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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四話 そのバグの怒りが齎した結果を彼らは知りたくなかった
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そのグリーンパニックを僕は知りたくなかった

「はぁ……はぁ……か、勝てた」


 正直今のはヤバかった。

 いや、僕が助っ人に入れば楽になったんだろうけど、いつも助っ人入ってるとリエラの成長が見込めないからね。僕も自重して余程の事が無い限り手助けしないことにしたんだよ。

 だから、二体のレインボーセブンメンバーに勝てたのは彼女自身の実力だ。


 とはいってもさすがに二体一で辛勝だったので、三体出てきたら手伝う所存であります。

 四体なら? うんリエラの手を取って逃げよう。

 回復魔弾を自分に打ち込んでいるリエラを見ながら、一人決意する僕でした。


「なんだか、私行けそうな気がして来ました」


 あ、ダメだよリエラ。そういう素人が俺って強ぇフラグ建てたらキツイ遭遇が……


「ヘアッ!」


「アヘッ!」


 またも二体の偽人出現。今度はうっちゃりイエローと助っ人シルバー……って、ちょっと待て、ヘアッなら分かるけどシルバーの奴台詞が変じゃなかったか!?


「ヘアッ!」


「アヘッ!」


 聞き間違いじゃないッ!? 待て、よくよく見ればあのシルバー、なんか変態臭がそこはかとなく漂ってる気がするぞ。

 なんで銀色のマント付けてんだこいつ? ただのカッコつけかと思ってたけど、なぜかリエラの前でばっとマントを広げるという動作を何度か繰り返している。

 全身銀タイツなので変質者っぽい行動してても気付かなかったけど、ふと思ってしまうと、もはや露出狂の変態にしか見えなくなってきたぞ。


 気付いてないリエラは普通に闘うようで、まずは助っ人シルバーに斬撃を見舞う。

 丁度意味不明にマントを広げたところだったので、まるで飛び込んで来なさい。とばかりにリエラを受け入れ真上から両断されていた。

 ちょ、おまっ……


「あ、あれ?」


 まさか今の一撃で倒せるとは思っていなかったリエラも、あまりの手ごたえのなさに驚きつつももう一体の黄色いデブタイツに剣先を向ける。

 ちょっとガタイの良い体型を体重だけ増やした感じのそいつは、何故か右手にスプーン。左手にはカレーを持っていた。


 またカレーだよ。ここ最近良く見るなカレー系魔物。

 コルッカ周辺はカレーの産地なのでしょうか?

 いや、別に他意は無いんだけどさ。カレーは美味しいし。


「ヘアッ!」


 ふとっちょさんの拳が襲いかかる。

 幾分遅い一撃がリエラに当るその瞬間、モーネットさんに習った相手の勢いを利用する投げ技に移行する。

 が、残念、うっちゃりイエローの体重が重すぎてリエラの動きが止まってます。

 うんしょと引っ張ってるけど彼を転ばせる程の体力も無かった。


 結局諦めたリエラが普通に斬り倒して事無きを得る

 うーん、折角教わった技もお手上げ状態か。これは明日の闘いには使えそうにないね。

 うっちゃりイエローをぎりぎり倒したリエラはその場に座り込む。


 疲れたらしく、ここで休憩を取るようだ。

 今は三階層。

 初めの一階はグリーンしか出て来なかった。

 二階ではクールブルーとおいろけピンク。

 で、三階層に入ってからはうっちゃりイエローと助っ人シルバーしか見掛けていない。


 小休止を終えたリエラは、何度か闘いつつ下層へと辿りつく。

 今のところリエラが強くなったとかのレベルアップも無い。

 うーん。これ、この迷宮潜ってもリエラにはたいした力は目覚めそうにない。


 四層へと降りる。

 そこは今までと違い一本道。

 目の前にはドアがあり、まるでリエラの挑戦を心待ちにしているかのようだ。


 リエラがゴクリと喉を鳴らして部屋へと進む。

 一歩、リエラが踏み込んだ瞬間だった。

 閉まろうとする気配を察した僕はぎりぎりで滑り込む。

 そこにあった光景は……


「「「「「「ヘアッ」」」」」


 見渡す限りのマイナーグリーン。

 はい、モンスターハウスです。

 稀にダンジョン内に出現する罠であります。


 呆然と佇むリエラは、既に心ここに有らず。といった様子である。

 しかし、一斉に動き出したマイナーグリーン。

 リエラが慌ててミスリルソードを構える。当然のように突撃して来るマイナーグリーンの群れに、彼女はひとりで対峙する。


 一体一体は大したことのない雑魚だが、ここまで群れると……何十匹居るんだ?

 リエラも必死に抵抗する。

 しかし、悲しいかな。一対数十の闘いで勝てるかといえば、リエラがそこまで抜きんででいるわけがない。


 結果は多勢に無勢だった。

 死角からの飛び蹴りを喰らい体勢を崩されると、途端リエラに一斉射。

 よける暇すら無かった。


 次々にダメージを喰らわされるリエラ。その意識はまさに風前の灯だった。

 マイナーグリーンの拳を受けて地面にへたり込むリエラ。

 志半ばで敗北を許容したらしい。


 既に意識も落ちる寸前だったようだ。

 眼前に迫る拳を見つめ、ただただ諦めた顔をする。

 ああ、これ、なんかいろんなもの諦めた目だ……


「ったく、見てらんねぇぜ嬢ちゃん」


 不意に、そんな声と共に上空から男が降って湧いたのは、リエラが気絶する直前のことだった。

 うっちゃりイエロー

  種族:偽人 クラス:迷宮戦隊

 ・迷宮戦隊の食事担当。食い過ぎで太ってる。

  攻撃にモーションを付けるのでどの攻撃を行うかが事前に分かりやすい。モーション速度は鈍い。

 ドロップアイテム・レインボーバッチ|(黄)、染みつきグローブ、ヒーローお面、心に宿る旺盛なる食欲、スプーン、トロピカルカレーライス


 助っ人シルバー

  種族:偽人 クラス:迷宮戦隊

 ・迷宮戦隊の人数が足らなかったので助っ人として入ったとか。ニューカマーな変態さん。なぜか敵の前でマントを広げる動作を繰り返す時がある。

  攻撃にモーションを付けるのでどの攻撃を行うかが事前に分かりやすい。モーション速度はやや速い。

 ドロップアイテム・レインボーバッチ|(銀)、ブラスナックル、ヒーローお面、心に宿る変態なる友愛、白銀のマント

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