


「うーっ」


 ぷくっと頬を膨らませるアルセ。漏れた言葉は初めて聞いた。『おー』以外にも声が出せるんだねアルセ! さすがアルセ、優秀だね。ぷんすか怒ってるアルセも可愛いよっ。

 膨れるアルセに、顔を見合わせるカインとネッテ。


「あの、それでしたら冒険欠席届けをだしてみては?」


 そこに解決案をだしたのは、パルティだった。


「冒険欠席届?」


 聞き返したのはカイン。ネッテは顎に手をやってそういえばそんなのもあったかな。と、うろ覚えの知識を記憶の端から引っ張り始める。


「はい。冒険者学校生には特に三年生とか、時代劇の逆塔に潜ったりするときに長期で学校を休んだりするので、その間は学費を収め無くてもいいように、学校公認で欠席しているという許可を貰うんです。冒険しますから帰ってくるまでは学生のままで留めておいてくださいっていう届け出ですね。一年生で行うのは珍しいですが決して今まで無かった訳じゃないです」


「なるほど。欠席届を出せば……でもアルセ、折角できた友達と別れることになるぞ、下手したら次の年の新入生と合同になるかも?」


「おー?」


 よくわからないけどコイントス行きたい。

 そんな顔で首を傾げるアルセ。

 可愛い。アルセ可愛いよ。何その上目遣い。カインには勿体無いっ。

 心のシャッターも絶好調ですよ!


「アルセが行くのか……じゃあ私も行ってみたいです」


「リエラも? でも、学校は……」


「アルセと一緒だし、一人ぼっちになったりはしません。アメリスさんが折角誘ってくださった訳ですけどその……」


「構いませんわ。やりたいことがあるならばやって下さいな。冒険者とは本来そういうものです。ただ、帰って来た時、私がリエラを越えていても、知りませんことよ」


 親愛の表情でクスクスと笑うアメリス。ホント、なんでアメリスはリエラを気に入ってるんだろう?

 彼女に抱きしめられているにっちゃんはむぎゅっと膨らんでいてなんだか破裂しそうな感じだ。

 もうちょっと拘束ゆるめてあげてはいかがでしょうか?


「んじゃ、コイントスに行く奴、手を上げてくれ」


 一応確認しようとカインが手を上げる。

 ネッテとルルリカはもちろん、アルセとリエラ、当然僕もアルセが行く場所に付いて行く予定です。リエラもそれに気付いたから一緒に来るつもりなんだろう。

 僕が頼られてるのか、それとも危なっかしいから心配されてるんだろうか? 苦労性だから心配してくれてるのかもね。


「私も行くわ。アルセと一緒に居た方が何かと面白いし」


 アルセの反応を見てアカネと、ついでにルクルが手を上げる。

 ソレに気付いたマリナも私もっとばかりに手を上げていた。

 アカネの奴は僕が一緒に行くと知ってるからだね。彼女が正常に戻るためにも僕と離れるのは得策じゃないらしいし。


「あ、その、よろしければ私もご一緒しても?」


 おずおず手を上げたのはパルティだった。

 本来関係のない学生としての友人。といった関係なのに、彼女は付いて来たいらしい。

 どうしてだろうね? えへ、えへへ。なんか照れるなぁ……え? 違う? 僕のためじゃないの?


「あの、それでしたら、私もご一緒してよろしいですか?」


 チグサが何故か手を上げる。その視線はなぜかリエラを見つめていた。 


「チグサ?」


「すみません姫様。護衛は他の者に、やりたいことが出来ましたので……」


「構わない。私も一緒」


 なんかチグサが感動してるけど、二人まで一緒して来るつもりのようだ。

 結構大人数になるね。ルグスも当然付いて来るんだろうし……

 でも、ネフティアやのじゃ姫が付いてこないのは驚きだね。

 ……あれ? 実はこれ、もしかしてメリエさんのパーティークラッシャーがまだ尾を引いてます?

 気付いたら、またチームが割れてる気がします。

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