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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四話 そのバグの怒りが齎した結果を彼らは知りたくなかった
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そのスキルの威力を彼女は知る気はなかった

「……ん……」


 リエラの眉がピクリと歪む。

 ソレに気付いた影兵のおっさんはそろそろか。と呟き立ち上がる。


「んじゃ、俺は任務に戻るわ。人の居ないところじゃねぇとお前さんとはなかなか話せないしな。まぁ、会話はできねぇんだが、話聞いてくれてありがとよ」


 まぁ、こっちも返事出来なかったからずっと話を聞かされざるをえなかったよね。

 楽しかったから問題はないけどさ。

 おっさんが天井へと飛び上がる。

 天井には何も無いはずなんだけど、一瞬視界から消えた途端、姿が見えなくなっていた。

 凄いな。ああやって死角に潜むのか。


「……あれ? 私……」


 ようやくリエラが起き上がる。

 彼女には回復魔弾と状態異常回復を打ち込んでおいたので復活は直ぐだった。

 周囲を見回し、積み上げられた遺体に気付く。


「え? これ……もしかして透明人間さんが!?」


 ある意味合ってるね。あの人も透明人間みたいなものだろうし。

 それよりも。

 僕は彼女の疑問に答えることなく彼女の手を取るとスキルストーンを置いてやる。


「え? なんですかこれ? えっと使用すればいいんで……きゃ!?」


 あ、カイン達に使用方法聞く前に使いやがった!?

 一瞬光輝いたスキルストーンはボロボロと崩れさり、砂粒へと変化してしまった。

 まぁ、結局リエラが使う事に代わりはないから問題はないんだけどさ。


「これ……新しいスキルが……双牙斬? 凄い。これなら硬い敵が相手でも勝てるかも!?」


 モンスターハウスを出た僕らは次の敵で新スキルを試すべく再び行軍を開始した。

 そして現れたのが、ツンデレブラック、オレがレッドの二種類である。

 ふんっと鼻を鳴らすブラックと、どっかの猿みたいに自分を差して、見るがいい、俺がレッドだ。とでも言いたそうなレッドがいた。


 レインボーセブンのメインメンバー、かな?

 突撃して来たレッドに、さっそく双牙斬を発動。腕で受けた俺がレッドだったが、急にがはっと叫んで息絶えた。

 振るった剣は止めたがその前方を穿つ一撃を受けられなかったらしく、心臓を潰されたらしいい。


 驚いたブラックが渾身の蹴り。

 ソレに気付いたリエラはバックステップしてスキルを発動。


「す、ステータスブースト!」


 リエラの能力ではそこまでステータスを増加させることは出来ない。

 まだ中途半端なせいでもある。


「幻影斬華!」


 決して幻影とは言い難い。なんか止まったり動いたりしているリエラをみながらダメージを与えられるはずのブラックを見る。

 おお、微妙に効いてるぞ。いや、アレはあまりの技術の稚拙さに戸惑っているのか?


 困った様子のブラックは、動いたり止まったり足をもつれさせたりしているリエラを確認しつつ、倒しちゃっていいのかしら? といった顔を周囲に向けていた。

 当然、囮のはずもなく恐る恐るブラックが蹴りを放つと、リエラのドテッ腹にまともに入った。


「ほぐっ」とか初めて聞いたよ。凄い驚いた顔してたけど、今のはリエラの失態だ。

 壁に激突して呻く。

 倒れた床でのたうちまわっていたので、追撃されないようにツンデレブラックを後ろから羽交い絞め。

 決して胸が触りたかっただけではありません。


 あ、ちなみにこのツンデレブラック。女性みたいで……ひぃっ!?

 殺気を感じたので咄嗟に身をすくめる。

 僕の頭上をカレーライスが通過していった。


 ……え? まさか、ここまで追って来たの!?

 ふと気付けば、通路の角から覗く瞳が一対。

 奴です。おまわりさん、こっちです。


 何とか立ち上がったリエラが双牙斬を使って一撃でカタを付ける。

 その技本当に便利だね。影兵さんに感謝しないと。

 しかし、本当にストーカーだな。まさか付いて来てるとは。

 これは、下手なこと出来ないぞ。やりすぎたらカレーライスが飛んで来るみたいだし。




「ようやく、ボス部屋ですね」 


 正直ここまで来れたのは影兵さんのフォローが強い。

 モンスターハウスでは言わずもがなだし、あのスキルが使いがって良すぎる。

 今のところあの技にトドメ全部持ってかれてるぞ。

 これでリエラのレベルアップに繋がるのかどうか。


 扉を開き、第十層のボスへと立ち向う。

 煙が噴き出し現れたのは……今まで闘った七人の戦士たち。

 レッドを先頭にしてポージングする七人。


 オレがレッド、ツンデレブラック、クールブルー、うっちゃりイエロー、おいろけピンク、助っ人シルバー、マイナーグリーン。

 ここのボスは想像しやすい。そう、迷宮戦隊レインボーセブン。彼らを倒す事が迷宮攻略になるのである。

 七人全員現存で一定時間経過すると必殺技を使って来るというカインの言葉から、速攻で誰か一人は片付ける必要があるらしい。

 誰が良いかといえば。やはり一番雑魚のマイナーグリーンか。

 勝とうね、リエラ!

 ツンデレブラック

  種族:偽人 クラス:迷宮戦隊

 ・迷宮戦隊のツンデレ担当。たぶんレッドに惚れてるはず。

  攻撃にモーションを付けるのでどの攻撃を行うかが事前に分かりやすい。モーション速度は速い。

 ドロップアイテム・レインボーバッチ|(黒)、闇のメリケンサック、ヒーローお面、心に宿る深淵なる憎愛


 オレがレッド

  種族:偽人 クラス:迷宮戦隊

 ・迷宮戦隊のリーダー。自己主張が強い。

  攻撃にモーションを付けるのでどの攻撃を行うかが事前に分かりやすい。モーション速度は最速。

 ドロップアイテム・レインボーバッチ|(赤)、ブラストナックル、ヒーローお面、心に宿る自己愛たる太陽

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