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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
間幕 その王国やエルフの村で起こったことを僕は知らない
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AE(アナザーエピソード)その変態紳士の物語を僕は知らない5

 舞台が終わった。

 人生観を一変させる程の不思議な体験だった。

 今まで感じたことのない、否、幼女に抱き付く一瞬前によく感じる達成感をさらに強化したような感情が、彼を包み込んでいた。


 熱気に包まれた彼の身体からは水蒸気が立ち上り、汗に濡れた裸体は煌めいて見えた。

 手にはポスターを持っているが、出来るならばこんなモノよりも光る棒、あるいはウチワでも持っていたかった気分である。


 隣を見れば、同じように水蒸気を立ち上らせる男がいる。

 ロリコーン紳士もヘイオを振り向く。その顔は満ち足りた表情をしていた。

 互いに一人の女を応援する二人の男。

 彼らに憎悪は既にない。むしろ一体感を得た今、彼らにはある種の友情すら芽生えていた。


 そう、今までヘイオは間違っていることに気付かされたのだ。

 幼女は襲うモノではない。

 確かに、抱きつけば心地よいし、キスしたい気持ちだって今も高い。

 だが、幼女には触れるべきじゃない。そう、自分のようなモノが触れるべきではないのだ。


 なぜならば、目の前で踊っていたパティアのように、あまりにも可憐で神々しく天使の微笑みを振りまけるのだから。

 この素敵な笑顔を台無しにすることなど、ヘイオには出来ない。そしてしたくないと思ってしまった。


 そう、僕は襲わない。もう、幼女に抱き付いたり吸いついたりしようとはしない。パティアたん、君に誓おう。僕は二度と、そんな事はしないと!!

 ヘイオがそう思った次の瞬間だった。ヘイオの身体が光に包まれ、その衣装ががらりと変化する。


 裸一貫だった彼の身体にはパティアLoveのロゴが入った鉢巻が巻かれ、ピンクの法被のようなモノを着込み、秘所は赤き褌により隠されていた。

 手にはメガホンとウチワ。腰元にはベルトが存在し、そこにサイリウムが所狭しと刺さっている。


「これは!?」


「あのネームドモンスター、また進化したのかよ!?」


 ユイアとバルスの驚きの声にロリコーン紳士も警戒するように眉を顰める。

 しかし、直ぐに警戒を解いた。

 いつまでたっても攻撃の意思を見せないヘイオに危険はないと判断したらしい。


「パティアたーんっ!!」


「ひぃっ!? な、ななな、喋った!?」


「あ、違いますパティアさん。おそらくこれが彼の鳴き声になったのでしょう」


「え? ええええええええええええええええええっ!?」


神は我が手にロリコーン・奇跡を賜るフェスティバル。このスキルは稀にロリコーン系魔物を固定魔物に強制進化させてしまうスキルでして。進化先の魔物はオッカケ。特定の幼女だけのために存在する魔物で、その幼女が舞台に居た場合変化する確率が高いですね」


「ふぉ!!?」


 そんな恐ろしいスキルが!? とロリコーン紳士が驚いた顔をしているが、神父は当然とばかりに頷く。


「これがロリコーン神様の奇跡ですよ。オッカケはかなり強いです。幼女に対して手を出さなくなる半面、特定の幼女に仇名す相手には容赦ない攻撃を行います。後、幼女に対してのみ支援スキルが豊富ですね」


「えっと、つまり……こいつがこれ以降、幼い子に悪さすることはない。ってこと?」


「はい。ただ、パティアさんのオッカケになりましたので昼夜を問わずどこからともなく見張られますが」


「えええ!? それは嫌ぁ!?」


「問題はありません。幼女の観測者スキルを持っているので離れた場所にいますので、まず日常生活を邪魔する事は無いでしょう。逆に危機を迎えればあなたを助けに駆け付けてくれましょう。彼の強さは良く知っているでしょう?」


「そ、それはそうだけど……」


「抱き付かれて体中にキスされた相手に付き纏われるっていうのは、ちょっと同情ね。好きでも無い人だし」


「せっかくだからコキ使えばどうだ?」


「コキ使う?」


 バルスの言葉にちょっと興味深げに反応するパティア。

 バルスは得意げになってどういう事をしたらいいのか告げて行く。

 成る程、日常生活の面倒な部分をこのロリコーンにやらせれば、確かにパティアは楽が出来る。

 この容姿の生物が近くに居ることにさえ目を瞑れば、生活は格段に上昇するだろう。


「うぅ、納得できないけど、ちょっとだけ頑張ってみます」


「ああ、そうしてみるといいよ」


「無理そうなら私に言って下さい。少し時間はかかりますが啓蒙なる神の信徒へと変えてさしあげましょう」


 神父の言葉でようやく納得したようで、しぶしぶながらオッカケと化したヘイオにオッカケされることを了承するパティア。

 一応丸く収まったのか? とロリコーン紳士も肩の荷を降ろす。

 そしてふと、自分が未だに服を着ていなかったことを思い出した。

 これは失敬。紳士として身だしなみには気をつけねば。

 脱ぎ去った衣類を探し、いそいそと着替えるのだった。


 ちなみに、神父さんは街の直前まで服脱いだままでした。

 ヘイオ・ロリコーン

  種族:偽人 クラス:オッカケ

  装備:桃色ハッピ、メガホン、パティアたんウチワ、パティアのぱんつ×8、サイリウム×10、パティアたんブロマイド、パティアコンサートチケット

  種族スキル:パティア確認:自分の生息域に侵入したパティアのみを認識します。

   オッカケの矜持:どこでもいつでもパティアを応援しています。

   突進:パティアの魅力に暴走突撃。握手やサインをねだります。

   至高の興奮:パティアに至るまでに存在する艱難苦難が高い程全ステータスを継続上昇。

   パティアたん装着:パティアのパンツを被ることで全ステータス爆発上昇。

   パティアたんが見ているんだな!:パティアが見ている前では死ねません。くいしばり効果連続発動。ただし発動するごとに発動確率が下がる。

   自分解放:衣服を脱ぎ去りありのままの姿を相手に見せる。

   鷹の眼:眼を鋭くして観察することで遠くのパティアも見逃しません。

   幼女パティアの観測者:パティアの危機を察知すると全能力継続上昇。

   パティアたんラブ:パティアの神聖さを相手に説き、相手をパティアのオッカケに洗脳します。

 ドロップアイテム・パティアたん人形、サイリウム、桃色ハッピ、メガホン、パティアたんウチワ、モエモエキュン、パティアのぱんつ×8、パティアたんブロマイド、パティアコンサートチケット

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